●初冬の釧路湿原にて
釧路湿原は、もう冬の顔であった。曇天の下、うっすらと雪化粧した北の大地は、訪れた者をものさみしい気分にさせる。
小鳥遊・優雨(優しい雨・d05156)が物憂げな表情で学友たちに語り始めた。
「人々がもふりたい、けど、もふれない、と大変悔しく思っている動物。それがキタキツネです」
キタキツネ……黄金色のもふもふな毛並みとふっさりした尻尾。賢そうな細面に、ピンと立った大きな耳。北海道ではそう珍しい動物でもないし、昔話や童話でおなじみだ。しかも結構人なつっこいときている(やたら餌をやってしまう人間のせいも大いにあるが)……これはもう、もふらー垂涎の的と言っていい。
けれど野生のキタキツネには、触ってはいけない。
何故なら、かなりの高確率でエキノコックスという条虫が寄生しているからだ。エキノコックスはキタキツネに棲んでる分には発症しないのだが、人間含む他の動物に感染ると命に関わる深刻な症状をもたらす。
「ま、灼滅者である私たちには影響ありませんけれどー」
灼滅者は条虫にも負けないのである。
「けれど、キタキツネをもふれない一般人の悔しさが、ここ、釧路湿原を貫く国道で都市伝説化してしまいました」
優雨が聞き込んだところによると、その都市伝説とは――。
夜中に車で走っていると道ばたにキタキツネがちょこんと座っているのだという。
『お、可愛い♪』
と路肩に駐車して車を降りて近づいていくと、キツネもトコトコと近づいてくる。
『人なつっこいヤツだなーでもさわれないんだよなー』
などと思いつつ更に近づくと、キツネもますます近づいてきて……そこでキツネに出会ってしまった人は、気づくのだ。
『ん、ちょっと待てよ。このキツネやたらでっかくね? ってか、段々大きくなってきてねえか!?』
……と、立ち止まった時にはもう遅い。巨大化したキツネの腹にもふもふぎゅぎゅーっと押し倒されてしまうのだ!
「……幸いにして、まだ死者は出ていません」
ここまでのところ被害者は気を失っているところを後続車に見つけてもらい、何とか助かっている。が、北海道はもうほとんど冬である。キツネの圧迫自体で命を失うことがなくとも、気絶してる間に凍死する可能性は高い。
「キツネは化かすもの……とはいえ、この都市伝説は放っておくわけにはいきません。私たちで誘き出して、倒しましょう」
優雨の言葉に集った仲間たちは力強く頷いたが、その瞳は巨大キタキツネへの期待にキラッキラときらめいて……。
参加者 | |
---|---|
小鳥遊・優雨(優しい雨・d05156) |
赤秀・空(虚・d09729) |
リュータ・ラットリー(おひさまわんこ・d22196) |
狼久保・惟元(月詠鬼・d27459) |
切羽・村正(唯一つ残った刀・d29963) |
新堂・柚葉(深緑の魔法つかい・d33727) |
椿本・呼石(御伽の欠片探し・d33743) |
水燈・紗夜(月蝕回帰・d36910) |
●夜更けのドライブ
「こういう時に、車の免許があると便利ですね。僕も冬休みを使って取得しましょうかね」
2列目の座席から運転席をのぞきこみながら、狼久保・惟元(月詠鬼・d27459)が言うと、先ほどまでハンドルを握っていた、小鳥遊・優雨(優しい雨・d05156)が助手席で振り向いた。
「確かに、北海道のような広い土地を旅するには、運転手が多いと助かります」
釧路市内で調達したレンタカーを、彼女と黒鳥・湖太郎(黒鳥の魔法使い・dn0097)が交代で運転しながら、ここ釧路湿原にやってきた。目的地が近づいた今は、ターゲットを発見したら即座に正規のメンバーたちが車から飛び出せるよう、湖太郎が運転している。
「夜中のドライブか……」
惟元の隣席の水燈・紗夜(月蝕回帰・d36910)が真っ暗な車窓を眺め、
「延々と終わらないように見えてしまう直線道路に、もふが現れるなんてトラップだよね。ひっかからずにはいられないよ」
「もふもふ!」
もふ、に反応した、椿本・呼石(御伽の欠片探し・d33743)がハイテンションな声を上げ、
「それも巨大なもふもふ! うふふ、キタキツネがどんな触り心地なのか、とっても楽しみですわ」
「キタキツネ……」
中程の席にいる新堂・柚葉(深緑の魔法つかい・d33727)は神妙な表情で。
「北海道に広く生息しているんですよね。人間と触れ合うのがタブーというのは、初めて知りましたが」
「エキノコックスは恐ろしいんだよ」
紗夜が物憂げに振り向いた。
「感染すると、大きな声で言い難いような症状に襲われてしまうこともあるからね。野生動物に触ってはいけないとはよく言われることだが、自分の身を守るためなのだよ」
