■第7ターン結果
■(10)ガイアゾーン
レストラン「ダーチャ」跡に発見された地下通路は、やがて異様な空間へと通じていた。
ガイアパワーとサイキックエナジーが渦巻き、銀河を思わせるような輝きが遠くに見える。
それの輝きの一つ一つは、数多の輝く食材だった。
ゴッドモンスターの思念が伝えて来た話が正しいのならば、サイキックエナジーの影響を受けた食材がゴッドモンスターのために力の限りを尽くし、この空間を形成しているのだ。
ラグナロクの中には、時にこうした空間を形成する者がいることを灼滅者達は知っていたが、
こうした現象は本人が意図して行うものでもないのだろう。
そして、空間の最奥には、ゴッドモンスターがその威容を見せる。
だが、その行く手を遮る者達がいた。
それは命を捨ててご当地怪人の世界征服の野望を達成せんとする、巨大化ご当地怪人であった。
●(10) ガイアゾーン Battle:14 エージェント・イワン
「ガイアゾーンに侵入者か。ロシアンタイガー様が敗れるとは……」
「どうやら俺達の出番のようだな」
マトリョーシカと、中の変な物体がそれぞれに言葉を交わす。
ニヒルさをにじませながら、エージェント・イワンは手にしたライフルを灼滅者達に向けた。
引き金を引くと同時に、銃声がガイアゾーンにこだまする。
飛び出した薬莢はガイアゾーンの床に落ちると同時に薬莢型のキャンディとなって転がった。
「ウラー!!」
喚声を上げて銃を乱射するエージェント・イワン。
面で降り注ぐ銃弾は、灼滅者達を撃ち抜いて来る。遮蔽物が無いガイアゾーンでは、灼滅者達が身をかわす術は仲間を楯にするしかない。
ディフェンダーやメディックに守られる形で、攻撃を行う灼滅者達が着実にご当地怪人を撃滅していく。
「住之江!!」
一條・華丸(琴富伎屋・d02101)のビハインドが、手にした枝を振るい、アサルトライフルの威力を弱める。
「これもまた相手の攻撃の手を弱める手段だぜ」
華丸と住之江の連携攻撃の前に、エージェント・イワンの全身はやがて砕け散るのだった。
●(10) ガイアゾーン Battle:12 天魔ゼブラブレイド
「貴様らに分けてやるモンスターなど無いでござるヒヒーン!!」
アフリカ原産、シマウマのご当地怪人が巨大な声でそう呼ばわる。
「九州の地獄谷辺りのご当地パワーでも吸い取ったのか?」
地獄の獄卒めいた格好をしたシマウマ怪人は、刺又を振り回し、結月・仁奈(華彩フィエリテ・d00171)達がゴッドモンスターに近付くのを阻まんとする。^
「ヒヒーン!! 我等が『緑の王』が、ゴッドモンスターをご所望なのだ! 近付く者は、全て拙者が食い止めるでござるヒヒーン!!」
付き下ろされて来る巨大な刺又の切っ先を、仁奈は全身全霊の力で受け止める。
「御所望とか、人をそんな風に道具扱いしておいて……!!」
渾身の力で縛霊手を振るい、ゼブラブレイドの刺又をへし曲げる。
驚愕の雰囲気が、ゼブラブレイドから伝わって来たが、構うことはない。
「いっけぇー!!」
渾身の力で繰り出されたトラウナックルが、白黒のご当地怪人を灼滅する。
「全力で突っ走るのみ、だよ……負けないからね!」
息を吸い込むと、仁奈は次の敵へ向けて走り出した。
●(10) ガイアゾーン Battle:23 水瀬・南美
鵺鳥・昼子(トラツグミ・d00336)達は、ゴッドモンスターに近付こうとする影を捉えていた。
「六六六人衆! まだ残ってたのかよ!!」
往く手に回り込んだ昼子達に、その六六六人衆は狂的な視線を向けた。
「あら、どこかで会った事があるような灼滅者達ね。もしかして、外道荘で会ったのかしら? でも、止めないでよ。私は、あの人を助けに来たんだから」
『縫村委員会』によって六六六人衆となった少女、水瀬・南美の言葉に灼滅者達は思わず動きを止めた。
「……何だって?」
「私は、あの人の知り合いだということ……私には、あの人を説得できる自信がある」
(「コイツが、カットスローターと縫村・針子が用意した奥の手か」)
昼子はそう察した。学生と同様の姿をした六六六人衆は、武蔵坂学園の灼滅者達よりも一足早く、ガイアゾーンへと潜伏していたようだ。
「六六六人衆が、人を説得するだって?」
