■第7ターン結果
●(13)東京都庁:Battle5
白い炎、あるいはそのように見える物体で構成された巨体が、灼滅者達を睥睨していた。
超巨大ダークネス「スサノオ」の存在は、スサノオをこの地に呼び寄せた白の王セイメイが戦場を去ってなお健在だ。
スキュラの死と共に結界も消え去り、一般人は我先にと逃げ出していた。
灼滅者達によって新宿の人々の『死』を喰らうことを妨げられたスサノオは、それでもなお威容を見せている。
「まずは、周囲の敵を排除しなくてはならないのでしょうが……流石に大した迫力ですね」
小塙・檀(テオナナカトル・d06897)は、自分達のいる方向に向けて駆けて来る
スサノオによって喚起された『古の畏れ』を中心として、都庁の周辺には多数の敵が残留している。
だが、スキュラの結界は人々の恐怖や『畏れ』を新宿に閉じ込める働きもしていたのだろう。先のセイメイの元にいた軍勢よりも、周囲にいる『古の畏れ』の力は弱い。
「落ち着いて、確実に行きましょう!」
檀は周囲の灼滅者達に声を掛けると、自分もまずは周囲の『古の畏れ』の排除にかかる。
そうする間にも、スサノオの放つ白い炎が、そして牙が灼滅者達を襲い、次々と戦闘続行を困難にさせていく。
「ですが、見た目ほどの強さではない……と言うべきでしょうか」
スサノオの力は白の王セイメイや大淫魔スキュラと比べれば、一段劣ると言えた。
「 元々ノーライフキングが最強と言われているように、ダークネスの強さは、大きさでは決まるものではないとはいえ、何か、不自然な気もしますね」
灼滅者達が六六六人衆による殺戮を阻止したことだけが原因なのか。
「セイメイはあれもただのダークネスだと言ってはいましたが……」
トラウマによる打撃や灼滅者達の攻撃によって痛打を受け、都庁の上へと退くスサノオの姿に、檀は不審な顔を向けざるを得なかった。
●(13)東京都庁:Battle12
スサノオによって呼び起こされた『古の畏れ』達の中、ひときわ力の強い存在が、灼滅者達へと迫ってくる。
「うわ、速いな……!」
無数の足を蠢かせながら迫り来るその姿に、アッシュ・マーベラス(アースバウンド・d00157)は思わず声を上げた。アッシュ達の前に現れた『古の畏れ』の六本の手が、それぞれに構えられた刀を妖しく蠢かせる。
「まるで……」
『今、お前たちが考えている事をあててやろう。まるで、六本の刀が別々の生きもののようだ……であろう』
「……」
沈黙で応じるアッシュに、『古の畏れ』は六刀仙は語りかける。
『そう、これこそが、我が秘伝の剣技、怖かろう? 存分に畏れるがいい』
「畏れ? ボクを怖がらせたいんだったら、キミの強さを見せてみなよ!」
『よくぞいった、小童! ならば撫で斬りにして進ぜようぞ』
迫る『古の畏れ』が繰り出す剣撃が、灼滅者達の体から血の飛沫をあげさせる。だが、その速度に合わせる形でアッシュは走り、『古の畏れ』の背中へと飛び乗った。
「SMAAASH!!」
全力で振るったバットが、ムカデの甲殻を割り砕き、『古の畏れ』の全身を大きく揺らがせる。
「やるな!! 一旦引き揚げさせていただこう……」
尻尾から吸い込まれるように地中へと潜り込んでいく『古の畏れ』。
その姿が完全に地中に消えるまで警戒を保っていたアッシュは、気配が去っていくのを悟り、ほっと息をついた。
「あともう一歩……負けてたまるもんか!」
●(7) 神楽坂 Battle:1
ヘラを構えた浜松餃子怪人は、灼滅者達に再び襲い掛かっていた。
「今度こそこの戦いで功績をあげれば、北の国からロシアン浜松餃子怪人旋風が吹き荒れる事間違いなし! 浜松の栄光のため、死んでもらう!!」
アチョーと声を上げながら飛び掛かって来る餃子怪人に、往く手を遮られた諸葛・明(三国志アイドル・d12722)は、憤然としながら言う。
「お前に用はないアル!」
「無いのかあるのかハッキリしろ……! ハッ、あ、アル語尾だと!?」
