人をダメにする猫ソファ

    ●とある大型家具店にて
     今井・紅葉(蜜色金糸雀・d01605)が、家具店に急ぎ集まってくれた仲間たちに囁いた。
    「あそこのビーズソファ売り場を見て」
     ビーズソファとは、円筒形の大きな袋にパウダービーズが詰められている、いわゆる『人をダメにするソファ』のことである。
     しかもこの店のビーズソファは、カバーが猫を彷彿とさせるもふもふとした起毛生地という、更に人をダメにする要素が加わっており、『猫ソファ』としてじわじわ売り上げを伸ばしているところである。
     今も、茶虎に三毛に黒猫、ペルシャやロシアンブルーを彷彿とさせる、もふもふーな5つの見本の猫ソファには、ダメ人間共がうっとりと身をゆだねていて……と。
     灼滅者たちは気づいた。
    「……ねえ、あの人たちが座ってるソファが、猫に見えてきたんだけど」
     巨大猫が丸く座り、人間を寄りかからせ、包み込んでいるように見えるのだ。
    「そうなの」
     紅葉が頷いた。
    「猫ソファが巨大猫になってしまったの」
     猫ソファはその心地よさだけでなく、猫としての魔力……極上の可愛らしさをも持つようになり、座った人を釘付けにして離さない。一度猫ソファの魔力に囚われると、堕落の道まっしぐら、ついには廃人になってしまうという。
    「一番長くいる人は、3日前からあそこにいるのよ」
     言われて見れば、奥のソファにぐったりとやつれて顔色の悪いオジサンがいる。表情はうっとりと幸せそうだが。
     バベルの鎖のせいなのか、猫ソファの囚われ人以外の客や店員は、この状態を気にしている様子はないという。
    「このまま放っておいたら、5人の囚われ人たちは廃人まっしぐらよ。猫ソファを退治しなきゃならないわ」
     仲間たちが力強く頷くのを見て、紅葉は、閉店間際の客の少ない時間帯まで待って、作戦を開始しようと提案した。
    「まず人払いのESPをかけて、できるだけ人を遠ざけて……ああ、でも5人の囚われ人たちはそう簡単に退いてはくれないでしょうね」
     猫ソファの呪縛により、ここから離れたくないという強い意思があるので、人払い系のESPが効きにくい可能性がある。その場合は強制排除しなければならないだろう。いっそ眠らせてから運び出すとか、乱暴だが手加減攻撃で昏倒させるのも手かもしれない。
    「彼らを何とか退かしたら、いよいよ猫ソファとの戦いよ」
     猫は5匹。爪や牙、肉球などを武器にしてきそうである。
     しかし、数は多いが所詮都市伝説、それほど手強い敵ではないだろう。
    「ただ……」
     紅葉は不安げに眉をひそめ。
    「猫だけに、きっと私たちのことも、猫の持つ魔力で籠絡しようとすると思うのよ。そこは充分気をつけなきゃね……」


    参加者
    雨咲・ひより(フラワリー・d00252)
    今井・紅葉(蜜色金糸雀・d01605)
    ミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)
    ジンザ・オールドマン(ガンオウル・d06183)
    藤堂・瞬一郎(千日紅・d12009)
    十六夜・深月紅(哀しみの復讐者・d14170)
    久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)
    緑風・玲那(灰焔の境界にて惑いし戦乙女・d17507)

