道後温泉でご接タイ!?

    ●道後温泉にて
    「ぬっ……んっ……おおっ」
     上品な庭園露天風呂に、男のうめき声が響いている。
    「アッ……そこそこ……ううたまらん……っ」
    「ふふ、可愛い声出しちゃって。ここが気持ちいいのね?」
     風呂端の石畳の床に屈強な男が全裸で寝そべっており、その男に、こちらも全裸の女性が豊かな胸をすりつけるようにして怪しいマッサージを施している。
     いや、女性の方は全裸ではない。ナース帽だけを身に着けている。更に背中には小さな翼、豊満な尻からは長い尾。胸元にはこれ見よがしなハートのタトゥー。
     よく見れば、男の方も尋常ではない。頭部がピカピカした赤い鱗の魚だ。

     しばらく後。
    「ああ……ありがとう、随分疲れが取れたぞ」
     男は満足の溜息を吐いた。
    「うふふ、どういたしまして。旬だから、ご当地活動でお疲れでしょう?」
    「まあな。とはいえ、愛媛ではワシの旬は一年中続くのだがな。はっはっはっ」
    「ステキ、逞しいのね……」
     ナース帽の女は男の厚い胸板に頬を寄せ。
    「貴方のパワーを、私たちにも貸してもらいたいわ」
    「そうだな、またこんなサービスをしてくれるのなら、考えてやってもいい」
    「あらもちろんよ。何なら別のマッサージも試してみる? 例えばココなんてどう?」
    「えっ……うっ、うあああっ、ソコソコっ、ヒィー!」
     
    ●武蔵坂学園
    「もうお分かりでしょうが」
     春祭・典(高校生エクスブレイン・dn0058)は手鏡をパタンと伏せて。
    「ナース帽の女はDOG六六六の『いけないナース』です。そして男は愛媛鯛怪人『タイダンダーン』」
     軍艦島の戦いのあと、生き残ったゴッドセブンたちはミスター宍戸の命令で全国に散った。ゴッドセブン・ナンバー2『もっともいけないナース』は、愛媛県の道後温泉でDOG六六六を設立し、配下のいけないナース達を温泉に配置して『道後温泉に来たダークネス達を回復させパワーアップさせ』ているのだ。
    「淫魔たちのサービスによりダークネスをパワーアップさせた上で、友好関係を築こうとしているのでしょうが、どう考えてもロクなことになりませんので、今のうちに阻止して頂きたいのです」
     典は道後温泉の地図とガイドブックを広げた。
    「いけないナースがタイダンダーンを連れ込んだのは、このホテルの離れの、専用庭園露天風呂です」
     典が示したのは、温泉街の山手の方にある大きなホテル。
     露天風呂のある離れは、ホテルの本館からは広い庭を隔てている。有名人がお忍びで利用したりする隠れ家なのだろう。
    「露天風呂の周囲に柵はありますが低いものです。庭から忍び込むことができますので、ダークネスたちがマッサージに没頭しているところを急襲してください」
     タイダンダーンの呻き声とかが聞こえてくるのでタイミングは計り易いだろう。
    「ただですね」
     典は資料から顔を上げて、
    「いけないナースは『お客様に安全にお帰り頂く事を再優先』するので、自分が足止めになって、タイダンダーンを逃走させようとします。まあ、これはこちらにとっても好都合かもしれないのですが」
     今回のダークネス2体と戦うのは厳しいので、タイダンダーンは逃がし、いけないナースの灼滅に集中するという考え方もできる。
    「今回は、2体のうちどちらかを倒してもらえれば充分です。『もっともいけないナース』のもくろみを妨げるのが、大切なわけですからね」
     典は集った灼滅者たちを見回して。
    「名湯の平和を守るためにも、どうかよろしくお願いします」


    参加者
    守咲・神楽(地獄の番犬・d09482)
    黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)
    アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)
    ソフィ・ルヴェル(カラフルジャスティス・d17872)
    鹿島・悠(赤にして黒のキュウビ・d21071)
    神子塚・湊詩(白藍ハルピュイア・d23507)
    音森・静瑠(翠音・d23807)
    紫皇・櫻(尸桜の寵姫・d24701)

