栗の里の若熊は、火の山を目指す

    ●鶴見岳山頂にて
     朝靄に包まれた早朝の鶴見岳山頂に、ボロボロの着物でざんばらの赤髪の少年が現れた。長い旅をしてきたように、手足は垢じみ、酷くやつれてている。
     しかしその瞳は澄み渡り輝いている。
     中学生くらいとみえる少年は、目を閉じ、祈るように深くうつむいた。鶴見岳の地下、奥深くに思いを馳せているように……。
     すると。
     少年の耳にぴょこん、と黒い耳が現れた。同時に尻には丸い尻尾、鼻がにゅうっと突き出して、四肢はみるみる硬い毛に包まれた。
     少年は、赤みがかった毛並みのツキノワグマに変身したのだった。まだ幼さの残る若い熊だ。
     熊は空を仰ぎ、前足を振り上げてガアアアアッ、と一つ吠えると、
    「イマコソ、ガイオウガノミモトニ!」
     覚悟を決めたように高らかに叫んだ。
     ボッ。
     クマの姿が炎に包まれた。まるで熊自身が自らに火を放ったかのようだ。紅く激しい炎は、みるみる熊を焼き尽くしていく……。
     そして、炎に包まれた熊は、鶴見岳に吸い込まれるようにして……消えた。

    ●武蔵坂学園
     集った灼滅者たちに、春祭・典(大学生エクスブレイン・dn0058)は。
    「サイキック・リベレイターによるガイオウガの復活を感じ取ったイフリート達が、鶴見岳に向かっていることは皆さん既にご存じでしょう」
     イフリートは鶴見岳山頂で自死し、ガイオウガの力と合体しようとしている。このまま合体を繰り返せば、ガイオウガの力は急速に回復し、完全な状態で復活してしまうかもしれない。
     それを阻止する為には、鶴見岳でイフリートを迎撃し、合体を防がなければならない。
    「今回のイフリートには、ちょっと縁がありまして」
     典はちょっと切なそうな表情になり。
    「皆さん憶えていらっしゃるでしょうか、2年半ほど前、白の王セイメイの企みで、各地の葬儀でご遺体がアンデッドとして蘇らされた事件があったことを」
     企みが実行された土地では、その地の若いイフリートたちがアンデッドを狙って暴れ出そうとしていた。それを阻止して欲しいと、クロキバが学園に助力を求めてきたのだった。
     サポートの黒鳥・湖太郎(黒鳥の魔法使い・dn0097)が頷いた。
    「憶えてるわよ」
    「その時、1チームに長野県の小布施に行ってもらい、小熊イフリートを説得して止めて頂きました」
    「聞いたわ。とても可愛らしい子熊だったとか」
     子供だったこともあり、一緒に栗拾いをしたり、栗菓子を食べさせたりして見事に説得に成功し、騒ぎを大きくせずに済んだ……のだが。
    「その小布施の子熊が……今は成長して若熊となっていますが、鶴見岳に向かっています」
     典は溜息を一つついて、九州の地図を広げた。
     指した一点は、鶴見岳の北隣にある山の尾根であった。
    「小布施の熊は尾根伝いに鶴見岳山頂を目指していますので、この尾根道で待ち伏せしていれば、確実に遭遇できるでしょう」
     今回は熊の移動ルートが予知できているので、探索の必要はない。
     ここでイフリートを灼滅する事ができれば、ガイオウガの力の増加を阻止する事ができる。
     ただ、合体を目指すイフリートは、その経験や知識をガイオウガに伝える役割も持っている。なので、学園に友好的な個体であるならば、ガイオウガへの伝言を伝えた上で、敢えて阻止せずに合体を行わせるという選択肢もある。
     この場合は、迎撃ポイントで接触した後、イフリートとの友好を深めたり、伝えたい内容を確実に理解してもらうといった準備が必要となる。
     また、強い絆を持つものが説得する事で、ガイオウガの一部となる事を諦めさせる事もできる可能性もわずかながら残っている。
     この場合も、ガイオウガの影響が強い場合は不可能なので、手加減攻撃などでダメージを与え続けて、イフリートとしての力を弱める事が必須になる。
    「縁があったイフリートを灼滅するのは気が進みませんが……」
     典はまた溜息を吐き。
    「ガイオウガの力の一部となるのならば阻止せざるを得ません……小布施の熊をどうするかは、皆さんの選択にお任せします」