「聞き分けないわね。このままでは、あの人は、完全なゴッドモンスターになってしまう。そうしたら、あの美味しいお菓子も微笑みももうなくなってしまうんだから。そうさせない為に、私達がここにいる。わかったら、とっとと帰ってくれないかしら。帰らないなら、コロしちゃうよ?」
一息に言うと、南美は手にした刃を振るった。
六六六人衆となった今の彼女は、灼滅者達を大きく上回る実力を持つ。それ以上に、彼女はゴッドモンスターを説得することへの妄執を抱いているようだった。
「そうよ、私だけがあの人を助けられるのよ……外道に落ちた私でも、きっとあの人なら受け入れてくれる、そうに決まっているわフフフフフフ」
「……カットスローター達、見る目無ぇなぁ……」
よくよく考えてみると、灼滅者や他のダークネスが介入するような作戦で彼らが成功した試しがない気がする。
「邪魔するならコロすって言ったでしょォ!?」
「ハ! 外道を名乗っておいて、恋を語るのはおこがましいぜ!」
バベルブレイカーを打ち込んでいく昼子。
南美がそれに向かい合った瞬間、ライドキャリバー「ケルベロス」が南美を跳ね飛ばす。
「説得ならこっちがやってんだ。邪魔はさせやしないぜ!」
●(10) ガイアゾーン Battle:7 ゴッドモンスター
ゴッドモンスターの巨影は、魔法使いをはじめとして知識のある灼滅者達に神秘思想のカバラにおける『セフィロトの樹』を連想させた。
ガイアの化身と称されるゴッドモンスター。
その存在は、間違いなく神に近い座にあるのだろう。
彼がいかにしてゴッドモンスターとなるに至ったのか、その経緯は新潟ロシア村を巡る戦いの中で、既に灼滅者達の知るところとなった。
どうすれば、彼を救うことができるのか。
「答えは単純だよな」
風宮・壱(ブザービーター・d00909)は、そう思う。
だが、その答えを伝えるためには、ゴッドモンスター自身をも倒さねばならなかった。
(「私は料理をしてはいけない。人を不幸にする料理など、作ってはいけない……」)
ゴッドモンスターの身体から放たれる光線が、そして漂う香しい香りが、灼滅者達の食欲中枢を直撃する。それらは、自らの力を振るわせまいとするゴッドモンスターが自衛するための防衛機構なのだろう。
攻撃の数々は肉体にまで影響を及ぼすほどの強烈な精神攻撃となって灼滅者達を襲う。
「ゴッドモンスター様を守れ!」
「ゴッドモンスター様こそ、我らに世界を与えて下さる御方だ!」
世界征服の野望を達成せんとするご当地怪人達にとってもまた、ゴッドモンスターは守らねばならない存在だった。
ゴッドモンスターからの攻撃によって凄まじい飢餓感に襲われる中、灼滅者達は確実にご当地怪人達を退けていく。巨大化したご当地怪人達は、それでもなお脅威だ。
(「嗚呼、私の力のせいで、また誰かが傷つくのか……」)
ご当地怪人達との戦いで傷つく灼滅者達の姿に、ゴッドモンスターの顔を赤い涙が伝う。
「誰にも死んで欲しくない、君のその気持ちは分かる」
一息を吸い込み、
「だからって、君が犠牲になるのは違うだろ!!」
壱は叫びと共に飛び出した
降り注ぐ光を拳で弾き、踏込と共に拳を振りかぶる。
「武蔵坂学園に来るんだ! 巨大化フードを生み出しているサイキックエナジーを全てサイキックアブソーバーに吸わせてしまえば……君の料理で命を落とす人なんていなくなる!!」
解決策が示される。
閃光と共に撃ち込まれた拳は、ゴッドモンスターの巨体にヒビを走らせていく。
壱は崩れ落ちるゴッドモンスターの中から一人の青年を引っ張り上げると、そのまま巨体の上から飛び降りる。
下にいた灼滅者達が壱とラグナロクの青年を受け止める。
そして、新潟ロシア村を舞台とした戦いの全てに、決着はもたらされた。
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→(10)ガイアゾーン(44勝36敗/戦力2000→0/制圧完了!)
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戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。