垓王牙大戦

    ■第7ターン結果

    ●(2)透熊の戦場
     超高温の炎から発せられる炎が、陽炎を産み、その戦場を覆い尽くしていた。
     本来は陽炎をもっての隠密行動を得意とするイフリート達が、今はその熱気を顕にし、敵対するご当地怪人と激戦を繰り広げる。
     対するは、大阪を代表する合体ご当地怪人の雄。
    「右手にタコ焼きクシ、左にお好み焼きコテ。いくぞっ大阪うまいもん殺法っ食い倒れ! 一片のタコに命が宿り、広島風は認める事あたわず……温泉に帰れ、イフリート!」
     お好み焼きタコ焼き怪人の一撃が、インビジブル・ブルーの一体を貫き、お好み焼きタコ焼き怪人が猛攻をかける。
     だが、迎え撃つイフリートの群れの長たる透熊インビジブル・ブルーが配下を庇うように仁王立ちで立ち塞がり、その攻撃をなぎ払い、その攻勢の意を砕き、この戦場の戦いは、何度目かのこう着状態に入ろうとしていた。
     このこう着状態は、この戦争が終わるまで続くかに思われた。

     しかし、ここに、それを阻止するべく介入した者達がいた。
     ガイオウガの完全復活を阻止する、最後の可能性にかけて、奮起した灼滅者達だ。
    「さて……。ここが勝負どころですね。あまり時間もありませんし。始めましょうか、殺し合い」
     夕闇にさし掛かろうという戦場に、村山・一途(硝子細工のような・d04649)の声が響き渡る。
     その声と同時に、垓王牙大戦の勝敗を決する、決戦のひとつが開始された。
     一途を先頭に、武蔵坂の灼滅者が決死の様相で戦場になだれ込んでいく。
     既に満身創痍のものもいるし、急遽呼び出されたものもいる、重傷を推して命を的にしているものもいる。
     もしもガイオウガが完全復活すれば、別府を含む大分県は、確実にガイオウガの封土と化すことだろう。
     もしかしたら、九州全域、或いは、対岸の四国地域までも、その影響かに置かれるかもしれない。
     そうなれば、どれだけの無辜の人々が被害にあうのだろう。
     そう、ここが灼滅者の命の掛け所なのだ。

     その灼滅者の強い意志が振るう武器に、放つサイキックに宿り、灼滅者達は、イフリートと合体ご当地怪人の乱戦に乱入し、快刀乱麻の如く戦場を席巻していく……。
     見る見る数を減らす配下達に、
    「グルゥゥゥ」
     と、透熊インビジブル・ブルーが怒りのあまり唸り声をあげ。
     同様に、
    「お好み焼きソースを持ってこい! 勿論、一番上等なのだ」
     と、お好み焼きタコ焼き怪人も、新たな敵の出現に、秘蔵のソースで喉を潤す。
     その合体怪人は、ケフゥ と、ゲップして上等ソースの余韻を楽しむまもなく灼滅され、そして、相対していた透熊インビジブル・ブルーもまた、一途の技の間合いに身を晒すこととなった。

    「今の武蔵坂に敗北は、許されないんだよ。この先の世界に希望を残す為、私達は、勝利しなければならないんだ」
     一途は、全てのサイキックパワーを手にしたダイダロスベルト『hello』に込め、透熊インビジブル・ブルーに向けて撃ち出した。
    「避けないで、くださいね」
     一途が言うまでもなく、その攻撃は回避不能の一閃となる。
     回避を諦めた透熊インビジブル・ブルーは、その場で仁王立ちとなり、はっしと、一途の攻撃を耐え切ろうと咆哮する。
     しかし、一途の攻撃は、漢の気合のような不確かなもので耐えられる程、やわなものでは無かった。
     その一撃には、一途の、否、戦場にいる全ての灼滅者の願いが重ねあわされていたのだから……。

    「この一撃で、希望を切り開けっ!」
     一途の言葉と共に、頭部を鮮やかに切断された、透熊インビジブル・ブルーがどぉっと倒れ墜ちたのだ。
     この瞬間、戦場の勝利が決し、そして、勝利への希望が繋がったのだった。