    参加者
    古海・真琴(占術魔少女・d00740)
    アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)
    守咲・神楽(地獄の番犬・d09482)
    アガーテ・ゼット(光合成・d26080)
    伴・創(子不語怪力乱神・d33253)
     

    ■リプレイ

    ●遭遇
     その長い長い道のりは、人ならぬ身にも少々堪えるものであった。彼のエナジーの元である、故郷の源泉を離れたせいもあるのかもしれない。少年は疲れた体を引きずるようにして、朝靄のたちこめはじめた尾根道を登っていく。栗の里を見下ろす山の小さな源泉で育ってきた彼は、人間は何やら便利な移動手段を幾つも持っていると知ってはいたが、それを使う術は当然知らず、結果、自分の力だけでここまでやってきた。
     だが、彼の目指すゴールは近い。もうひとつだけ頂きを越えたその向こうの山の頂上、そこに彼の終焉の、そして始まりの地があるのだ……!
     息を荒げ、彼は小さな山のピークを登りきろうとした。この急斜面を登れば、目的地の山頂が見えるはず!
     だが、彼の目に飛び込んできたのは……。
    「(……ニンゲン?)」
     まだ太陽も昇り切っていない早朝だというのに、山道を塞ぐようにして敷物を敷き、食べ物や飲み物を広げた数人の人間の姿であった。
     その光景は、彼の故郷の人々の姿……農作業の合間に楽しげにくつろぐ農家の人々……を思い出させるものであったが、
    「(ナンダこのニンゲンタチは……イヤ、ニンゲン、ナノカ……?)」
     スッと腰を屈め、警戒の姿勢になった。
     ニンゲンたちは一斉に、立ち止まった彼の方を見た。そして、
    「おはよう、待ってたわ。怪しい者じゃないのよ」
    「君、ガイオウガのところに行くんやろ? ちょっと待ってくれん?」
    「熊さん、そう急がないで、お茶していかない? 冥土の土産に、どう?」
     口々に彼を引き留めようとする。その口調や表情は友好的なものであったが、元々短絡的な思考しか出来ぬ上、今や目的地を目指すことしか考えられなくなっている彼には。
    「(ナゼコイツラは、ガイオウガとコトと、オレのショウタイをシッテイル……? サテハ、ガッタイのジャマをスルツモリカ……)」
     ――ガアアアアアッ!
     彼は咆哮すると疲れた体にむち打って地を蹴った。四肢だけを熊のものに変化させ、手前にいた長身の少女の肩口を、炎を纏った鋭い爪でザクリと掻いた。