柚葉は頷いた。
「野生動物は、本来の自然の中で暮らすのが一番でしょうからね……」
「ああ、そうさ。しかも今回は人間の罪深い欲望が都市伝説になってしまったのだからね。肝に銘じるべきだよ」
紗夜はいっそう陰鬱な表情で、空恐ろしいような口調で語っているが。
「……でも、今回のキタキツネ君は都市伝説だからね、エキノ的な心配はしなくていいってのは、イイよね」
結局、彼女もご多分に漏れず、罪深いもふらーであるということだ。
まあそもそも灼滅者はバベルの鎖で物理攻撃から守られているので、条虫にたかられることもないのだが。
「エノキ! キツネにエノキついてるのか?」
突然嬉しそうに最後尾の座席からイミフな叫びを上げたのは、リュータ・ラットリー(おひさまわんこ・d22196)。
「コヨーテとかは見たことがあるけど、キタキツネは見たことねーなー。エノキついてるとかうまそーだぞ! でも誰かが危ない目に遭ったら大変だもんな、キノコ狩り頑張るぞ!!」
仲間たちはリュータの聞きまちがいをおおよそ察したが、ここでは敢えてツッコまないでおく。後で嫌でもわかることだし、それに。
「ボチボチ……じゃねえか?」
助手席の後ろからカーナビをのぞき込んで、切羽・村正(唯一つ残った刀・d29963)が言った。
「予知の地点が近づいてるから、ゆっくり行こうぜ」
村正の言葉に運転手は頷き、アクセルをゆるめた。10人乗りの大型ヴァンは、前にも後ろにも車影が見えないのをいいことに、速度を落としてハイビームにし、じりじりと闇の中を進んでいく。
後方では、赤秀・空(虚・d09729)がぶるり、と肩を震わせた。
「寒そうだね……正直、この気温じゃ車から出たくなくなるよ」
街頭もない原野の中の道であるが、それでも時々ほの明るいのは、所々にうっすらと積もった雪が、星灯りを反射しているからだ。北の大地はもう冬である。
寒さにもだが、闇の深さにも灼滅者たちはうっすらと不安な気分になる。まっすぐな一本道でハイビームにしているとはいえ、照らされているのは車の前方だけ。こんなところで、路肩のキタキツネが本当に見つけられるのだろうか……と、じっと夜道に目を凝らし……。
「「「……いたーーーーっ!」」」
●キタキツネとの遭遇
さすが都市伝説、ターゲットは、見つけられるか心配する必要などなかったくらい、激しく目立っていた。毛並みは夜闇に金色に、緑色の瞳はエメラルドのようにきらめいている。路肩に首を傾げてちょこんとおすわりしてる仕草もあざといほど可愛いらしい。これみよがし、というヤツだ。こりゃあ誰だって車を停めずにはいられないだろう。
大型ヴァンはキタキツネのちょっと先にハザードランプをパカパカしながら急停車し、着膨れた、あるいはESP寒冷適応を発動した8人は急いで車から降りる。
優雨が素早く、
「灯りは任せましたよ。停車位置も気をつけて」
と運転手に言い残した。
8人が降り立つと、車は急いで方向転換を始めたが、駐車位置が整うまでは柚葉が持参したLEDライトを頼りに、慎重にキツネに接近していく。紗夜が、
「第1話……その昔、有珠の人々が神の喜ばない歌を歌い続け、眠神が眠れず腹を立てて人々を皆殺しにしようとしたのを、黒狐の神が鎮めたという……」
ブツブツと小声で百物語を唱え始める。後続車にもふもふを邪……じゃなくて、後続車を戦闘に巻き込まないようにの用心だ。
キツネも、彼らの方にあどけない様子でトコトコと近づいてくる……と、その姿が、ピカアッと眩しい光に照らし出された。車のライトがこちらを向いたのだ。冬毛で一層もっふもふーのターゲットを、今度こそはっきり見ることができる。
「うわあ、キツネかわいいなー!」
リュータが笑顔になりながら、なぜか唇の端にこぼれてきた涎を慌てて拭いた。お腹もグーと鳴っている。まだキツネ&エノキから離れられないのかもしれないが、キツネも食べるつもりなのだろうか。
「地元でも狐や狸など見かけますが、狐は北国に似合いますね」
惟元もつい顔をほころばせている。彼自身人狼だからもふもふになれるはずだが、それはそれ。
「あの見た目、触ってみたくなりますね……らずもねめんけぇっちゃ、ちょっこら触らねば損するべ」
空も無言ではあるが、嬉しそうにうんうんうんうんと頷いている。
「私、キタキツネを見るのは初めてですの!」
呼石など、もはや瞳のお星様キラキラがとめられない。
「大きな耳と尻尾、なんて可愛らしいんですの……でも、大きいですけど」
うん、でかい。
と、仲間たちが呼石の言葉に頷いた時には、キツネは彼らのすぐそばまでやってきており、その大きさは、ばんえい競馬の馬ほどにも膨れ上がっていた。
●巨大キタキツネ
――でかっ!
