■第4ターン結果
●防衛軍鬼「東条・勝利」
軍艦島地下には、『うずめ様』の軍勢によって巨大な地下基地が作られている。
灼滅者達は、様々な施設に分岐する地点に作られた、防衛拠点まで辿り着いていた。
その守備を担当しているのは、東条・勝利という羅刹であった。
「狼狽えるな! 敵の物量も無限ではない! あと数時間を凌ぎ切れば勝てると、うずめ様は仰せだ!」
東条の指示が飛ぶと共に、羅刹達は再び守りを固め、灼滅者達への抵抗を再開する。
「大した実力だな。獄魔大将にも匹敵するか……」
「いかにも。この地の守りを仰せつからなければ、我も獄魔大将として武神大戦に参戦していたであろう」
東条の言葉に、客人・塞(荒覇吐・d20320)は驚きながらも杖を振るう。
「なるほどな、そりゃ強いわけだ!」
「武蔵坂学園こそ、流石は武神大戦を制した者達。情報、集団、そして個の力、どれも実に優れた兵団だ」
雷撃を帯びた腕を振るう東条に塞は拳を合わせる。
両者の間で激音が生まれ、戦場の喧噪はそれをたちまち過去のものとしていく。
「貴君等の兵法と訓練法を体得すれば、うずめ様の軍は益々隆盛を極めるであろう!」
「あんたがそれを学ぶ前に、ここで倒させてもらう!」
「敵に学習機会を与えれば、対策を練ることも容易となる。正しい判断だ」
東条と塞、両者の間で幾度となく拳と巨腕が交錯する。
2人の激突は駆けつけて来た灼滅者達の攻撃も交えるものとなるが、やがて膝をついたのは、灼滅者達ではなく、東条の側だった。
「無念……だが、武神大戦に出られなかった分の戦いを出来たと思えば、悔いも無い。うずめ様の元へ赴けば、うずめ様も貴君等との邂逅を喜ばれるであろう」
最後まで灼滅者達の敬意を絶やさぬ様子の東条・勝利。
塞は戸惑いながらも、灼滅した敵指揮官が消滅していく様を見守るのだった。
●ゴッドセブン「博多・ザ・リッパー」
「こんにちは。ゴッドセブンのナンバー7、『博多・ザ・リッパー』です」
元気よく挨拶して来る六六六人衆に、花蕾・恋羽(スリジエ・d00383)と霊犬「豆大福」は思わず顔を見合わせた。
「こ、こんにちは……?」
「はい、こんにちは」
うんうん、と頷いた博多・ザ・リッパーはバットを素振りし始める。
「では、挨拶も交わしたところで死んでください」
唐突かつ当然に、灼滅者達へと死を突きつけて来る六六六人衆。
手にした釘バットを振るいながら、彼は自らの名の由来を語り始める。
「僕は、古い殺人鬼をリスペクトしていますので、二十一世紀のジャック・ザ・リッパーを名乗るためにHKT六六六に入ったわけです。
時にはくじけそうになることもありましたが、殺人を続けられたのは『あつし君』の密室のお陰も大きいですね」
「『あつし君』……?」
舌と同じように手足も淀みなく動き続ける。
釘バットがかすめた恋羽の肌に、血の線が浮かんだ。
「……もう少し深く切れると思ったのですが。やっぱり雑魚とは違いますね、武蔵坂学園は。前の夏に初めて東京にいったのですが、あなた達が本当に爵位級ヴァンパイアを倒してしまうとは思いませんでした」
「武蔵坂学園に来ていたんですか……」
昨年夏のサイキックアブソーバー強奪作戦を阻止した戦いでなぜかHKT六六六が乱入して来たが、あの場にこの六六六人衆もいたということなのだろう。
博多・ザ・リッパーは嬉しげに言う。
「一般人の風俗嬢連中を幾ら殺しても名は上がりませんでしたが、あなたのような美しく強い女性を殺せば、きっとランクも上がるでしょう。HKT六六六内のランキングなどでなく、六六六人衆の……!!」
釘バットに力を籠めた博多・ザ・リッパーは、床を力強く蹴りつけた。
「目指せゴッドセブン卒業して即ハイランカー入りッ……!!」
飛び掛かって来る博多・ザ・リッパー。
小さく息を吐き出して呼吸を整えると、恋羽は構えを取る。
「そこを退いてください……といっても、無駄でしょうね。退かなくてもいいです。全力で倒させていただきますので、お覚悟、してください
振り回される釘バットを回避すると共に、恋羽は腕を十字に振るう。
現れる血の十字架が、博多・ザ・リッパーを強く引き裂いた。
「これはまた。卒業式でヤンチャし過ぎて逮捕される大学生でもあるまいし。迂闊ですね」
血を吐きながら、博多・ザ・リッパーはくずおれる。
「『あつし君』も越えられない壁ではないとも思ったのですが。彼の密室には、最後まで勝てませんでしたか……」
それよりリッパーなら刃物を使った方が良いのではないか。
恋羽はそう思いながら、ゴッドセブンのナンバー7を灼滅するのだった。
→有力敵一覧
→(3)野生のグラウンド(3勝2敗/戦力700→550)
→(4)巳型調整プール(6勝5敗/戦力1350→1050)
→(7)軍艦島地底拠点(56勝17敗/戦力2250→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。