    ■リプレイ

    ●庭園にて
    「うおっ、そこそこ……うっふーん」
     手入れの行き届いた上品な日本庭園に、聞くに耐えない野太いあえぎ声が響いている。
    「タイをご接待……なるほど」
     音森・静瑠(翠音・d23807)が顔をしかめて、事件のダジャレ的状況を改めて確認した。
    「何にしろ個人的に淫魔は嫌いです」
    「私も嫌いよ」
     紫皇・櫻(尸桜の寵姫・d24701)も無表情ながら不快そうに。
    「宿敵というわけではないんだけれど、ナース服つながりで、たまに『いけないナースになれるんじゃないか』なんてからかわれるのよ」
     彼女のワードローブはナース服とドレスのみなので。
    「おもてなし、ってところだけ見れば、平和なんだけどね」
     神子塚・湊詩(白藍ハルピュイア・d23507)が呟くようにぽつぽつと。
    「淫魔と混浴ってなると、下心アリアリで、とたんに疚しいカンジになるよね」
    「露天風呂に突撃、なんて、ある意味男の夢な状況だけど」
     鹿島・悠(赤にして黒のキュウビ・d21071)が囁き返す。
    「でも、ダークネス2体だから気が抜けないです」
    「そうだね」
     湊詩が頷いて。
    「まずは、怪人を速やかに退場させよう。っていうか、全裸のおじさんと戦うのはちょっとねえ」
    「ええ、淫魔ならともかく」
     冷静な口調と笑顔で『ともかく』とか言ってるが、実は悠のテンションはアゲアゲである。だって露天風呂! 覗きではないけど堂々と突撃! まな板の鯉ならぬマッサージマットの鯛! そして何よりお風呂場の美女と対決!! しかもバッドステータスが色っぽいらしいし……頑張ろう!
     とはいえ、我が身を振り返れば、今回はディフェンダーだから、誰より攻撃を引き受けなければならない立場なのだが。
    「せっかくの温泉地なのに、ダークネスが居座っているなんて、困りますね」
     男子ならではの葛藤を知ってか知らずか、黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)がおしとやかに。
    「DOG六六六の野望は打ち砕いて、温泉の平和を取り戻しましょう」
    「もちろんだ!」
     気合いを露わにしているのは守咲・神楽(地獄の番犬・d09482)。
    「別府の弟分、道後温泉で勝手はさせん!」
     DOGというネーミングも犬とカブってて気に入らない。
     ところで神楽の気合いは温泉愛から生じているのも本当だが、健康な男子高校生としては、『温泉地のサービスとしてのマッサージって……まあよくあることだけどさ』とかつい考えてしまい、困ってるのであった。もちろん嫌いじゃないケド。
     アルクレイン・ゼノサキス(黄昏の天使長・d15939)が、真面目な顔で仲間の方を見て、
    「何にしろ、ろくでもない事にしかなりそうにありませんので、危険な企みは阻止させていただきましょう」
     きっぱりと言うと、仲間たちの密やかな会話が一段落するのを待っていたのか、ソフィ・ルヴェル(カラフルジャスティス・d17872)が、皆を見回し、左腕のブレスにスレイヤーカードを装着した。
    「あの、そろそろいいんじゃありませんか?」
     言われてみれば、
    「うひーっ、イイっ、あああっ、そこもっともっとー!」
     怪人のあられもない喘ぎはピークといったカンジ。ということは、マッサージも佳境と思われる。
     灼滅者たちは視線を交わし、スレイヤーカードに触れた。神楽とアルクレインはサウンドシャッターを発動する。
    「Go!」
     湯気たちこめる露天風呂目指し、密やかに、しかし素早く、茂みをくぐり次々と低い塀を乗り越えていく。

