■第3ターン結果
この戦争に先立って白の王セイメイが攻め落とし、拠点とした新宿殲術病院。
ブレイズゲート『新宿橘華中学』は、新宿駅と都庁の両方を臨む位置に存在していた。
万が一スサノオが強くなり過ぎて制御を離れたり、セイメイの命を狙おうとする六六六人衆が出た時の備えとして
「地理的な理由から陣の位置はここしかなかった。だが……武蔵坂学園、やはり侮れない相手だ」
ユーリウス・ゲルツァーは朝方の奇襲を思い出しながら呟く。
「加えてセイメイ様の仰っていた通り、あの結界を突破して来るとは見事と言う他ないようだな。だが、私にも面子というものがある……ここで止めさせて頂こうか」
新宿駅方面から進出して来る武蔵坂学園の灼滅者達と白の王セイメイの軍勢は、廃校を舞台として激突した。
●(9)新宿橘華中学 Battle:9
怒りをたたえた瞳で灼滅者達を睨みつけるノーライフキングの少女。
その怒りは、他のノーライフキングとは一線を画していた。
「コルベイン様を滅ぼした灼滅者……絶対に許さない!」
それは、彼女が武蔵坂学園を敵視するに足る十分な理由であっただろう。
だが、この場に挑む灼滅者達の側も、戦うだけの理由をそれぞれに持ち合わせている。リオーネ・ブランシュ(運命黙示録・d04884)が鎌を大きく振るった。
「リオ達だって……ユーリウス・ゲルツァーにまた負けるわけにはいかないの! 絶対に思い通りにはさせないの……!」
「言っていなさい! 私は、あの頃の非力な私じゃない。戦って、主を守ることができるんだから!」
深夜子の肩口から、両腕が体から離れ、高速で灼滅者達へと飛来する。
本人を加えた三重の連携攻撃を回避しきれず、灼滅者達から苦痛の呻きが上がる。
「あはははは! 死んじゃいなさいよ! 死んだらあなた達をアンデッドにして、ごみ屑みたいに使い捨ててあげる!!」
だが、その笑いがピタリと止まる。
彼女の腕めがけ、リオーネの放つマジックミサイルが命中したのだ。
感覚は繋がっているのか、憎悪を深めた瞳で深夜子はリオーネを睨む。
しかし、それを有効と見た灼滅者達の攻撃は、本体から腕へと集中した。度重なるサイキックの連打を受けて、深夜子の顔に恐怖が滲む。
「たすけてっ! 恭也くん。深夜がピンチの時は絶対かけつけるっていってくれたのにっ! どうして、どうして、助けてくれ……」
自分が裏切った仲間の名を呼びながら、絶望の中で滅びるノーライフキングの少女の姿は、蒼の王の残党が迎える一つの結末であっただろう。
●(9) 新宿橘華中学 Battle:15
軍勢を指揮するユーリウス・ゲルツァー。
彼の実力は、この戦争に現れているダークネスの中でも五指に入るだろう。
だが、灼滅者達は彼の率いる部隊を確実に追い詰めていた。
「六六六人衆どもめ、役に立たん。殺人を快楽とする連中など、所詮はその程度でしかないか」
新宿駅を早期に攻略したことで、灼滅者達はユーリウスをはじめセイメイ軍の戦力増強は阻止することが出来ている。
奇襲による被害もあり、予想外の戦力低下を受けたユーリウスは手にした細い剣を振るい、あるいは水晶の翼からの強烈な衝撃波によって灼滅者達を迎え撃っていた。
だが、こちらに攻撃を仕掛けている灼滅者達は主力も主力だ。
「こちらの方が優勢のようだね」
古城・けい(ルスキニアの誓い・d02042)は余裕を持ってユーリウスに告げる。
ノーライフキングに率いられたアンデッド達も決して弱くはないが、殲術再生弾の援護を受けた灼滅者達の勢いはそれを圧倒する。
けいの手にした白金色の剣がユーリウスの剣と打ち合い、両者の間で激しい火花が散った。