    ●接触
    「……つっ」
     半身赤毛の若熊と化した少年が、激昂して自分めがけて飛びかかってくるのを察した古海・真琴(占術魔少女・d00740)であったが、野生の獣の敏捷さからは逃れられず、肩を深く引っかかれてしまった。
    「Slayer Card,Aawken! 真琴さん、下がって!」
     アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)が機敏に立ち上がり少年を真琴から引きはがす。同時に、話を聞いてもらえる状況ではないと悟った仲間たちも、カードを解除し、次々に彼へと飛びかかる。とはいえ、彼と戦うつもりはない。手加減攻撃で押さえ込もうとしているだけだ。何とか話ができる状態になってもらわねば……。
     伴・創(子不語怪力乱神・d33253)が、必死にのしかかりながら叫ぶ。
    「君の合体を邪魔しに来たわけじゃないんだ、傷つけあう意思もない!」
     少年の力は強く、サポートの黒鳥・湖太郎(黒鳥の魔法使い・dn0097)を含めた灼滅者5人がかりで抑え込むのがやっとだ。見た目は華奢で、疲れている様子なのに、やはりダークネスはダークネスである。
     もみ合う仲間たちと少年から少し離れた真琴は、タロットカードで自己回復を図りつつ、少年の目をしっかりと見つめて。
    「私たちは武蔵坂の灼滅者です、あなたを立派なイフリートと見込んで、話したいことがあります!」
    「……シャク……メツ、シャ……?」
     灼滅者と聴いて少年の敵意がわずかに沈静したのを感じたアガーテ・ゼット(光合成・d26080)は、熊の後ろ足を押さえつける力を少しだけゆるめながら、
    「私達とあなたは初めましてなんだけど、前に仲間があなたに会ってるわ。あのお菓子を見て!」
     敷物の上にずらりと並べられた栗菓子を示した。その中には、少年にも見覚えのあるものが幾つもあった。アガーテが、以前少年と交渉を持った仲間たちに教えてもらい、できるだけその時のものに近い栗菓子を用意してきたのだ。
    「3年位前なのかな、栗の季節に……憶えているかしら?」
     アガーテは、その際に少年の説得に当たった2人の容姿について語った。
    「アイツラの……ナカマ?」
    「そうなの。あの時は仲間のお願いを聞いてくれて本当にありがとう。敵は約束通り仲間が倒したわ」
     彼もそれは知っていた。あの日栗園を覆っていた、挑発的であからさまな敵の気配が、その夜のうちに消えたのが感じられた。
    「あなたがお話を聞いてくれたお陰で、あそこのお家も栗園も無事だったの。改めてありがとう」
     あの時の灼滅者との出会いは、彼にとっても忘れられない思い出であった。栗菓子の優しい甘さと、楽しかった栗拾い。
    「僕は、この山の下の別府が故郷だから」
     守咲・神楽(地獄の番犬・d09482)が、力の抜けた熊の前足からそっと手を放した。
    「ご当地ヒーローとして郷里の別府は大事。キミはイフリートとしてガイオウガが大事。気持ちは判る……無理矢理引き留めたりはせんから、ちょっとだけ話してええ? 話聞いてもらったら、ちゃんと見送るから」
     仲間たちも次々に彼から手を放す。
     少年はむっくりと起き上がり、ふてくされたようにあぐらをかいて座った。
     傷の癒えた真琴が少年ににじりよる。愛猫のペンタクルスが心配そうに飛び回っていたが、彼女は少年をじっと見つめながら装備と武器をスレイヤーカードに収納した。
    「少しだけ身ぎれいにさせて」
     少年はまだ身体を硬くしていたが、他の灼滅者たちも次々と武装を解除していくのを見て、真琴のESPクリーニングを受け入れ、彼もまた熊化していた四肢を人間型に戻した。
    「……スコシダケ、ダゾ」
     これでやっと、話が始められる。

