サイキックハーツ大戦

    ■第7ターン結果

    ●剣樹卿アラベスク+朱雀門・継人
     グローバルジャスティスが最も警戒していたダークネス、剣樹卿アラベスクが持つ最大最強のサイキック、『アラベスク・ソード・カタストロフ』。
     謎に包まれていた、その正体は明らかとなっていた。

     全ての生命体を『アラベスクに変える』。
     その力は、灼滅者達のみならず、全人類にとっての脅威と言えた。

    「それって、サイキックハーツそのものじゃないか?」
     -Feather-の灼滅者達と共に大小さまざまなアラベスクが立ち並ぶ戦場を駆け抜けながら、楠・神名(冒険行こうぜ・d32211)はそう考える。
     アラベスク・ソード・カタストロフがもたらす現象は、『サイキックハーツ』そのものと言えた。
     いつでもサイキックハーツになることが出来る状態で、アラベスクは何百年にも渡り、力を蓄えていたということになる。

    「「全ては、真理の周りを覆っているだけ。サイキックハーツの循環は覆らぬ。
      唯一無二のサイキックハーツとなることこそ、生命に許された真理である」」

     無数のアラベスクが立ち並ぶ戦場を駆ける灼滅者達の耳に、二重の声が届く。
     一つは朱雀門・継人のもの。もう一つは、威厳に溢れながらも年老いた男のものだ。
     アラベスクと継人は一体となり、いまや一つのサイキックハーツだ。
     アラベスクの側に、継人が吸収されたと言う方が正しいのかもしれない。

    「サイキックハーツ大戦が終わったって、今の知的生命体が滅びるだけだ! 意味なんてあるのかよ!」
     おそらくは循環を理解し、それでもなお最強のサイキックハーツを求める。
     サイキックハーツとなる事を希求する存在の中でも、分かり合えないことに関しては、あるいは光の存在以上だろう。

    「「唯一無二のサイキックハーツ至るためには、全人類を滅ぼさねばならぬ」」

     灼滅者達の強さを、ヴァンパイアの王は認識している。
     既にヴァンパイアの戦力は乏しく、灼滅者達は幾度でも戦いを挑むことが出来る。
     支配者として暗然と闇に君臨して来たヴァンパイア。
     和解があり得ない以上、この場でアラベスク・ソード・カタストロフを発動できなければ、剣樹卿アラベスクの負けだ。

    「この場であいつを倒さないと!」
     神名は焦りの混じった声を上げた。
     全生命体をアラベスクに変えるなどという行為を、許すわけにはいかない。

     灼滅者達の知る武蔵野の街が、何万という数の巨大な剣を受けて針山のような有様になり、あるいは切断されていく。
    「周辺の住民を避難させておいて正解だったな」
     今更ながらに、避難活動に携わった灼滅者達はそう感じる。
     無残な有様となっている街も、人が生きてさえいれば、再び再建することも出来る。

     そびえ立つ巨大なアラベスクへと目掛け、灼滅者達は剣の森を駆け抜けた。
     赤松・鶉のスターゲイザーが、剣樹卿アラベスクに突き刺さる。
    「強大ですが……入ります、行けますわ!」
     幸いだったのは、この時点で全てのヴァンパイア勢力を撃破出来ていたことだろう。
     サイキックハーツの力は、その内に宿す魂の総量に依存している。
     剣樹卿アラベスクの元に送り込まれていた援軍は断たれ、出現したアラベスクの数は最小限に食い止められ、またアラベスクの力も最大限に抑え込まれていた。
     名剣、魔剣、邪剣、呪剣。
     その全てがアラベスクの闇の如き肉体から射出され、灼滅者達へと降り注ぐが、灼滅者達はそれらを弾き返し、攻撃に耐え続けた。

    「「サイキックハーツに至ることを拒む。何故だ。」」
    「『黒の王』、蒼の王コルベインを倒してサイキックハーツが訪れるのを阻止した奴が、今さら呑み込まれちまうのかよ……!!」
     それがアラベスクという存在が持つ、力の強さなのだろう。
     アラベスクを制御していた『黒の王』すら、既に呑み込まれた。
     彼を止めうるのは、灼滅者達だけだ。
     剣によって大地が掘削されていく中を、灼滅者達はアラベスクへ向けてサイキックを放ち続けた。何千といたアラベスクが、次第にその数を減じていく。

    「あんたは凄い奴かも知れない……けどよ!」
    「負けちゃならないんだ。だから、勝つ!!」
     神名は、血に濡れた手をアラベスクへと向けた。戦いの中で折れた指にはまった指輪から、制約の弾丸が放たれる。
    「これが、灼滅者の絆の一撃だ! 受けろッ!」
     アラベスクの巨体に比べれば遥かに小さな光は、彼のみならず仲間達の意志と共に、その体を走る血の如き赤き光に飛び込み、そして弾けた。
     それが、崩壊の一矢となった。

     巨大なアラベスクの体が、まるで水分を失った樹木のように渇き、崩れ、そして地面に落ちる端から消滅していく。
    「「循環せぬ世界は、いずれ淀み、停滞する」」
    「「汝らは、そこに何を見出すというのだ?」」
    「さあな。それは、これから考えるとするぜ」
     アラベスクの問いに答えると、神名はクラブの仲間達の方へ走り出した。

    →有力敵一覧

    →(20)剣樹卿アラベスク(27勝22敗/戦力5882→0/制圧完了!)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    剣樹卿アラベスク
    99999
    (20)剣樹卿アラベスク:Battle2にて、楠・神名(冒険行こうぜ・d32211)に倒される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

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