グラン・ギニョール戦争

    ■第5ターン結果

    ●十の戒め~ゴリアテ殺し
    「そらよっ、石をくれてやる!!」
     十の戒めの戦場に攻め込んだ成瀬・亮太郎(中学生爆音ロケンローラー・d02153)達は、戦いが始まった直後、空から飛来する石に打ち据えられる。
     21位ゴリアテ殺しゴリアテ殺しのストーンタイフーンだ。
    「いたたっ、ただの石礫なのに、厄介な攻撃だよね!」
     縛霊手で頭をかばいつつ、亮太郎は、ゴリアテ殺しの攻撃に辟易しつつも前へと進む。
    「なのなの~」
     亮太郎の相棒である、ナノナノの『なの』も、亮太郎の言葉に同意するように、ほっぺをぷいっとさせて、亮太郎の背に隠れるようにして続く。
     この戦場の残存敵は残りわずか、だが、その僅かの敵の前に、灼滅者が攻めあぐねているのは、ゴリアテ殺しを始めとする六六六人衆の高い個人戦闘力が原因だったろうだ。
     そのゴリアテ殺しは、
    「たかが石だとバカにするなよ、石は最高の武器なんだぜ、簡単に手に入り、扱いが楽で、なにより、持っていても誰にもとがめられないのだからな」
     と、手にした石をもてあそびながら、灼滅者を挑発する。
     宍戸によると『巨人ゴリアテを石もて殺した』という伝説を持つゴリアテ殺し。
     その言葉は、なるほど説得力もあるだろう。
    「なのなの~」
     だが、自分の武器を使い捨ての道具のように言うゴリアテ殺しに、『なの』は抗議の声をあげた。
     サーヴァントの『なの』にとって、殲術道具は、自分と同じ亮太郎の相棒だという認識なのかもしれない。
     勿論、亮太郎も、ゴリアテ殺しの言葉を否定する。
    「偉大なミュージシャンは皆、自分だけのスペシャルな楽器を愛用していたんだよ。だから、自分の武器を粗末にする人は、その武器にきっと見捨てらるんだ!」
     武器も楽器も、自分を表現する道具、だから……。
     そう続ける亮太郎を、ゴリアテ殺しは鼻で笑うと、
    「そう思うなら、その御大層な武器とやらで俺に攻撃を当ててみるんだな」
     と挑発する。
     その挑発に『なの』がしゃぼん玉を放つ……が回避され、それに続いた亮太郎のディーヴァズメロディも回避されてしまった。
     それだけでは無い、ゴリアテ殺しは並み居る灼滅者の攻撃を、時に回避し相殺し、実に20回以上にわたって連続で避け切って見せたのだ。
    「どうして当てられないんだ!」
     焦る亮太郎は、仲間の攻撃に連携して、縛霊手を振り上げる。
     狙いすませた一撃は、ゴリアテ殺しを捉えるかに見えたが……すんでのところでかわされてしまう。
    「どうした、お前の相棒はその程度か?」
     ゴリアテ殺しが、亮太郎の無様を嘲弄する。
    「残念だけど、ボクの武器は届かなかったんだよ」
     亮太郎は、ゴリアテ殺しの言葉に同意するかにみえた。だが、
    「でも、ボクの相棒は武器だけじゃないんだ! なの、お願いだよ!」
     亮太郎の言葉に、回避したゴリアテ殺しの死角から現れた『なの』が、必殺のしゃぼん玉を吹きかけたのだ。
    「なのなの~」
     『なの』渾身のどや顔が炸裂し、ゴリアテ殺しはガクリと地に伏せた。
    「バカな……俺の石が、しゃぼん玉に負ける……だと」
     そして、驚愕の表情のまま、ゴリアテ殺しは塵と消えたのだった。
    「よくやったんだよ、なの」
     亮太郎になでられ、なのは幸せそうに「なの~」と鳴いた。

