■第2ターン結果
●バントラインスペシャルマン
吹きすさぶ風が良く似合う、荒野のような戦場で、バントラインスペシャルマンは、正々堂々と灼滅者を待ち受けていた。
黒光りする銃身は、戦士の誇りを体現するように黒く輝いている。
そして、その銃身から放たれる弾丸は、男の魂を具現化したかのように、あらゆる事象を貫き通す決意に溢れていた。
「これが、俺の最期の戦いとなるだろう。その戦いの相手がお前達灼滅者であるのは必然だ。さあ、その魂を、俺に見せるがいい」
潔いまでの覚悟を見せるバントラインスペシャルマンに、熱い戦士の心を感じた冴凪・勇騎(僕等の中・d05694)は、その覚悟に応えるべく口を開く。
「俺には護る者がある。そして、それを護るために、迷う事はしないぜ。相手してやるからかかってこいよ。この俺、冴凪・勇騎が相手してやる!」
その言葉と同時に、勇騎は弾けるように横に飛ぶ。
数旬前まで勇騎の居た場所には、バントラインショットの銃痕が刻まれる。
そして、反転した勇騎が妖の槍を閃かせ、バントラインスペシャルマンを横に凪ぐ。
その攻撃を紙一重で避けたバントラインスペシャルマンは、その銃身を黒光らせて勇騎を賞賛した。
「お前も、良い戦士のようだな。……灼滅者には本当に良い戦士が多いものだ」
「……ったく。お前もダークネスにしておくのは惜しい戦士だぜ。お前と戦うのは、少し骨が折れそうだな」
勇騎のマテリアルロッドも、我が意を得たりとでもいうようにフォースの輝きを見せた。
「この戦い、俺のマテリアルロッドも喜んでいるようだぜ」
「ぬかせ、俺の戦士の銃の喜びの方が上に決まっている」
楽し気に言い合いながら、バントラインスペシャルマンの銃身と、勇騎のバトルオーラが鍔迫り合い、離れ、妖の槍斬りが弾丸を貫き、更に、マテリアルロッドが殴り合う。
その戦う様子は、芸術の域までに高められ、極限まで張り詰められた緊張は心地よい汗として流れ出た。
だが、その戦いが、いつまでも続く事は無い。
「そろそろ、この戦いも終わりにするぜ」
「よかろう、楽しかったぞ」
「だが、最後に勝つのは」
「勝利をつかむのは」
「「俺だ!」」
互いに必勝の意志を込めて繰り出した攻撃。
そして、轟音が轟く。
相手に致命の一撃を与えたのは勇騎のフォースブレイクだった。
「加減はしねぇぞ……耐えれるもんなら耐えてみなっ!」
勇騎のマテリアルロッドがフォースの光を放ち、激甚たる打撃でバントラインスペシャルマンの銃身を押しつぶす……。この攻撃に耐えられるものなど、ありはしない、そんな一撃であった。
ゴトンと音を立てて地面に落ちた銃身が、塵となって消え去る。
「戦士の銃の誇り、ここに果つるか……。グローバルジャスティス様に栄光あれ!」
その声と同時に、バントラインスペシャルマンは、満足したように黒光ると、残る体も塵に変えて消え去っていく……。
その塵に手を伸ばした勇騎は、
「お前の戦士の誇りは、俺が引き継ぐぜ。だから、安心していきな」
バントラインスペシャルマンの誇りを胸に、硬く拳を握りしめたのだった。
●ドーター・マリア
神凪・朔夜(月読・d02935)は新たに発見された洞窟を駆けながら、かつて双子の姉である神凪・陽和(天照・d02848)と共にドーター・マリアと交戦した、群馬密林を思い出していた。
この場所に、もはや残っている敵戦力は少ない。あとは抵抗を続ける敵を灼滅すれば、灼滅者はグローバルジャスティスに一歩近づける。
それを阻止せんと、敵もまたこちらを迎撃にかかる。
元から奇襲のために脆く設計されていたのだろう、壁を崩しながらぶち込まれて来た巨大な斧が、先行する灼滅者達へと襲い掛かった。
「ドーター・マリア!!」
すかさず飛ばした朔夜の神薙刃が、ドーター・マリアをかすめる。
一発の傷は浅いながらも血がしぶき、先の交戦で傷ついたマリアのセーラー服を、さらに赤く染め上げる。
だが、ドーター・マリアの勢いは止まらない。
「全人類ご当地怪人化儀式……止めさせるわけにはいかない」
その意志の元、残る命を振り絞るかのように殺意は高まり、斧が灼滅者達の命を刈り取らんとする。
「陽和が一度膝を屈しただけある。強いね」
陽和がじろっと睨んで来るが、いまだ戦う意思を捨てていないドーター・マリアの意志の強さは、驚嘆に値するものだと朔夜は思う。
自分達が人類を守ろうとしているように、彼女もまた、グローバルジャスティスを守り抜こうとしている。
彼女が殺人衝動に突き動かされる六六六人衆であることを想えば奇妙と言えるかもしれないが、だからこそ本能を凌駕する『意志』を、朔夜はそこに感じ取っていた。
「ここからは意志の勝負だ。貴女がご両親から受け継いだ信念が上か。僕と陽和の絆の力が上か。勝負だ!」
陽和と朔夜が飛び出していく。
「このままじゃ終われない……!!」
2人がかりでも、ドーター・マリアの力は圧倒的だ。
振り回される斧は灼滅者達に接近を許さず、入る有効打は数少ない。
マリアが防御に転じた隙を突いて、朔夜達はマリアへと接近。
それを迎撃するように、マリアは身を翻した。
回転の勢いのまま、斧は頭上へと回り、かつて陽和を地に這わせた斧の一撃が振り下ろされる。
「大地への供物となれ、灼滅者……!!」
超重の一撃が、凄まじい震動を響かせる。
だが、その衝撃に全身から血を溢れさせながらも、陽和はそれを受け切り、斧を跳ね除ける。
もはや言葉は要らなかった。
視線を交わすことすらなく、タイミングを合わせた双子の手にした殲術道具が、マリアに十字の傷を刻み付ける。
「姉弟……か」
どこか眩しそうに言って、ドーター・マリアの体は血だまりの中に倒れ、そして消えていった。
→有力敵一覧
→(2)インドマハラジャ怪人(0勝1敗/戦力2000→2000)
→(3)ミイラアヌビス怪人(1勝0敗/戦力1610→1480)
→(5)おフランスベルサイユ怪人(3勝2敗/戦力1610→1220)
→(6)インドゾウカレー怪人(1勝0敗/戦力1870→1740)
→(7)バントラインスペシャルマン(10勝8敗/戦力1160→0/制圧完了!)
→(8)ドーター・マリア(4勝1敗/戦力170→0/制圧完了!)
→(11)アフリカンパンサー(8勝0敗/戦力1960→920)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。