明の言葉に何か思うところがあったのか、浜松餃子怪人はワナワナと彼女に指を向ける。
「まさか大陸からの刺客……餃子の元祖は大陸にありとでもいうつもりか……!!」
「言わんアル」
何言ってんだコイツという目で明は浜松餃子怪人を見ると、身を震わせる浜松餃子怪人に歩み寄り、肩に手を置いた。
「まあ、ワタシから言えることは一つアル。……そろそろ色物は退場するアル」
「ヒィ本気!?」
また餃子の中身が飛び出てはたまらないと顔を庇った浜松餃子怪人の腹に、明の拳が次々と叩き込まれる。
「浜松餃子に栄光あれー!」
そう言葉を残し、怪人は爆発した。食欲をそそる香ばしい餃子の匂いが辺り一面に漂う中、明はぽつりとつぶやいた。
「虚しい勝利アル……」
●(7) 神楽坂 Battle:2
朱雀門高校の侍従長デボネアの計略によって闇堕ちさせられたロード・アーヴェントを取り戻すべく、灼滅者達は大学キャンパスの奥へと彼女を追いつめつつあった。
「ここまで」
「嫌と言われても捕らわれた仲間は全員連れ戻すよ、君もね」
東屋・紫王(風見の獣・d12878)が、穏やかな笑みを浮かべて彼女に語りかける。
デモノイドロードとしての存在の危機にあることを理解しているのだろう。
青白い輝きが大学の廊下を迸り、デモノイドの力を帯びた光線の余波で窓ガラスが吹き飛んだ。
砕けた破片が街の灯りを張り返しながら廊下を一瞬の煌めきで満たす。
その輝きの中を、紫王は前へと飛んだ。ロード・アーヴェントへ、そして彼女の魂の中に閉じ込められているクリム・アーヴェントという存在へと迫る。
激しい攻撃を繰り出して来るロード・アーヴェントの攻撃が紫王の顔を掠め、血が滴った。
「手荒な真似はしたくないんだけど時間の猶予は無いみたいだ」
「だったらさっさと帰るがいいでしょう!」
「そういうわけにはいかないんだ……君を待っている人達がいる。だからさ。もう帰ろう?」
歩み寄る紫王の手にした錫杖に炎が灯った。
虚を突かれたロード・アーヴェントが回避行動を取るよりも早く、紫王は錫杖を容赦なく横殴りに振り抜いた。
ロード・アーヴェントの体が吹き飛ぶ。
そして、倒れ込んだ彼女の体は、灼滅者達の見守る前で、見る間に小さく、本来の年齢相応の背丈へと戻っていく。
そして、再び目を開けた彼女の姿は、クリム・アーヴェント(ブルーデモンドッグ・d16851)本来のものに戻っていた。
朱雀門高校によって闇堕ちさせられた7人のデモノイドロード。
彼らのうち6人までが、ようやく解放されたのだ。
●ロード・ナインライヴス
「そして、残るは私1人……というわけだ」
都庁の廊下を、ロード・ナインライヴスは一人歩いていた。
先程交戦した、稲垣・晴香(伝説の後継者・d00450)のパイルドライバーで盛大に打ちつけられた頭が痛む。
フォールされて3カウントされている間に説得されたら危なかったかも知れない。
灼滅者達の勢いは止まりそうにない。
おそらくは、このままスサノオをも灼滅するだろう。
だが、いまだ自分がこの都庁で何を行おうとしているかは気付かれていないだろう。
「為すべきは為した。あとは……」
最後の力を振り絞り、キリングリヴァイヴァーの効果時間を耐え凌ぐ。
そうすれば、勝利は他の誰でもない、『ロード・ナインライヴスのもの』だ。
「スサノオも白の王も大淫魔もハルファスも『病院』も朱雀門も……全て私の野望の糧としてくれる」
青白い野望の炎が、ロード・ナインライヴスの心中で燃え盛っていた。
→有力敵一覧
→(4)歌舞伎町(1勝2敗/戦力700→650)
→(7)神楽坂(5勝2敗/戦力50→0/制圧完了!)
→(8)市ヶ谷駐屯地(11勝5敗/戦力1847→1297)
→(13)東京都庁(43勝10敗/戦力2500→350)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。