    ●(10)角竜亀の戦場
    「必殺お好み返しぃぃぃ!」
    「熱々タコヤキボンバーぁぁぁぁ!」
     戦場に、合体ご当地怪人の叫び声がこだまする。
     恐竜のような形状のイフリート、フレイムトリケロスに対して、合体ご当地怪人、お好み焼きタコ焼き怪人達が必死の攻撃を繰り広げているのだ。
     右手のタコヤキクシは、必死にタコヤキを焼き続け、左のお好み焼きクシは、顔面のお好み焼きをひっくり返してみせる。
     足りなくなったタコは、タコ足をちぎって投入。
     まさに、なりふりかまわぬ、必死の攻勢であった。
     その猛攻にさすがのフレイムトリケロスも耐え切れず、何体ものイフリートが命を散らす。だが、お好み焼きタコ焼き怪人の攻勢が限界点となった時、フリムトリケロスの反撃が始まった。
     甲羅から噴煙を出して傷を癒すと、フレイムトリケロスは、体内の炎を解き放ち、オーブフラッシュを一斉に放ったのだ。
     この攻撃で、お好み焼きタコ焼き怪人の陣営はもろくも崩れ去る。
     なんとか、態勢を整えようとしたお好み焼きタコ焼き怪人であったが、その意図は、新たな敵の出現により挫かれてしまった。
    「邪魔立てするなら容赦しねぇ…どけとは言わんが、強制的に通らせてもらおうか」
     そう高らかに宣言した黒い影、冴凪・勇騎(僕等の中・d05694)を戦闘に、灼滅者達が勢い良く戦場に乱入したのだ。
     灼滅者達は、イフリートも合体ご当地怪人も関係なく、当たるを幸いなぎ倒し、次々とダークネスを狩り続ける。
     互いに争っていた、イフリートと合体ご当地怪人にとって、悪夢のような光景だっただろう。

     角竜亀フレイムトリケロスは、配下のイフリート達が次々と灼滅される中、怒りで制御しきれない炎を全身から巻き上げた。
     その、角竜亀フレイムトリケロスの前に立ったのは勇騎だった。
    「どこもかしこも厄介な事になってるが……ま、思惑なんざそれぞれだろうしやれる事をやるだけだな」
     そう言うと、角竜亀フレイムトリケロスの怒りをかわして、肉薄すると、その甲羅の上に飛びあがると、八双飛びの要領で、頭部へとかけあがり、その首筋に向けて
    妖の槍をつきたてた。
    「鬼の一撃…受けてみるか?」
     それはまさに鬼神の一撃であり、角竜亀フレイムトリケロスの頚椎をやすやすと貫いたのだ。角竜亀フレイムトリケロスに致命の一撃を与えた勇騎は、その首からとんと地面におりる。
    「勝ったんだよな?」
     ほっとしながら、そう息をついた彼だったが、その言葉はすぐに裏切られることとなった。確実に倒した筈の角竜亀フレイムトリケロスが再び立ち上がり動き出そうとしていたのだ。
    「ちっ、倒しきれなかったのか……!?」
     状況を理解した勇騎はすぐに仲間と共に戦場を撤退する、戦場の制圧に失敗した以上、この戦場の敵は再び戦力を取り戻してしまうのだから。
     角竜亀の戦場の戦場の制圧失敗。
     この失敗が、戦況に及ぼす影響はあまりにも大きかったかもしれない。

    ●獅炎竜ガラルグラン
    「あれは確か、天武無双会にいるという……?」
     アデーレ・クライバー(地下の住人・d16871)はクラブ『-Feather-』の仲間と共に、眼前に現れた大型のイフリートに相対していた。
    『我が存在を知るか。それが何体目のガラルグランかは知らぬが……』
     ガイオウガの力は、ブレイズゲートにいるイフリートをも『楔』を通じて、この場に呼び寄せているらしい。
     山形県蔵王の天武無双会地下にいる獅炎竜ガラルグランも、そうして呼び寄せられた1体だ。ガラルグランは竜種化しながらも理性を完璧に保っている珍しい存在だが、それだけにこの百竜包囲陣を率いる将の一体としては適切と判断されたのかもしれない。
    「分割存在の一つを、超強化した感じね」
     アデーレは、敵の存在をそう理解する。
    『ガイオウガの復活した今、我が力も増している。お前達にここを譲る気は無い』
     イフリートの集合体であるガイオウガ。
     その中枢たる焔炉を破壊し、自壊に追い込めば、イフリートの集団が敵対的な活動をするのは防げる。また、ガイオウガの力を狙う者達によって、戦いの火種となることもなくなるだろう。
    「だからこそ、ここは突破してみせるわ!」
     アデーレの影が、岩肌を縫うようにして伸び、ガラルグランの足元へと至るとそこから絡みつくようにして巨体を駆け上った。牙の生えた影が、獅炎竜の体を噛み破っていく。
    『クッ……!! だが、ブレイズゲートでのようには……!!』
     溶岩の中へと退くガラルグラン。
     それを追う暇を与えまいとするように、生き残ったイフリート達が灼滅者達の行く手を遮る。
    「仕留め損ねたわね。面倒にならないといいけれど」
     そうごちて、アデーレは残存する敵との戦いに移った。