    ■リプレイ

    ●ビーズソファ売場にて
    「あっ、さっきより更に猫になってる。わぁ……可愛い!」
     雨咲・ひより(フラワリー・d00252)が抑えた歓声を上げた。
    「人をダメにするソファかぁ……あれ、良いよね。前に雑貨屋さんで見かけて、ちょっと欲しいなって思ってたの!」
     8名の灼滅者たちは、打ち合わせ通りに閉店間際のソファ売場に再集合した。目論見通り、店内には客は少なくて、店員たちも、ギリギリまで接客を続けたり、それぞれ閉店準備や掃除にかかっていたりと、こちらを注目する暇はなさそうだ。
     そしてソファ売場では、相変わらず5人の一般人がうっとりと猫ソファの虜となり、ダメな人となっている。
    「猫で人ダメソファとか罪の結晶ですね」
     しみじみ呟いたのはジンザ・オールドマン(ガンオウル・d06183)。
    「独占しようなど許されない行為……って灼滅対象はそっちじゃない。え、ええっ勿論分かっていますとも!」
    「はぅ……独占する猫さん……」
     極端な人見知りのため、毛布をかぶってもぞもぞぶるぶる葛藤しているのはミリア・シェルテッド(キジトラ猫・d01735)。
    「心苦しいけど、排除頑張りま……猫さん……灼滅者の使命……猫さんのもふもふ……使命……一体どちらを……きょ、今日は灼滅者を休んでもいいでしょうか……」
     つらいわよね、と今井・紅葉(蜜色金糸雀・d01605)は。
    「ダメになるのも……わからなくもない、ね。ああ羨ましい……代わりにダメになってみたい!」
     宥めているようで、本音がダダ漏れ。
    「私も、この1年半が善悪色々有り過ぎだった為正直猫ソファでダメになりた……いえ、癒されたいところですが」
     緑風・玲那(灰焔の境界にて惑いし戦乙女・d17507)は後ろ髪引かれる表情で、サウンドシャッターを発動し、十六夜・深月紅(哀しみの復讐者・d14170)は、
    「猫、おっきい、猫。もふもふ、してそう。私も、ダメに、なりたい……七不思議使いさんが、いたら、良かったかも?」
     なんだか残念そう。七不思議使いに吸収させ、後ほど出現させてもらって、ゆっくり堪能しようとでもいうのか。
    「俺もダメになりたい。もうすでにダメかもしれないがダメになりたい」
     藤堂・瞬一郎(千日紅・d12009)は深いため息を吐き。
    「ま、やるしかないよな。始めようか」
     魂鎮めの風を発動した。
     穏やかな風がソファ売場に吹き渡り、5人の一般人たちはすぐに深い寝息をたてだした。
     いやもともとソファの上でぐったりしてたので、見た目ではそれほど代わりはないのだが――ともかく作戦開始だ。

