■第6ターン結果
灼滅者「七不思議使い」。
九州に存在していた、七不思議使いの組織は、『うずめ様』によって支配下に置かれた。
多くの七不思議使いが闇堕ちさせられ、都市伝説を生み出すダークネス『タタリガミ』と化したのだ。
彼らを説得し、救い出す。
そのために、灼滅者達は再び、収容所へと挑んでいく。
●スーパーストロングアルティメットキャノン
『今の俺は小さくなんかない、デカくて高くて長くて太くて強いんだァァァ!ーー!』
どうやら元になった都市伝説は『旧日本軍が殺人光線砲を生み出していた』という噂らしい。
「でも、何かの映画の影響でも受けているような気がしますわね」
黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)は小首をかしげる。
もっとも、今はそれを追求している場合ではない。
『スーパーストロングアルティメットキャノン、シューーーーッ!!』
強烈な光線が、収容所を貫いた。
『俺こそが最大最強のタタリガミになる男! 俺より立派な男ぶりを見せるやつなど、この世に存在しない! さぁ、何度でも発射するぞ!!』
あれを何度も撃たせてはならないと、りんごはマテリアルロッドに手を添える。
「短期決戦と参りましょうか」
制服を翻して走り出すりんご。
彼女のいた場所を、一瞬遅れて極太の殺人光線が通過していく。
『お、俺の魂の一撃が回避されただとッ!』
「立派な大和男児というものは、そのように力を誇示すればなれるものではありませんわ!」
自分を取り戻せというように叩き込まれたマテリアルロッドが、タタリガミの装甲を打ち破る。
内側から破裂するようにして消滅していく砲台の存在していた場所には、おそらくは小学生であろう小柄な少年が倒れていた。
●黒い語り部
「おや、本当に戻って来られるとは……流石としか言い様がありませんね。いまだ都市伝説を生み出しておりませんので、この姿で失礼致しますよ」
黒い文字に覆われた語り部……七不思議使いの少年が闇堕ちしたタタリガミは、慇懃無礼に一礼した。
彼の手にした書物からは無数の文字が溢れ出し、その身を覆っている。
その文字がおそらくは、彼の識る『七不思議』であり、そして都市伝説を生み出す源なのだろう。
ここに来るまでに倒して来たタタリガミの中にも、書物やスマートフォンといった『情報媒体』を有している。
タタリガミとは、そういう存在なのであろう。
「……観察は、後だ」
暴雨・サズヤ(逢魔時・d03349)は、『大禍時』と名付けられた解体ナイフを構えた。
奇襲を仕掛けた9I薔薇の灼滅者達の約束の通り、自分達が再びこの場に辿り着いたことは、ダークネスのみならず、その内にいるであろう七不思議使いにも届いているに違いない。
「いずれにせよ、救出のために掛けられる時間はそう長くは無い」
殲術再生弾の力が消え失せれば、撤退を選ぶほかなくなる。
ここまで一直線に進んで来てはいるものの、時間の猶予はそう長いわけではない。
「ここで、決着をつける」
慇懃無礼に一礼していたタタリガミの垂れ流す黒文字が、影のような形をとってサズヤ達へと襲い掛かる。
「あなた達も奇特なことですね。ミイラ取りを助けに、このようなところまでわざわざやって来るとは!」
「うずめ様にHKT六六六……本当に沢山の敵がいると分かって軍艦島に乗り込み、例え捕まっても、仲間の為に戦い続けた。本当に……それは、すごいことだ」
黒い語り部自身が語っていたことは本当だろう。
自分の身の安全だけを考えるのであれば、目の前にいる少年は、身を隠していることだってできただろう。
にも関わらず、仲間の七不思議使いを救出するために軍艦島に潜入する。
それがどれだけ危険で、仲間を思わねばできないことか。
それを嘲笑することは許さないと言うように、サズヤの視線に力が籠もる。
「ですが、ここまで来たからには、怪談階段にいる者達を灼滅して来たのでしょうが!」
「既に、怪談階段にいた七不思議使い達は、助けている。次は、お前達が闇から目覚める番。タタリガミじゃない、自分達が語り継いだ話を、自分で伝える番……!」
「何……!?」
タタリガミが明白に怯むのを、サズヤは見逃さない。
オーラを手に収束、解き放つまでにかかる時間は一瞬だ。
清らかさすら感じさせる青い光は、黒い語り部の身を覆う黒い文字を吹き飛ばす。
オーラの奔流が止んだ時、そこにはタタリガミへの闇堕ちを解かれた少年が
「いやはや、これは迷惑を掛けてしまったな。この恩は忘れないよ」
「無理はしない方がいい」
余裕ぶった仕草で軽妙にいう少年だが、闇堕ちに抗っていた間のこともあってか疲労困憊しているのは目に見えて分かった。
「……そうだな。しばらく休ませてもらうよ。皆が落ち着いたら、君達の元へ……」
意識を失う少年を担ぎ上げ、サズヤは周囲を見渡す。
既にタタリガミは次々と七不思議使いへと戻され、都市伝説達も駆逐されている。
収容所内に僅かにいた、いまだ闇堕ちしていなかった七不思議使いも救出された。
軍艦島に挑んだ最大の目的は、ここに達成されたのだ。
そして灼滅者達は助けた七不思議使い達を伴い、救護拠点へと歩んでいくのだった。
●(16)巨大定礎石
灼滅者達が七不思議使いを救出したのと時を同じくして、巨大定礎石の鳴動は、ますます強さを増していた。
灼滅者達を退けたダークネス達を前に、巨体の定礎怪人、大定礎「甲型仁王」と大定礎「乙型金剛」が喜ばしげに言葉を交わす。
「おお、我らの主が、今まさに蘇らんとしている!」
「日本の大地を治める、真の支配者が復活するのだ……!」
付近にいた灼滅者達は、サイキックエナジーが巨大定礎石へと集まっていくのを肌で感じ取る。
それは、バベルの鎖の機能によらずとも、悪い予感を感じるのに十分なものに違いなかった。
→有力敵一覧
→(3)野生のグラウンド(1勝2敗/戦力550→500)
→(4)巳型調整プール(6勝5敗/戦力850→550)
→(9)七不思議使いの収容所(36勝12敗/戦力1750→0/制圧完了!)
→(10)バックヤードHKT六六六(1勝4敗/戦力1700→1650)
→(12)羅刹神域(2勝3敗/戦力1750→1650)
→(14)アガルタの口(0勝2敗/戦力1800→1800)
→(16)巨大定礎石(3勝5敗/戦力1400→1250)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。