    ●第8位ランキングマン
    「ふははははー戻ってきたよランキングマン!」
     赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996)はポーズと共にそう宣言する。
     護衛のゴリアテ殺しを下し、灼滅者達はランキングマンの元へと至っていた。
     六六六人衆の位階をつかさどる男は、配下達へと声をかける。
    「第四の言葉、殺戮せよ」
    「行くぞおらぁ!!」
     既に劣勢を理解しながらも、六六六人衆はランキングを司る男の言葉に突き動かされるようにして灼滅者達へと襲い掛かる。
     だが、その守りも、黄金闘技場での雪辱を晴らそうとする灼滅者達にとっては、あまりにも脆いものだ。
    「ここで仕留めれば六六六人衆はシステム的に崩壊するからね。逃がさないよ」
     緋色はそう宣言する。
     ランキングの入れ替わりというシステムが崩壊すれば、六六六人衆は大混乱に陥る。
     ある意味では、第1位パラベラム・バレット以上に重要な存在であろうことは疑う余地もない。
    「『伝説は我が手にあり』」
     ランキングマンの指先が、石板の上を滑る。
     黄金闘技場での戦いで、灼滅者達に敗北を与えた数多の凶器が再び虚空から現れる。
    「ネタ切れだね!! そいつは、もう、知ってる!!」
     殲術再生弾の力を受けた灼滅者達の勢いは、ランキングマンの知るそれを上回っていた。
     血塗られた伝説の剣が。
     何百人もを殺した伝説の銃が。
     多くのものを処刑した首斬り斧が、ギロチン台が。
     次々と現れては、灼滅者達によって破壊されていく。
    「これでおしまい! 六六六人衆は閉店ガラガラーだよ!!」
    「第五の言葉、自賛せよ。汝らは確かに我が位階を上回った」
     覚悟を決めたように言ったランキングマンへと、緋色は全力で蹴りを繰り出す。
     炎と共に、蹴りはランキングマンの胸板に吸い込まれ、そして彼の体を打ち破った。
     ランキングマンが消滅すると共に、その手から落ちた赤土の石板が床に落ちて砕け散り、砂となって消えていく。
    「……っ」
    「今のは……」
     殺人鬼のルーツを持つ者達は、自分達の魂に宿る六六六人衆に何かの変化が起きたのを感じていた。
     それは六六六人衆という種族を縛っていたランキングの崩壊を意味するものに相違なかった。

    ●第1位パラベラム・バレット
     白いドレスの裾を翻し、第1位パラベラム・バレットは弾丸を放ち続けていた。
     既に一度灼滅者達を退けた彼女の力は、歴戦の灼滅者達をして、倒せるかどうかを疑わせるほどのものがあった。
     それでも、その力を知りながら、なおかかって来る灼滅者達の姿に、パラベラム・バレットの顔には薄い笑みが浮かぶ。
    「簡単に死なないとは聞いていたが、面白いね。それを為すサイキックアブソーバー、それに殲術再生弾(キリング・リヴァイヴァー)。ますます興味が湧いて来たよ」
     一弾一殺。
     ただの銃弾にすぎないが、『銃を撃ったら相手は死ぬ』の原理を体現するパラベラム・バレットの銃弾は、その弾丸を受けた者の命を奪い去る。
     殺しきれなかったのは不死身を豪語していたジークフリート大老ぐらいだ。
    「けどまあ、その不死身のジークフリート大老を殺した連中だ。油断は禁物ってやつだねぇ」
     ドレスに回った炎の熱に眉をしかめながら、パラベラム・バレットは銃口を灼滅者達へと向ける。
    「ここまでやられたのは第1位になって初めてだねぇ」
     封印前とは状況が大きく違う。
     時代の変化を生んだサイキック・アブソーバーに目をつけた自分の考えは、間違っていないようだ。そんな思いが、一瞬パラベラム・バレットの脳裏を過ぎる。
    「まずはこいつらを殺したら、おさらばさせてもらうとしようか」
     最終的に生き残っていれば勝ちだ。今は四度目の敗北を捧げるのも悪くはない。