    ●タイダンダーン
    「チェンジ! カラフルキャンディ!」
     ソフィが解除コードを叫ぶと、腰に七色のダイダロスベルトが出現した。ゴージャスにボリュームアップした衣装にマントを羽織って決めポーズ。
    「彩り鮮やかは無限の正義! ソフィ参ります!」
     同時に神楽も。
    「チェーンジ、ケルベロース! Style:Bloodpool!!」
     地獄八湯・血の池地獄の力が宿り、別府のご当地ヒーロー・ケルベロスに変身した神楽は、体を赤く輝かせながら叫ぶ。
    「灼滅者だ! 神妙にしろ!!」
    「何ッ、灼滅者!?」
     いいわけのしようもないくらい、やらしくぺたーっとくっついていた怪人と淫魔は、慌てて起きあがった。まるで現場に踏み込まれた不倫カップルのよう。
    「タイダンダーン、パワーアップした君を、放置することはできないんだよ」
     先が金の白い翼を広げ、男性ハーピーへと変じた湊詩が、たくましい鳥の足の爪を光らせた。彼自身は冷静だが、爪は鋭く凶暴だ。
    「いいところでしゃしゃり出おって、無粋なガキ共めが!」
     怪人は手近にあった桶で局部を隠して身構えたが、静瑠は目を逸らし、
    「いいところに申し訳ございませんが、お命頂きに参りました」
     ぐいっと生命維持用の薬物を飲み、戦いに備えて身体の能力を高めた。
    「何だと、生意気な!」
     踏み出してきたタイダンダーンに、それっ、とばかりに灼滅者たちは一斉に攻撃を浴びせる……と見せて、これは威嚇だ。
    「させないわ!」
     狙い通りに、いけないナースが飛び出してきて、豊満な体をおしげもなくさらし、怪人の盾となった。乳房に彫られたハートのタトゥーがゆっさゆさ揺れる。
    「(おおおっ♪)」
     男子たちは仕掛けつつも、心の中で快哉を上げた。
     攻撃は威嚇ではあったが、どさくさ紛れで淫魔に、アルクレインのレイザースラストが突き刺さり、櫻が『虹―Iris―』で回し蹴りをぶちかました……ところまでは格好良かったのが、濡れた床に滑りすってんころりん。
    「今回の戦場は、足下に注意した方がいいわね」
     痛いのだろうに、櫻はすぐ真顔で起きあがった。
     淫魔は、と見ると、この程度では揺らぐこともなく、しなを作りながら怪人を振り向き、
    「タイさん、雑魚共は私に任せて、お引き取りくださいな」
    「えっ、いいのか?」
    「ええ、お客様に無事お帰りいただくまでが、私共のサービスですもの」
     見上げた職業意識であるが、残念ながらダークネス。
    「さあ、小癪な半端者共、私が相手よ!」
     キッと灼滅者の方に向き直った淫魔の手に、巨大な注射器が現れた。それと共に、ナース服もスチャッと装着してしまった。
    「(え~っ!?)」
     口には出さないけど、男子がっかり。特に神楽は。
    「(防御の薄いとこが多いとか、掴みやすいとか期待……もにょもにょ)」
     ナースが戦闘モードに入ったのを見て、
    「わかった、ここはお前に任せる!」
     ダイダンダーンは裸のまま、きびすを返した。全くもって、亭主に現場に踏み込まれた間男のようである。
     その背中に淫魔は、
    「今日のお願い、忘れないで下さいねー!」
    「おう、この借りはいつかきっと返すぞ~!」
    「待て、タイダンダーン!」
    「逃がすか!」
     灼滅者たちは一応怪人を追うふりなどしてみるが、もちろん実際には追わない。
     タイダンダーンの姿は、庭園の闇に消えていった。