    ●思い出の味
    「小布施から、ここまでって、とんでもない距離ですよね! しかも途中に関門海峡という名の海までありますし……橋やトンネルがあるにしても……どれだけ大変な旅をしてきたのか…! お腹すいてるでしょう、どうぞ食べてください」
     敷物の隅っこに用心深く座った少年に、真琴がくりきんとんを勧める。
    「お前の故郷から取り寄せたのもあるぞ」
     創は、小布施から急ぎ取り寄せた栗菓子を差し出した。
    「栗が好きっち聞いたけん。折角別府に来たのだから、旨い物くらいは……」
     神楽が用意したのは、九州らしい栗のかるかんや羊羹。
    「旅人はねんごろにせよっちな。別府に来てくれた人に何もせんのはご当地ヒーローの名が廃るわ」
     少年は勧められるままに、灼滅者たちの心づくしの栗菓子をガツガツと食べた。
     前回の接触の際には、小学校低学年ほどだった少年は、小柄な中学生ほどの見た目に成長していた。骨張った長い手足に、伸び放題の赤毛。帯とも言えぬ紐で細い胴にくくりつけられた着物は、クリーニングを施され清潔にはなったが、あちこちほころび破けてしまっている。また、言葉は少なくたどたどしいが、ちゃんと会話の内容は理解しているようだ。
    「ふふ、いい食べっぷりね」
     アリスが少年の様子を見ながら甘いミルクティーを注ぎ、ハチミツたっぷりのパンケーキを勧め、
    「元気そうになったわよ。これなら、ガイオウガが目覚めた時に、そばにいて役に立ってほしいって思ってもらえるんじゃない? ガイオウガに身を捧げる方法は、何も融合するだけじゃなくて、そばにいて色々な細々したことをしてあげるのもありじゃないかしら。それこそこういう風に食べ物を用意したりね」
     アリスは穏やかな口調で語りかけたが、少年の目に再び剣呑な光が宿る。
    「……ジャマシナイと、イッタ」
     人の食べ物を好み、人の営みをある程度理解する彼のようなイフリートでも、ガイオウガとの合体は何より重要であり、それへの欲求は大変強い。説得には強い絆が必要だ。
     創が慌てて言う。
    「合体の邪魔をするつもりはない……俺個人としては、お前がガイオウガと一つになるならば、祝い、見送りたい気持ちだ」
     少年の瞳にはまだ警戒の色が残っているが、創は静かに話し続ける。
    「俺はまだ行った事はないが、お前が住んでいた辺りは綺麗な所らしいな」
     少年の引き結ばれた口元が、わずかにぴくりとした。
    「寂しい気持ちにさせたならすまない。でも大切な絆や愛着があるのなら、その気持ちは手放さず一緒に連れて行けばいいと俺は思う――それらも王の炎の一部になるのだろうから」
     うん、と神楽も頷いて。
    「……縁、やろね。故郷への縁や、武蔵坂の灼滅者と紡いだ運命の糸を、ただ切ってしまうんはなんやなーと思う」
     合体自体を何がなんでも阻止するつもりは無いと理解したのか、少年の瞳の獣めいた光がスッと薄れた。

    ●名前
     再び栗菓子を貪り始めた少年に、アガーテが訊いた。
    「お名前、きいてもいいかしら? 私はアガーテというの」
    「俺は創だ」
     仲間たちも次々に名乗ると、少年は長い前髪の隙間から灼滅者たちをちらりと見上げ。
    「……リツ」
     と、小さな声で名乗った。
     アガーテが優しい眼差しで頷いて。
    「教えてくれてありがとう。リツさんね、憶えておくわ。約束する」
     ――できるだけ邪魔はしたくない。この子の一番望む形に落ち着けたい。『情報』よりも『気持ち』や『印象』を、ガイオウガの元に持っていってもらいたい。
     灼滅者として最善の態度ではないかもしれないが、それが彼女の、そしてこのチームのイフリートへのスタンスだ。
     創が一緒に栗落雁を食べながら語りかける。
    「お前達にとっては取るに足らない存在かも知れんが、人間は栗の世話をする。他の花や木も育てる。菓子を作るし着物も織る」
     それがどうした、というように、リツが不思議そうに創の方を向いた。創はその目を見つめ返して。
    「ガイオウガと一体になった後も、もし良かったら、リツ……時々その事も考えてやってくれ」
     リツはスッと創から目を逸らし、また考え込むようにうつむいて菓子を食べだしだ。
     人間の営みなど知ったことではない、というのが、多くのダークネスの考え方であろうが、豊かで美しい農村のすぐ傍で生まれ、その営みの恩恵をわずかなりとも受けて育ったリツはどう思うのか……?
    「合体を止めるという選択肢はないのかしら?」
     アリスがお茶のお代わりを注ぎながら。
    「どうしても行くのなら、合体した後は無闇に動かず、この国で起こる地震や火山噴火を抑えてもらいたいわ。その代償はさせてもらうつもり。それから、鶴見岳をガイオウガの聖地として、その周辺から外に出ないこと。人里へ出てきたら、容赦なく灼滅するからそのつもりで」
     リツが顔を上げ、スッと目を細めた。灼滅、という言葉に反応したのだろうか。
    「て、敵対しようってわけじゃないんですよ?」
     微妙に硬化したリツの様子に、慌てて真琴が割り込み、神楽も、
    「そうそう、むしろ心配しとるんよ。キミの選択は尊重するけど、ガイオウガの力を他のダークネス勢力が狙っとるからね。武蔵坂は、ガイオウガと友好を結びたいと思ってるし……このことガイオウガに伝えてくれんか?」
     目つきはまだ多少険しいままだったが、リツは。
    「……ガンバッテ、オボエテ、オク」
     それからチラリとアリスの方も見て。
    「オマエノモ」
     ぶっきらぼうに言った。そして、ガッと目の前の菓子を鷲掴みにして一気に口につめこむと――立ち上がった。