    ●百轟竜バッハジッテ
     百竜包囲陣を統率するイフリート側指揮官、百轟竜バッハジッテ。
     これまで幾度となく灼滅者達の攻撃を退けて来た彼の元へ、灼滅者達はようやくたどり着くことが出来ていた。
    「でかいな……だが、ここを突破しなけりゃならないんだよ!!」
    『サセルモノカ!!』
     轟然と咆哮をあげたバッハジッテの背中から、岩棘が雨のように空へと放たれ、そして灼滅者達へと降り注いでくる。
     周囲にいる同タイプのイフリート達も同様に攻撃を放ち、降り注ぐ炎と岩が、灼滅者達の行く手を阻む。
     不動・祐一(幻想英雄譚・d00978)はその隙間を霊犬 「迦楼羅」と共に駆け抜けた。
    「それだけデカい体なら、響かせる甲斐もあるってもんだ!!」
     降り注ぐ焔と岩塊が響かせる滝のような音の中、祐一は躊躇なくバイオレンスギターをつま弾く。
     頭上を襲う岩を迦楼羅が防ぎ、発される音は戦場の空気を震わせ、そしてバッハジッテの巨体を揺るがした。
    『オノレ……オウセンヲツヅケヨ! ワレラガチカラ、イマダツイエハセヌゾ!!』
     バッハジッテはそう指示を出しつつ、溶岩の中に身を沈めていく。
     彼をはじめとして残存している敵もおり、完全に制圧するとはいかないが、灼滅者達の攻撃は、長く戦ってきた百竜包囲陣の突破をついに可能とした。

    「まだ、なんとかなるよな……いや、してみせる」
     この終盤になって新たに参戦した灼滅者達の存在もあり、武蔵坂学園側の戦力も増している。最後の一戦に賭けるべく、灼滅者達は垓王牙焔炉へと向かう。

    ・特殊ルールにより、(2)~(11)のうち制圧されていない戦場の戦力が600に戻りました!
    ・(2)~(11)を制圧した際、援軍を絶たれた戦場は、戦力が発動時の『70%』に減少します(同時に2つ以上発動した場合、重複して減少します)

    →有力敵一覧

    →(2)透熊の戦場(13勝1敗/戦力600→0/制圧完了!)

    →(4)針蜥蜴の戦場(0勝1敗/戦力600→600)

    →(6)溶岩鰐の戦場(0勝1敗/戦力600→600)

    →(8)火麗狐の戦場(0勝1敗/戦力600→600)

    →(9)噴火牛の戦場(0勝1敗/戦力600→600)

    →(10)角竜亀の戦場(10勝2敗/戦力600→100)

    →(11)飛炎虎の戦場(1勝0敗/戦力600→550)

    →(16)百竜包囲陣(24勝4敗/戦力1250→50)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    透熊インビジブル・ブルー
    570
    (2)透熊の戦場:Battle2にて、村山・一途(硝子細工のような・d04649)に倒される。

    角竜亀フレイムトリケロス
    570
    (10)角竜亀の戦場:Battle2にて、冴凪・勇騎(僕等の中・d05694)に死の宿命を付与される。

    百轟竜バッハジッテ
    1380
    (16)百竜包囲陣:Battle1にて、不動・祐一(幻想英雄譚・d00978)に死の宿命を付与される。

    獅炎竜ガラルグラン
    1380
    (16)百竜包囲陣:Battle2にて、アデーレ・クライバー(地下の住人・d16871)に死の宿命を付与される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

    戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。

    ページトップへ