    ●灼滅者だってダメになりたい
    「猫さんに抱かれてダメになっちゃうだなんて、ダメ過ぎてダメダメでっ!あたしもダメになりたいなのーっ!」」
     早速怪力無双を発動した久成・杏子(いっぱいがんばるっ・d17363)が、虎猫ソファでよだれを垂らして眠りこけている女性を、ぷんすかしながら抱き上げた。カフェ店員ぽいエプロン姿のお姉さんだ。近所の店にでも勤めてるのか、仕事の休み時間に家具を見にきて、なにげなく座ってみたらそのまま猫様の虜になってしまったカンジか。
     深月紅とジンザ、ひよりも怪力無双を発動し、熟睡するダメ人たちをソファから引きはがし、速やかに離れたところにあるベッド売場に運ぶ。
     一方、突然獲物を奪われた猫ソファたちは……。
     もぞり。
     ダメ人たちと一緒に、気持ちよさそうに居眠りしていた風だったのが、一斉に身じろぎした。
     その様子を見て、待ってましたとばかりに、
    「こっ、これは拙い、避難が無事完了するまで猫ソファの気を引かないと! なぁに、そう簡単に堕ちはしねぇさ……!」
     瞬一郎ががばあっと黒猫に顔を埋めてすりすりし始めると、
    「そうねっ、猫ソファの注意を引かなきゃ! 灼滅者はそう簡単に囚われな……むぎゅ」
     紅葉がうれしそーにペルシャにダイブした。続いて玲那も三毛に飛び込み、ミリアも猫じゃらしでトラの気を引こうとする。残るロシアンブルーは、玲那のイージアと杏子のねこさんの2匹のウィングキャットが、フーッとかシャーッとか言って牽制している。
     身を挺して囮となったはずの彼らであるが、
    「ああ……柔らかい……暖かい……ここは、天国なのですか……」
    「これ良いかも……」
     とっても幸せそうにすりすりもふもふ。まんまとダメ人への階段を登り始めている。じゃらしていたはずのミリアも、いつの間にか虎猫にもたれかかりすやぁと寝息を立てているではないか。
     灼滅者、危うし!
    「……仕方ねぇよな。仕事だからな。仕方ねぇ、これは決して遊びなんかじゃない。そこにもふもふがあるから仕方ないとかじゃない。でも本当にダメになっちまったら誰か助けて欲しい……かも」
     すると、瞬一郎の寝言が聞こえたように、
    「もちろん助けてあげますよ」
     ジンザが抜いたクルセイドソードから癒しの風が吹き渡り、ダメ人の仲間入りをしかけていた4人の夢を覚ました。
     怪力無双組がダメ人たちの避難を迅速に終え、戻ってきたのだ。
    「はい、総員、起立! 礼! 着せ……って着席はダメです着席は。ミリアさん、一般人は退避させましたので、殺界形成お願いしますよ?」
    「ふ、ふぁい……あ、ね、寝てないですよ?」
     ミリアはソファから跳び上がると、慌てて殺界形成を発動した。
     紅葉も瞬一郎もしぶしぶ立ち上がったが、まだ玲那がしぶとくソファに体を埋もれさせて寝ている……とゆーか、寝たふりくさい。
    「玲那、悪いけど、起きて」
     深月紅が怪力無双で申し訳なさそうに玲那をひっぺがすと、
    「うにゃぁぁああ私は離れたくないー!」
     玲那は怒った猫みたいに暴れた。
    「なんですか皆さん、倒さなければいけない敵にすっかり虜にされてしまうなんて」
     とジンザはクールに言い放ちつつ、何故かメガネを取り。
    「この程度の低反発で僕を捕らえられるとでもふかぁ」
     黒猫に顔を埋めた。
    「いけませんね、このサイズ。猫というより虎と認識しなければふかぁ」
    「あっ、いいな……わたしもちょっとだけ座ってみたい」
     ひよりは躊躇している様子であったが、
    「掴まっちゃったら助けてね……わ、ふわふわ…気持ちいいー。ずっとこうしてたいなぁ」
     結局虎猫にふゎんと腰掛けてしまった。もちろん杏子と深月紅もダイブ!
    「にくきゅうに、ふわふわの毛並み……しあわせなのー」
    「もふもふは、いいもの」
     あっと言う間に猫ソファの虜、ほわーんぐっすりうとうとである。
     その頃、瞬一郎は。
    「これは決して浮気なんかじゃ…! 俺が飛び込みたいのはいつだってとし子さんの胸だけだって!」
     猫ソファにうっとりしていたのを、ビハインドのとし子さんに責められていた。
     なんだかカオスな状況になってきているが、楽しんでいるわけにはいかない。だってこのままじゃ、猫ソファを退治するという目的は果たせない。
    「あのー、このままでは本当にダメになっちゃうから、そろそろ救出しないと」
     冷静に戻った紅葉が、とりなすように瞬一郎とビハインドの間に入った。
    「あっ、そ、そうだよな!」
     瞬一郎は助かった、というようにとし子さんから逃げだし、清めの風をダメになりつつある仲間たちの上に吹かせた。
    「うわぁ、危なかったー……! この子たち凄いよ、ほんとにダメになりそう」
     4人は名残惜しそうに立ち上がり、スレイヤーカードを解除して配置につき、ようやく、やっと、これで戦闘態勢が整った。
     戦う前から、色んな意味で恐るべき敵だ、猫ソファ。
     その猫ソファたちも、彼らを戦わなければならない敵であると認識したようで、体勢を低くしながらじりじり接近しつつ、金色の目で見上げてくる。
    「ああ、そんな眼差しでみないで! すり寄ってこないで! だめだめ、心を鬼に!」
    「周り冷やせば、多少は目も醒めるでしょうか」
     つらい気持ちを押し殺し、先手必勝とばかりに、紅葉がイカロスウィング、ジンザがフリージングデスを牽制気味に放つと、
    『みゃっ!』
     ペルシャと虎、三毛に当たった。この3匹が前衛らしい。
     ところが、3匹に攻撃は当たったのだが、床に転がされても猫のしなやかさですぐにくるんと回転して立ち上がってしまった。
    「こいつら、太ってるに見えるけど俊敏ですね……! さすがにお猫様!」
    「そ……そう、ですね……っ。用心、しますっ」
     ミリアが急いでナイフから夜霧をたちこめさせて前衛の防御を高めると、深月紅が傷痕ノ十字架を三毛めがけて捻り込む。しかしそれはペルシャが素早く体を入れて庇った。
    「ペルシャが、ディフェンダー、みたい」
     そのペルシャに最後方にいたロシアンブルーがぺろーーーんとザラザラの舌を伸ばして傷口をなめなめしたので、これで猫たちのポジションは判明した。
    「じゃ、打ち合わせ通りにね……ほら、ねこさんもよろしくね!」
     杏子は、猫ソファにやきもちぷんぷんの愛猫を宥めつつ、自らはジャマーと判明した黒猫めがけて、子守歌を響かせた。