     前線を駆け抜けるフランキスカ・ハルベルト(フラムシュヴァリエ・d07509)は、共に戦う楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)の苛立った様子にふと目を見開いた。
    「どうしたの」
    「ああいう余裕ぶった態度はムカつくんすよねぇ!!」
     パラベラム・バレットは明らかに『戦いのあと』を見ている。
     今、この場で戦っている灼滅者達は、過程に過ぎないといった様子だ。
    「なるほど。……確かにそれは」
     腹が立つのも道理と言えよう。
     頷きあうと、護衛の最後の一人が倒れた瞬間、それを目くらましにして2人は相次いで跳んだ。
    「フン……」
     寄せ付けまいと弾幕を張ろうとするパラベラム・バレット。だがフランキスカの不死鳥の翼の如き炎が広がり、彼女の存在と半ば一体化した拳銃の発射が、一瞬遅れた。
     その一瞬が命取りだ。
    「封印解かれたばっかで名前以外ポッと出の連中が!!」
     高々と跳んだ盾衛は、弾幕の隙間へと飛び込んでいく。
    「今さら出て来て大物面してンじャねェッてンだよオラァン!!」
     そして空中から渾身の力を篭めて突き出された槍の穂先は、パラベラム・バレットの胸を深々と突き刺さっていた。
    「参ったね。こいつは驚いた……」
    「今は俺達の時代だぜ。ロートルどもはすっこんでな」
     そう盾衛に言われると同時、第1位の姿は消え去っていた。

    ●44位ザ・ナイト

    「おお……なんということだ……守ろうとする相手に死なれるとは」
     パラベラム・バレットの死を受けて撤退する六六六人衆たちの中には、44位ザ・ナイトの姿もあった。
    「このザ・ナイト、一生の不覚……」
     ザ・ナイトに過ちがあったとすれば周囲の者達への油断を欠いた事だろう。
     パラベラム・バレットの死を悼む彼の喉を横切ったのは、六六六人衆の刃だ。
    「う……あ……?」
     ぬるりとした赤い液体が、ザ・ナイトのひげを濡らす。
     どうと倒れるザ・ナイトを見下ろして、それを為した六六六人衆は歓声をあげた。
    「よっしゃぁ、これで俺が44位! ……あれ、でもなんか強くなんねぇな……?」
     ザ・ナイトを殺した六六六人衆はひとり首をかしげる。
     次の瞬間、その頭が砕け散った。
     遠距離からの狙撃が、ザ・ナイトを殺した六六六人衆をさらに殺したのだ。
     
     互いが殺し殺される間柄であることを思い出したかのように、六六六人衆は、もはや収拾のつかない有様となりながら撤退していった。

    →有力敵一覧

    →(3)巌流島牢獄(3勝3敗/戦力250→100)

    →(4)太陽の神殿(0勝1敗/戦力1450→1450)

    →(5)何でも屋ジョン・スミス(0勝1敗/戦力1350→1350)

    →(6)ケツァール・リング(1勝0敗/戦力1100→1050)

    →(7)アガルタの口(0勝1敗/戦力1300→1300)

    →(8)十の戒め(8勝0敗/戦力259→0/制圧完了!)

    →(9)プリズン・ケイオス(2勝1敗/戦力1750→1650)

    →(10)オペレッタ・グラン(7勝4敗/戦力350→0/制圧完了!)

    →(11)建御雷祭壇(4勝2敗/戦力1900→1700)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    第6位佐々木・小次郎
    3996
    (3)巌流島牢獄:Battle1で戦い、現在も同地域に存在。

    21位ゴリアテ殺し
    2020
    (8)十の戒め:Battle1にて、なの(成瀬・亮太郎のサーヴァント)に倒される。

    第8位ランキングマン
    4444
    (8)十の戒め:Battle8にて、赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996)に倒される。

    第1位パラベラム・バレット
    6666
    (10)オペレッタ・グラン:Battle3にて、楯守・盾衛(シールドスパイカ・d03757)に倒される。

    44位ザ・ナイト
    1960
    (10)オペレッタ・グランの制圧と共に、死の宿命に巻きこまれ死亡する。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

    戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。

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