アンリ戦争

    ■第4ターン結果

    ●大悪魔ザガン
    「全く、数奇な運命よな」
     大悪魔ザガンの振り上げた斧が、魔術空間の岩壁を叩き割る。
     戦いの余波で鳴動する岩窟遺跡の中で、ザガンのいる一帯は一際破壊の度合いが激しくなっていた。

    「ほんとにね!」
     ザガンの言葉に同意を示した殺雨・音音(Love Beat!・d02611)の周囲で、ウロボロスブレイドが渦を巻く。
     崩落してくる岩を鞭剣は巻き上げ、断裁し、その岩に隠れて迫らんとしていたソロモンの悪魔達もまとめて薙ぎ払った。

     名古屋七大決戦で灼滅者達が灼滅したザガンは、六六六人衆の計画によって蘇った。
     だが、その不完全な復活から、今再び大悪魔としての実力を取り戻している。
     サイキックハーツ化したグラシャ・ラボラスの影響を受け、今のザガンの力は、かつての名古屋で戦った時の力を、大きく上回っているだろう。

    「既に大勢は決した。だが、退く理由にはならぬ」

     まさに猛牛の如く、ザガンは突き進む。
     その全身には魔力障壁が張り巡らされ、生半可な攻撃など簡単に弾き返していた。
    「戦車みたいだね……っと!!」
     猛烈な勢いで戦場を駆け巡るザガンに追随するソロモンの悪魔達へと、音音はガンナイフを構え、銃弾を連射する。
     足止めされた悪魔達を、灼滅者達が次々と灼滅していく。

     ザガンは手強い相手だ。
     だが、配下の力まではそれに及んでいない。
     戦闘開始から10分と経たぬうちに、既にザガンについて来る者は居なくなっていた。
     それでもなお、ザガンはその斧を振るい、戦いを続ける。

    「一度は死した身が、何を恐れる理由があろうか。魔術師ソロモンが切り開きし可能性を繋ぐため、この身命を賭さん!」
     業火を浴びて、ザガンの赤い肌が焦げていく。
    「そういうの、別に嫌いじゃあないけどね……! さあ、痛いの痛いの、飛んでっちゃえ~☆」
     さらなる突進を敢行せんとしたザガンを食い止めるように、音音は真正面から神薙刃を解き放つ。
     渦巻く風の刃を浴びて、ザガンはついに膝をついた。
    「再びの死か。此度は、余計な者に蘇らされぬことを……」
     膝をついた姿勢のまま、灼滅者達を睨みつけ、ザガンの姿は消滅していく。
     その手にしていた大斧が、破壊された岩の上に転がり音を立てた。

    ●大悪魔ヴァレフォール
    「全く、ここまでやってくれるとはね。アンタたちが全人類をサイキックハーツにして、勝負を降りてくれたと聞いた時には感謝したもんだがね!」
    「見当違いだったな! 私達は、諦めたりしない!」
     アンゼリカ・アーベントロート(黄金少女・d28566)は、クラブの仲間と共にヴァレフォールの守る戦場の戦力を、確実に削り落としていた。

     既に幾度もの交戦を経て、ヴァレフォールの抱える戦力は残り僅かとなっている。
    「よーし、あとはあいつ! 強そうだけど私がやっつけてやる!」
    「大きな口を叩くものじゃないよ!」
     ヴァレフォールの翼が羽ばたき、一気にその体を移動させた。
     瞬時に灼滅者達との距離を取りながら、戦場に冷気の嵐を撒き散らすヴァレフォールの魔力は強力そのものだ。
     かつてのソロモンの鍵からの召喚酔いの中での戦い。
     そして、武蔵坂学園への襲来と、精神防衛戦の前にも灼滅者達と交戦し、生き延びて来た実力は伊達ではないのだろう。
     だが、自分よりも圧倒的に強大な大悪魔の力を目の当たりにしても、アンゼリカがそれを恐れることは無かった。
     灼滅者達にとって、自分より強い相手と戦うことなど日常茶飯事だ。
    「いっくぞー!!」
     ソロモンの悪魔を踏み越えて跳躍し、冷気の嵐へと突入する。
     黄金色の髪の毛が一瞬にして凍結するが、それを振り払うようにして回転したアンゼリカの拳が、ヴァレフォールの獅子の胴へとめり込んだ。
     一発の拳が食い込んだ瞬間、さらなる拳がヴァレフォールへと襲い掛かる。

    「やるじゃぁないか!」
     獅子の前脚を繰り出して、アンゼリカを迎撃にかかるヴァレフォール。
     その爪が、繰り出すアンゼリカの腕に幾つもの傷をつけるが、アンゼリカは構わず前進すると、
    「喰らえー!!」
     叫びと共に繰り出された一撃が、ヴァレフォールを地へと叩きつける。
     共に落下したアンゼリカは、ヴァレフォールが身を起こすよりも早く、マテリアルロッドを取り出し、構える。
    「全く、しくじったねぇ……!」
    「どっか~ん!!」
     威勢の良い掛け声と共に、魔力の爆発が生じた。
     爆発が止んだ時、ヴァレフォールの姿は既に消えていた。
     灼滅者達は、大悪魔ヴァレフォールの灼滅に、成功したのだ。

     超魔術空間から、悪魔達の気配は消えつつある。
     だが、サイキックハーツ2体はいまだ健在だ。
     特にグラシャ・ラボラスは戦力、個人戦闘力共に衰えつつあるが、いまだ高い戦意を保っている。
     サイキックハーツとの3度目の戦いは、決着の時を迎えようとしていた。

    ・(4)(7)の制圧により、(16)の戦力が大きく減少!

    →有力敵一覧

    →(2)ウヴァル(3勝3敗/戦力1960→1150)

    →(3)アンドレアルフス(1勝0敗/戦力1960→1690)

    →(4)ザガン(11勝0敗/戦力1690→0/制圧完了!)

    →(7)ヴァレフォール(4勝1敗/戦力340→0/制圧完了!)

    →(13)グラシャ・ラボラス(11勝2敗/戦力3840→870)

    →(16)不死王アンリ(1勝1敗/戦力3665→1663)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    大悪魔ザガン
    1920
    (4)ザガン:Battle2にて、殺雨・音音(Love Beat!・d02611)に倒される。

    大悪魔ヴァレフォール
    2100
    (7)ヴァレフォール:Battle5にて、アンゼリカ・アーベントロート(黄金少女・d28566)に倒される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

    戦闘結果を取得しています。しばらくお待ちください。

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