    ●猫様の魔力
     数分の後、順調にディフェンダーとジャマー猫を倒した灼滅者たちは、メディックらしきロシアンブルーをターゲットとしていた。
    「可愛いだけなら、良かったのにね……っ」
     心苦しさを露わにしながら、ひよりが、込めた魔力で火花を散らす救彩・天照華姫を手に、大分弱っている様子のロシアンに飛びかかろうとした、その時。
    『みゃあ~~ん』
     突然、クラッシャーの1匹、トラ猫がころんと床に転がり、お腹を見せてくいくいっ、と前足を動かした。明らかに媚びている仕草。
    「え……すごい、可愛いんだけど!」
     その愛らしさに、ひよりは振り上げかけていた武器を思わず下ろしてしまった。彼女だけでなく、
    「そ、そんな仕草で迫られたら……!」
    「はぅ……」
     後衛の4人も、お猫様の魔力にしてやられ、うっとりだ。
     しかしすかさず、
    「またダメになってますよ!」
     玲那が冷静にかきならしたギターのメロディが、4人をハッと正気づける。
    「ふぅ、なんつー戦いにくい相手だ。なんかこっちが悪さしてるみたいな気分だぜ……」
     瞬一郎が額の冷や汗を拭く。
     だが、猫たちも灼滅者たちの一瞬の混乱を見逃さず、
    『みぎゃっ!』
     もう1匹のクラッシャー、三毛が肉球パンチを深月紅に伸ばしてきて。
    「イージア!」
     玲那の声に、ウィングキャットが素早く飛び込み、
     ぷにっ。
     と、吹っ飛ばされた。
    「ありが、とうっ」
     庇われた深月紅は回り込むようにしてロシアンの懐に入り、血霞を拳に纏って連打を見舞う。
    『うぎゃあっ』
     ロシアンが殴り倒されたところに、待ち受けていたのは杏子の跳び蹴りと、ジンザのB-q.Riotの刃。
    「切り裂いたら、中のビーズも飛び散ってしまいますかね」
     飛び散ったのはビーズではなく、幻の血飛沫だったが……これでロシアンも動かなくなった。
     ふっとばされたイージアは、瞬一郎が、
    「なんなんだよこの腑抜けたようで、破壊力抜群のパンチは! 俺のハートがノックアウトされちまうじゃねぇか……あっ、いやだから浮気なんかじゃ!」
     とし子さんに言い訳しながらソーサルガーターを施した。
    『ふうぅぅ~ぅぅ』
     残り2匹のみとなってしまった猫ソファは、毛を逆立てて灼滅者たちをにらみつける。
     だが、灼滅者もここまできたら最後まで戦いきるのみ。
    「もう迷わないわ!」
     紅葉が決意を示すように指輪に口づけしてトラに弾丸を放ち、ジンザが忍者の身軽さで大胆に踏み込み、同じ猫に炎を宿した蹴りを見舞う。深月紅は魔力を宿した黒銀鞘で殴りかかり、杏子が虹色と青のスニーカーの炎のキックで続く。対抗心むきだしのねこさんは、
    『自分の方が肉球ぷにぷにだしっ、毛並みのふわふわだって負けないっ』
     といわんばかりの勢いで、肉球パンチを見舞った。
    『にぎゃぁっ!』
    「させません!」
     パンチでお返ししようとしたトラ猫を、玲那がイージアに猫魔法で援護させながら、縛霊手で抑えこむと。
    「はぅ……」
     明かに猫さん可哀想という表情ながら、ミリアが影の刃を鋭く伸ばし、
    「猫好きだし、可愛いものも好きだけど……ごめんなさいね!」
     ひよりがギリギリまで収束させたオーラを、突き出した両手から狙い違わず撃ち込んで。
    『にゃ……』
     ――これで残るは三毛1匹。
     その三毛は、
    『みゃみゃ~?』
     この期に及んでまた精一杯の媚びを売って、前衛を惑わそうとしてくるが、
    「も、もう惑わせません……っ」
     ミリアが小さく震えながらもナイフから黒い霧を送って仲間を猫の魔力から救った。
     紅葉はぶるん、と金色の髪をひとふりして理性をかき集め、
    「えいっ!」
     渾身の力を込めて炎を蹴り込み、ジンザは掌に全身の魔力を収束し、ミサイルを放った。杏子はねこさんに猫魔法を発動させながら、自らは猫ソファを悼むかのように子守歌を歌う。玲那は、イージアに命じて背後から猫パンチを喰らわせているうちに、傍らのディスプレイ棚に素早く上り、高い位置からの跳び蹴りを見舞った。ひよりが影の刃を延ばすと、ここは勝負処と見た瞬一郎も、とし子さんの霊撃と息をあわせ、腕を伸ばして掌からオーラの固まりをぶちこむ。
    『ぷぎゃ……』
     集中攻撃を受けてよろめきへたりこんだ三毛に。
    「……倒すのが、惜しい、気がするけど」
     深月紅が思いの丈と気合いを込めた拳を見舞い……。