飛来するサイキックを背にした水晶の翼の力で回避したノーライフキングは、
「セイメイ様に死の運命を与えたとは聞いていたが。成程、殲術病院で相対した時も中々のものではあったが、正面会戦が本当の実力か……!」
ユーリウスを守っていた護衛達を撃破した灼滅者が合流し、ユーリウスを目掛けて次々とサイキックを放っていく。
大半は回避されながら、次第にユーリウスの体を氷が蝕んでいく。
「おのれ……だが、ただでは死なぬ!」
剣を振るい、ディフェンダー達を次々と切り裂いていくユーリウス・ゲルツァー。
彼の前に飛び出したけいは、剣を下から上へと切り上げる。
押し付けるように振るわれた剣をユーリウスが受け止めた瞬間、けいのスレイヤーカードの中から現れるのはもう1本の剣。
「終わらせるよ!」
長大な無敵斬艦刀を両手で握り締めると、けいはノーライフキングの胴を横薙ぎに切り裂いた。
「私もまた、灼滅者を侮っていたか……セイメイ様、申し訳……」
金糸の如き髪を揺らしながら、ノーライフキングが崩れ落ち、水晶のような破片となって辺りに散らばる。
強敵を下した灼滅者達の前に、新たな敵の制圧地域への道は開けていた。
●(5) 戸山ハイツ Battle:1
再び戸山ハイツに攻め寄せる灼滅者達。
もはや、この地域における灼滅者達の優勢は明らかだった。
「だが、諦められるか! 俺はデモノイドロード、ロード・レンジョウだ!」
ロード・レンジョウの手から、蒼い光線が灼滅者達を貫く。
だが、彼の前に立った銃沢・翼冷(ニヒリスティックソウル・d10746)は、そんな彼に静かに語りかける。
「待ってる人、いるんだろ? 帰って来いよ」
お前には仲間がいる。
そう語りかける翼冷の前で、ロード・レンジョウは胸を抑え、苦痛を堪えるような声音でなおも攻撃を繰り出して来る。
「そう易々と……!」
「戻って来てもらうよ!」
翼冷の拳が、ロード・レンジョウを貫く。
そして彼の腕の中に倒れ込んで来るロード・レンジョウの体からは、蒼いデモノイド寄生体が取り払われていた。
「よし、まずは1人、救出完了だ!!」
翼冷の声に、灼滅者達からほっとしたような溜息が漏れた。
●(5) 戸山ハイツ Battle:12
遠くの方から、救出に成功したことを知らせる灼滅者達の声が届いてくる。
デモノイド達を退けつつあったエール・ステーク(泡沫琥珀・d14668)達は、眼前の残る最後の1人のヴァンパイアに視線を向ける。
「それじゃ、そっちにも倒れてもらうよ!」
『DRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!』
ドリルのように体を回転させながら空中を突撃して来る奇怪な姿のヴァンパイア。だが、その攻撃も既に灼滅者達が幾度も見ている。
「遅いよっ!!」
エールはバット状のマテリアルロッドを構えると、大きく振りかぶり、そして、
「ホームラン!!」
打った。
衝撃波が炸裂し、勢いを殺されたヴァンパイアは戸山ハイツの壁にめり込み、そして動かなくなる。
「制圧完了ー! それじゃ、蓮条くん連れて帰ろー。帰ったら帰った記念にカエル鍋が」
「えっ」
エールの言葉に、灼滅者達から戸惑いの声があがった。
→有力敵一覧
→(4)歌舞伎町(7勝2敗/戦力1800→1450)
→(5)戸山ハイツ(7勝5敗/戦力195→0/制圧完了!)
→(6)早稲田(14勝0敗/戦力1200→500)
→(9)新宿橘華中学(52勝5敗/戦力1888→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。