    ●いけないナースのいけない戦い
    「ふふん、タイさんを逃がしてしまったわね」
     ナースは馬鹿にするように笑ったが。
    「いえ」
     静瑠がバベルブレイカーを構えると、
    「これで予定通りです!」
     ジェット噴射で勢いよく撃ち込み、
    「貴女方の企みは、阻止させてもらいますよ!」
     アルクレインがロッドで魔力を叩き込む。
    「な……あんたたち、本当の狙いは……」
     ナースは真のターゲットが自分であることに気づいたようだったが、灼滅者たちは、体勢を立て直す間を与えぬように次々と仕掛けていく。
    「一緒に行くよ、ブラン!」
     キャリバーに騎乗したソフィがダイダロスベルトを延ばし、神楽も死の中心点目がけ突っ込んでいく。悠は、ビハインドの十字架に霊撃を命じると、自らは目映い聖剣で斬りつける。湊詩の羽からは、冷気を纏わせた羽根が飛んでいく。
     「(今回はナースの灼滅を第一に考えましょう……怪人はきっと別の機会に、きっと)」
     櫻は去った怪人に思いを残しつつも、水晶の体に纏った黒いドレスをひらめかせ、急所をねらって刃を突き立てる……と。
    「半端者共の思い通りになんて、させるもんですか!」
     淫魔が一声叫び、激しく踊り始めた。
    「きゃっ!」
    「うわあ!?」
     速いステップで一足毎に前衛を蹴り倒していく。そして倒された前衛は……。
    「あ……なんかむずむずする」
    「やだ、服の中でなんか蠢いてますっ」
     切なそうに悶え始めた。キャリバーのブランやビハインドの十字架までもじもじしている。
    「(な、なんでボクがこんな目に……)」
    「(女子がえっちなバッドステータスでどんなになるか、とか思……イヤナンデモナイデスヨ)」
     色っぽいバッドステータスをちょっとだけ(?)楽しみにしていた悠と神楽であったが、自分らがハァハァ言って悶える羽目に。
    「大丈夫ですか!? 今癒します!」
     りんごが最後方から、紺の袴も凜々しく清めの風を吹かせる。
     おかげですぐに『蠢く』から立ち直った前衛であったが、淫魔はその間に体勢を整え、ふてぶてしく注射器を掲げている。
    「ふっ、エロのパワーは最強よ。舐めるんじゃないわ!」
    「それはこっちの台詞です!」
     ソフィが威勢良く撃ち込んだご当地ビームは交わされたが、その隙に静瑠が急所をねらって切り込んだ。櫻の『茨姫』がシュルリと蛇のように伸びて絡みつき、湊詩の鋭い爪が切り裂く。悠はバッドステータスに懲りて前衛に盾を展開し、神楽がご当地ダイナミックで投げ落とす。そこにアルクレインが蹴りを見舞おうと飛び上がった……が。
    「毒でも喰らいなさい!」
     びっしゃあああ。
    「ああっ!?」
     注射器から大量の気持ち悪いピンク色の液体が勢いよく噴き出して、アルクレインを宙から叩き落とした。
     服がとろりとした液体でずぶぬれになり、アルクレインの華奢な体の線が丸見えになる。そればかりではなく、まとわりつく毒が彼女の体力を奪っていく。
    「えっちなバッドステータスはいけません!」
     居合道着の左の片肌を抜いていたりんごが、胸にサラシ様に巻き付けていたダイダロスベルトを包帯と化し、アルクレインにサッと伸ばした。胸元を隠してはいるが、りんごの回復っぷりも結構えっちなような。
    「あ、ありがとうございます、りんごさん」
     アルクレインは無事立ち直ったが、エロバッドステータス、意外とやっかいである。
    「あんな攻撃、受けたくないです!」
     早いとこ片を付けたい一心で静瑠は杭を撃ち込み、
    「いけないナースの攻撃は、ホント、純真な子には見せたくないわね……」
     さすがの櫻もわずかに眉を潜めながら、鋼と化した『復讐―Nemesis―』を突き刺す。ソフィがブランに援護させながら白衣を掴んで豊満な体を石畳に投げ、神楽はオーラを宿した拳で連打する。続けて湊詩が氷の羽を撃ち込んだが、それは、カシャーンと音を立てて注射器で振り払われ。
    「……負けるもんですか」
     あちこち血がにじむものすごい顔で、ナースはギリッと歯噛みすると、美しい声で歌い始めた。視線の先には……。
    「えっ。私!?」
     静瑠。
    「さ……させませんっ!」
     悠がエロバッドステータスへの怖気を振り払って、音波の射線に飛び込んだ。
    「ああっ……!」
     全身を振るわせる激しくも心地よい歌声に、悠は。
    「な、なにこれ……恥ずかしいーっ!」
     唐突にものすごーく恥ずかしくなり、顔を真っ赤にしてしゃがみこんでしまった。
     その様子を見て。
    「大変だわ、『恥ずかしい』ですわね!」
     りんごが素早く縛霊手を掲げ、癒しの光を送る。
    「ごめんなさい、ありがとう、悠さん!」
     微エロ攻撃から逃れられた静瑠は、勇気を持ってナースに肉薄して切りつけ、櫻は水晶の羽をきらめかせて、今度こそ足下に注意しながら回し蹴りを決めた。よろけたナースを、アルクレインが縛霊手で押さえ込み、湊詩は槍をねじ込んだ。勝負処と見て、メディックのりんごも鬼の拳で殴りつけ、回復なった悠も光の剣で貫いて。
     カッシャーン!
     ナースが倒れ、注射器が湯端に落ちた。
    「く……ここでやられるわけには……DOGの活動は始まったばかり……」
     ナースは、濡れた石畳に縫い止められたようにもがいているが、それでも注射器を引き寄せようと手を伸ばす。
     ソフィと神楽は視線を交わして頷き合うと、
    「この一撃で!」
    「別府の湯。即ち速水の湯! 道後温泉となった力がお前を打ち砕く!!」
     ご当地キック連発!
     ちなみに神楽のキメ台詞について知りたい人は『伊予風土記』を見てみよう。
     ぎゃああああぁぁぁ……!
     いけないナースは、美しい姿に似つかわしくない、醜い悲鳴を上げて、湯煙にまぎれて消えていったのだった。