    「今まで戦ってきたダークネスの中で、最も恐ろしい相手でした」
     ジンザが哀愁の込もった呟きを漏らし。
     ――こうして5匹の猫ソファは、灼滅されたのであった。

    ●愛しの猫ソファ
     猫ソファは灼滅されたが、都市伝説が宿っていたビーズソファ自体は、幾らかボロくなってはしまったが、無事に残っていた。
     気づけば、店内には蛍の光が流れ始めている。いよいよ閉店が近い。店に迷惑をかけないうちに、現場を片づけて撤収せねば。
     ひよりはカバーが少々痛んでしまったソファをなでなでして。
    「このビーズソファ、すごく良いね。1個買ってみようかなぁ」
     8人はすっかり猫ソファが気に入ってしまったようだ。
     ねこさんが彼らの間をぱたぱたと飛び回り、自分も肉球ももふもふも持ってるよ? 癒しますよ? と言わんばかりにアピールしているが、皆猫ソファに夢中。
     玲那は深月紅と共に仲間たちの手当をしていたのだが、やはり名残惜しそうに、
    「また時間のある時に買いに来ましょう」
     ビーズソファ、かさばるし、それなりに重さもあるし、即日買って帰るのはちょっと大変だ。
    「あら、紅葉は今日、ひとつもらって帰るつもりよ?」
     ところが、紅葉がすまして言い切った。
    「え、今日持って帰るのは無理ではないですか?」
     ……と。
     値札と商品説明を熱心に読んでいたジンザが、嬉しそうに。
    「おっ、宅配も頼めるみたいですよ!」

    作者:小鳥遊ちどり 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2017年6月13日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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