■第2ターン結果
白銀色に揺らめく炎を纏い、嶌森・イコ(セイリオスの眸・d05432)は黄金に輝く脳の要塞の司令室へと辿り着く。
そこに待ち受けていたダークネスの頭には、アッシュ・ランチャーと同じく『不滅の兜』が装着されていた。
「元老、ゴールド・コンダクター!!」
倒すべき元老の発見に、イコ達の顔に緊張が走る。
「いざ、尋常にお相手くださいな!」
「大したものだ。これだけの力を持つ灼滅者など、人類の歴史を紐解いたとて、一人たりともいなかったと断言できるだろう」
賞賛の言葉を向けて来るゴールド・コンダクター。
黄金に輝く毛皮のコートを羽織った元老の周囲には、その身を守るべく多くのノーライフキングが現れ、灼滅者達との交戦を開始していた。
ノーライフキングの攻撃から仲間達を守るべく断斬鋏を振るい、イコはゴールド・コンダクターへと問いを向ける。
「それは、文明の根幹……『経済』を司る『人類管理者』としての感想なのですか?」
「察しが良いお嬢さんだ。経済的に優れた知性の持ち主であると言えるだろう。それとも、アッシュ・ランチャーの不滅の兜から情報を得たのかな?」
ゴールド・コンダクターは、イコの言葉に鷹揚に頷いた。
「経済活動こそが文明の根幹。それを操ること管理こそが、『人類管理者』たる我輩の役目である。そして……」
ゴールド・コンダクターが無造作に伸ばした手が、サーヴァントに触れた。
触れられた箇所から、たちまちにして金色が広がっていく。
その手に掴まれたサーヴァントが、たちまち金の塊と化して消滅した。
「やはり、灼滅者の魂の一部でしかないサーヴァントでは、経済的活動に参加する資格は無いようだ」
「冗談じゃない……!!」
触れたものを黄金に変えるミダス王の逸話を思い出させるような光景に、ディフェンダー達の顔に緊張が走る。
殲術再生弾が効果を発揮している今ならば、多少時間があれば灼滅者達が受けても動けるようになるまで時間はかかるまいが、再生弾抜きでは相手をしたくない部類の能力だ。
「黄金、ゴールド、元素記号Au……言葉は様々だが、共通して人の欲望を喚起する金属だ。不経済な話だが、その存在が不自然ではないのか。何故、黄金の輝きが人の心を奇妙なまでに強烈に惹きつけるのか、都合が良過ぎないか、と考察したことはあるかね?」
黄金の光が、灼滅者達の心を同士討ちへ導こうとする。
「もし、そう疑問を持ったことがあるならば、君は己の洞察力に経済的価値を見出して然るべきだ。『金』とは、すなわち、人を闇堕ちへ導くため、ゴールド・コンダクターが生み出した物質なのだから」
元老は語りながら、己の語る内容が実現可能であることを、灼滅者達の体で証明していく。
金の塊となった灼滅者達が破壊されないよう後退させつつ、イコは問うた。
「闇堕ちをもたらすために、金も、経済も、あなた達が管理してきたというんですか!?」
「信じようと信じまいと、君は経済的に自由だよ、お嬢さん。人類が己で進歩を為せる生物であると。そう信じる自由もまた経済的に保障されている」
「だとしても……! その金の力には、惑わされません!!」
イコの振るった炎の剣が、ゴールド・コンダクターを袈裟懸けに切り裂いた。
ぐらりと体を揺らしたゴールド・コンダクターは、手元からスマートフォンのような装置を取りだし、何か操作する。
「確かに強い。経済など歯牙にもかけない、かのデスギガスを倒しただけのことはある。だが、この要塞にも、経済力によって、多少の仕掛けを施しているのだよ」
ゴールド・コンダクターが何かのスイッチを押す。
その瞬間、灼滅者達とゴールド・コンダクターを遮るように、天井が落ちた。
「逃げますか……!!」
深手を負わせたことは確かだが、あの元老を倒さねば意味は無い。
次こそは倒すと決意し、イコ達は構造を変化させた要塞から一度退くのだった。
→有力敵一覧
→(2)闇の雪原(1勝1敗/戦力1450→1400)
→(3)業の荒野(6勝1敗/戦力750→450)
→(4)力の森林(0勝1敗/戦力1500→1500)
→(5)知識の山脈(2勝1敗/戦力400→300)
→(11)脳の要塞(22勝10敗/戦力1500→400)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。