    ●別れ
    「……行くのね?」
     リツの澄んだ瞳は、もう南を――約束の地を向いている。
    「ヒガ、ノボル」
     気づけば、リツが現れた頃よりも尾根に立ちこめる靄は濃くなり、それを透かして照らす朝日はまろやかに明るくなっていた。
    「ちょっと待って……お菓子の屑が口の周りに」
     アガーテが濡れタオルを手に立ち上がる。
    「触ってもいい?」
     リツはちょっと驚いたようだったが、小さく頷いた。
     アガーテはそっと菓子屑を拭き取り、ついでに乱れ放題の赤髪を指で梳いてやる。
     その姉と弟のような光景を見て、神楽が。
    「もうちょっとゆっくりしてって欲しいとこやけどな。別府には肉も魚も、おいしいものは沢山あるし、温泉だって気持ちいいのに……」
     溜息を挟んで。
    「でも、キミがガイオウガと一体になれば、ガイオウガを歓待すれば一緒のことやな。ガイオウガになったキミと仲良くなりたいな」
     本当は今ここにいるリツともっと仲良くなりたい。だが、引き留めることはしない約束なので、切なくとも口には出さない。
     創がリツの肩に、新品の羽織をそっとかけてやる。光沢のある赤褐色の……栗皮色の上質なものだ。
     リツが目を丸くして着物を見、創を見た。
    「餞だ」
     この着物も、ガイオウガの元に持っていってもらいたい――絆のひとつとして。
     リツはためらいがちに羽織に袖を通した。サイズは些か大きいが、栗川色は彼の髪とのグラデーションとなり、よく映える。
    「……ウマカッタ」
     灼滅者たちから顔を背けるようにして、リツが小さな声で言った。
     そして、いきなり尾根道を駆けだした。南に向かって。
    「あっ、貴方と話せて、良かった!」
    「よい旅路を! 元気でなー! ……ってのは変かな?」
     みるみる小さくなる細い背中に、真琴と神楽が呼びかけた。
    「どうか、よい選択をーッ!」
     アリスも最後まで諦めずに、声を限りに叫ぶ。
     羽織をはためかせた後ろ姿は、朝靄と木々の間に入り、すぐに見えなくなった。
    「……あの頂が、鶴見岳」
     鶴見岳界隈は自分ちの庭のようなものという神楽が、靄の向こうにうっすらと見える黒い山影を指した。
     灼滅者たちは言葉もなく、その頂を見つめる。彼はまっしぐらにあそこに駆け上っていくのだろう――人間との、故郷との、そして灼滅者との絆を持って。

     ――しばし後。
     黒い頂で、紅い火柱が上がったのを、灼滅者たちは見た。

    作者:小鳥遊ちどり 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2016年7月28日
    難度:普通
    参加:5人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 1/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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