    ●道後温泉
    「お風呂……好き」
     アヒルのおもちゃと共に、顎までお湯に浸かった湊詩が満足げに呟くと、神楽が嬉しそうに、
    「よかった気に入ってもらえて。大分と愛媛は豊後水道を挟んで隣県なので、フェリーで何度か来てるんだ」
     彼が皆を案内したのは、温泉街中心部にある、道後のシンボル的な日帰り入浴施設である。
    「さすが風情がありますよね」
     悠がレトロな浴場を見回して。
    「(でもやっぱ、別浴なんだな……)」
     ちょっと残念?
     悠の微妙な心境を見透かしたように、湊詩が薄く微笑みかけて。
    「お風呂上がりには、牛乳と温泉饅頭……かな?」

     一方の女湯では。
    「ふぁ~、温まります~~」
     アルクレインが幸せそうに湯船で身体を伸ばした。
    「気持ちいいですね~、お小遣い持ってきて良かったです」
     静瑠も満足げである。この施設は銭湯並のリーズナブルな入浴料なので、学生の懐には嬉しい。
    「それにしても」
     櫻が首を傾げて、
    「ソフィはどうしてりんごの膝に乗っかってるのかしら?」
    「で……ですよね?」
     りんごの膝にちょこんと腰掛けているソフィ本人も首を傾げる。
    「温泉って、こんな風に楽しむものなのでしょうか?」
     フランス人なので温泉についてよくわかっていないのだ。
     りんごはご満悦でうふふと笑い、
    「そうですよ、こうやって仲良しさんとスキンシップを楽しむものですよ」
    「そうなんですか……居心地がいいので、いいのですが……」
     そう言っているソフィの顔がみるみる真っ赤に。
    「あ……なんかちょっと、のぼせてきちゃったみたい……」
    「あ、あら……」
    「大変!」
     慌てて後輩を浴槽から抱え上げる女子たちなのであった。

    作者:小鳥遊ちどり 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2015年4月21日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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