第3次新宿防衛戦

    ■第6ターン結果

    ●プレスター・ジョンの国

     新宿上空に出現した、プレスター・ジョンの国。
     この地に攻め込んだ灼滅者達は、盾河・寂蓮(泥濘より咲く・d28865)を先頭に、タロットと融合したプレスター・ジョンの国の住人達を蹴散らして、前へ前へと進み続けた。
    「残存ダークネスの掃討する。敵を切り捨ててプレスター・ジョンの元に向かうぞ!」
     かつての強敵達も、今の灼滅者の敵では無い。
     寂蓮達は、破竹の勢いでプレスター・ジョンの国を突き進み、然したる抵抗もなく灼滅者達はプレスター・ジョンの玉座へと辿り着いた。
     玉座に座るプレスター・ジョンは、目の前に現れた灼滅者達を一瞥すると、ゆっくりと立ち上がる。
    『お前達との戦いは、これで幾度目であろうか。時間も記憶もあやふやな中で、何度、矛を交えたのだろうか。曖昧な世界での曖昧な戦いと敗北……、まさに余に相応しい』
     何かを納得したようなプレスター・ジョンの言葉に、寂蓮が疑問をぶつける。
    「……概念侵略とは一体何なのか……気になることは山積みだがね。……王よ、貴方は今、何を考えておられる?」
     その寂蓮の問いかけに、プレスター・ジョンは薄く笑みを浮かべた。
    『余か? 余は、赤の王の概念侵略の象徴であった。四大シャドウが歓喜の門にタロットを封じなければ、全てのシャドウの概念を内包し、タロットの主として顕現する器となっていただろう』
     プレスター・ジョンの言葉に、寂蓮達は驚きと共に在る意味、納得もしていた。
     プレスター・ジョンの力の特殊性は、四大シャドウにも決して劣るものではない。
     その特殊性の根源が、赤の王タロットであるというのは、予想の範疇であったろう。
    「タロットの主……。それは、アガメムノンが狙っていた、赤の王の力と言う事か?」
     そう口にした寂蓮に、プレスター・ジョンは首肯する。
    『おおむねそのようなものだろう。余としては、アガメムノンが何を思って、それを望んだのかわからぬがな……』
     プレスター・ジョンは、玉座から立ち上がった。
    『さて、戦いの時間だ。余のタロット達が、侵入者を殺せと煩くてかなわぬからな』
     プレスター・ジョンが右手をあげる。
     放たれるメルキオール・ブラストに、たまらず、膝をつく寂蓮。
    「既にアガメムノンは倒された。この戦いは武蔵坂の勝利に終わるだろう。ならば、このままソウルボードに帰ってくれないか?」
     そういい募る寂蓮達に、プレスター・ジョンは更なる攻撃を畳み掛けた。
    『余は、戦いの時間だといった筈だが。そもそも、攻め寄せたのはおぬし達であろう?』
     既にタロットの弱点は判明しているのだから、この戦いには戦略的な意味は無い。
     ならば、あとは存分に戦うのみなのだろう。
    「しかたない、行くぞ!」
     灼滅者達は、プレスター・ジョンに向けて攻撃を集中する。
     プレスター・ジョンは、カスパール・ヴェールで受けた傷を回復をしつつ、更に戦い続ける。
    『この戦いは、タロットの意志に動かされたもの。だが、決して不快ではないぞ。余は、この戦いで敗北すれば灼滅される。曖昧な世界で幾百度戦おうとも、この一度の戦いには及ばぬ』
     既に、プレスター・ジョンを除く敵は戦場から駆逐されており、プレスター・ジョンに勝利の目は無いのは明らかだっただろう。
     灼滅者の攻撃は続きプレスター・ジョンの体力を確実に削り取っていく。
    「これで、終わりだ、プレスター・ジョン……」
     そして、寂蓮が降ろしたカミの力が渦巻く風の刃となり、プレスター・ジョンプレスタージョンを一刀両断に切り裂いた。
     カランとプレスター・ジョンの冠が地面へと落ちる。
    『見事だ。お前の一撃が、余の最後に受ける攻撃であった事に感謝しよう。お前達に勝利の栄光を……』
     プレスター・ジョンはそう言うと、寂蓮に向けて手を伸ばす。
     何かの罠かと思ったが、寂蓮はその手を取る事を選んだ。
     プレスター・ジョンは、その手を掴んだまま、満足そうな笑みを残して灼滅された。
     そして、プレスター・ジョンの国全体が鳴動を始める。
     主を失ったプレスター・ジョンの国は、この世界からもソウルボードからも消え失せようとしているのか。
    「戦争の間ぐらいは保ちそうだが……何にせよ、これで優貴先生も、ラグナロクの能力に振り回される立場から解放されるか」

