■第2ターン結果
●巌流島牢獄
「「キぃぃぇえエエエエエエえッッ!!!」」
奇声をあげて切りかかって来る、何人もの佐々木・小次郎の分体達。
他の六六六人衆と共にこちらへ攻め寄せて来る小次郎達を突き押しで押しのけながら、押出・ハリマ(気は優しくて力持ち・d31336)は佐々木・小次郎の本体を探していた。
「どこだ……本体はどこにいる!?」
宮本武蔵と佐々木小次郎との巌流島での決闘は有名だが、佐々木小次郎という剣豪の人物像には謎が多い。
二刀流の武蔵に対して物干竿なる長い刀を使う、眉目秀麗な若き武芸者といったイメージは強いが、こうした中には講談などの中で創作されたものも多い。
当時の他の書物から確認できる実年齢は武蔵より年上であったり、戦った武蔵が自身の著書の中で触れた様子が確認できない等、とらえどころのない人物でもあった。
「こうしたものも、バベルの鎖によるものなのかもしれませんね」
と言っていたのは牧原・みんと(象牙の塔の戒律眼鏡・d31313)をはじめとする灼滅者達である。
単純に歴史の壁に阻まれているだけかもしれないが、みんと達の想像通りならば、こうした曖昧な人物像も、『バベルの鎖』による情報阻害の影響があるのだろう。
いずれにせよ、眼前に立ち塞がる第6位佐々木・小次郎という六六六人衆が、その階位に見合うだけの存在であることは疑う余地もなかった。
「……いた!!」
押し寄せる殺意の波にその人垣を突破した先に、刀をひっさげた老剣士の姿はあった。目は殺意に溢れ、刀は赤く塗れている。
それはオーラか、あるいは既に誰かを切ったのか。
その強烈な摩擦熱を伴う邪剣が振り斬られるよりも早く、ハリマは愛犬と共に老剣士へと突進した。
「力士か!!」
「言うまでもないだろ爺さん!」
切り裂かれながらもハリマは小次郎を離さず、巌流島の岩肌に叩き付け続ける。腕の振るいでハリマの体を振り払った小次郎は、落ち着き払った様子で言う。
「……あらゆる剣技を修めし儂が、巌流島で土をつけられるとはな。長い封印で鈍ったか……いや、言い訳だな」
投げられた衝撃に頭を揺らしながら言って、小次郎は再び湧き出した分体達に紛れて撤退していった。勝利を収めながらも、組み合ったハリマは小次郎の秘める力の大きさを思い出す。
「あれで6位か。もっと上がいるんだよな……」
合同組織の最強存在達をグラン・ギニョールから逃がせば、極めつけに厄介なことになりそうだとハリマは顔をしかめた。
→有力敵一覧
→(3)巌流島牢獄(20勝15敗/戦力1500→500)
→(4)太陽の神殿(0勝2敗/戦力1500→1500)
→(5)何でも屋ジョン・スミス(1勝3敗/戦力1400→1350)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。