    ●赤の王の消失

     灼滅者達は、『月』を示すタロットへと全力での攻撃を仕掛けていた。
     タロット達の示した謎かけ。
     その答えは、『月』であると、多くの灼滅者は理解していた。
    「月を落とせ!」
     灼滅者達は、その言葉を合図としてタロットの群れを切り裂いていく。

    「狙いは見えた。……衝かせてもらうね」
     そして、ユリアーネ・ツァールマン(ゴーストロード・d23999)の手にした灯喰い刀が、宙に舞うタロットの最後の1体を切り裂き、消滅させる。
     その瞬間だった。最後の囁きが、灼滅者達の耳に届く。

    『孤独に夢を照らせし月は、此処に堕ちた。我が命、潰えたり……』

     硝子の砕け散るような音が、地上と空とで連鎖する。
     新宿駅を取り囲みながら広がりつつあったタロットが、砕け散っていくのだ。
     愚者(フール)にはじまり、世界(ワールド)まで。
     全てのタロットは砕け散り、後には何も残らない。
    「赤の王タロット、灼滅完了……だね」
     刀を鞘に納め、ユリアーネは空を見る。
     四大シャドウ歓喜のデスギガスは、不気味な笑い顔を浮かべたままに、そこに浮かび続けていた。

    ●タロットの言葉

     赤の王タロットは完全に消滅した。
     タロットの囁きは、もはや聞こえない……。

    →有力敵一覧

    →(2)プレスター・ ジョンの国(3勝0敗/戦力100→0/制圧完了!)

    →(3)ハートシャドウ軍(1勝1敗/戦力350→300)

    →(8)デスギガス(4勝2敗/戦力2050→1850)

    →(9)デスギガスの右腕(1勝1敗/戦力250→200)

    →(11)デスギガスの左腕(0勝1敗/戦力1250→1250)

    →(13)デスギガスの左足(2勝0敗/戦力950→850)

    →(14)愚者(フール)(0勝1敗/戦力1100→1100)

    →(17)女帝(エンプレス)(1勝0敗/戦力1150→1100)

    →(19)法皇(ハイエロファント)(1勝0敗/戦力950→900)

    →(20)恋人(ラバーズ)(1勝0敗/戦力1000→950)

    →(22)力(ストレングス)(1勝0敗/戦力1150→1100)

    →(23)隠者(ハーミット)(1勝0敗/戦力1150→1100)

    →(24)運命の輪(ホイールオブフォーチュン)(0勝1敗/戦力1150→1150)

    →(25)正義(ジャスティス)(1勝0敗/戦力1150→1100)

    →(26)吊られた男(ハングドマン)(1勝0敗/戦力1000→950)

    →(27)死神(デス)(0勝1敗/戦力1000→1000)

    →(28)節制(テンパランス)(0勝1敗/戦力1000→1000)

    →(29)悪魔(デビル)(1勝0敗/戦力950→900)

    →(30)塔(タワー)(1勝0敗/戦力900→850)

    →(31)星(スター)(1勝0敗/戦力1150→1100)

    →(32)月(ムーン)(32勝0敗/戦力1100→0/制圧完了!)

    →(34)審判(ジャッジメント)(1勝0敗/戦力1100→1050)

    →(35)世界(ワールド)(1勝0敗/戦力1100→1050)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    プレスター・ジョン
    1240
    (2)プレスター・ ジョンの国:Battle3にて、盾河・寂蓮(泥濘より咲く・d28865)に倒される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

    戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。

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