思わずキツネの大きさに圧倒されてしまった灼滅者たちを、キタキツネは躊躇なく、もふぎゅーーーーっと、その大きな腹で押しつぶした。
驚きのため無防備だったので、前衛全員が巻き込まれてしまい、
「もふもふさせてくださいましーーっ……んぎゅ」
自分からダイブしていった呼石など全身腹の下だ。そしてつぶされつつも、
「きゃー! ……はうう、このお腹の毛がたまらなく柔らかいですの、ふかふかで温かいですの」
「うん、も……もふもふ気持ちいいなー」
リュータもかろうじて外にでている脚をじたばたさせながら喜んでいる。
「しかも、都市伝説なのに温かいってなにこれー」
とはいえ、喜んでいるとはいえ放っておくわけにはいかない。
「喜んでる場合じゃないですよ!」
惟元が、手始めに獣化した腕の手加減攻撃で、首回りの一層もふもふした部位に拳を見舞った。手加減攻撃なのは様子を見るため……という建前だが、
「後衛だからこそ、しっかりもふっ……敵の能力を把握しなくては!」
とりあえずもふってみたいからに他ならない。
「腹毛うらやま……じゃなくて」
紗夜も思わず呟きながら、怪談蝋燭を掲げて炎花を飛ばした。
キツネは攻撃を受けて、いやん、というような表情をし、やっと前衛の上から巨体をどかした。が、すかさず、
シュッ。
巨体に似合わぬ素早さで前足が延び、
ぷにっ。
「……うっ」
紗夜が肉球に殴り倒されてしまった。
メディックの柚葉は、
「癒しの言霊をあなたに……みなさん、もうもふもふに囚われてしまったのですか!?」
うっとりした表情でのびている前衛を癒すのに忙しいので、
「痛い……でもぷにぷにだったー」
殴り倒されたのになんか幸せそうな紗夜には、惟元が、
「刻朧、もふっ……じゃなくて、カバー重視でお願いしますね!」
ライドキャリバーに仲間のカバーを命じながら、祭霊光を浴びせかけた。
出だしで早速キツネに化かされてしまったカンジだが、これで前衛もようやく戦闘態勢になれたわけで。
「この事件は、都市伝説が満足するまでもふってやれば、きっと解決します!」
優雨はCocytusを捻り込み、村正は、
「伸びろ!」
腕に巻き付けた包帯を鋼と化し、しゅるしゅると伸ばして突き刺した。呼石は、愛車のプリンチェに援護の射撃を命じると、自らは前衛に交通標識から黄色の光を浴びせかけた。その呼石を、空がラビリンスアーマーでくるみこむ。そしてリュータがダイダロスベルトを勢いよく射出すると、
『コーーーン』
キツネが悲しそうに鳴いた。その痛がっているような、怯えているような響きに、
「あっ……かわいそう」
「痛かったの?」
灼滅者たちは一瞬ほだされてしまう。
その隙を狙って。
ふぁさっ。
「う……わ」
空にふっさふさーの尾が巻き付いてきた。尻尾はふさふさもぞもぞと全身をなで回す。
なんというあざとい攻撃!
「おお、しっぽも気持ちよさそうだなー!」
リュータは目をまん丸にして羨ましがっているが、空はみるみる体力を吸い取られていく。しかも
「こ、これで死ぬなら本望な気が……」
空はその尻尾にすっかり身を委ねてしまっている。更に、
「倒すには惜しい存在だよ、もう攻撃はやめようよ……」
などと血迷ったことを言いだしたりして。
「わわわ、しっかりしてください!」
柚葉が慌てて指輪をかざして力を注ぎ込み、ビハインドの連れが顔を晒して脅しつけるようにしながら、しっぽから主を引きずり出した。
おいおい、と半ばあきれながら、けれど内心うらやましがりながら、灼滅者たちは侮れない敵に次撃を放つ。
優雨は槍から氷弾を撃ち込み、呼石は赤く輝く交通標識で殴りかかる。惟元が鋭い跳び蹴りでバランスを崩させたところに、村正の蛇剣が風を切って襲いかかった。紗夜は奇譚を唱え、リュータはぐっと地面に足をふんばって杭を撃ち込む。
めまぐるしく繰り出される灼滅者の攻撃に、キツネは防戦一方……と見えたが、
「――くる!」
優雨は、敵が巨体を生かし、また強引に腹で圧してきそうだと機敏に感じとった。彼女はスッと己の気配を殺すと、車から降りて戦闘に補助として加わろうとしていた湖太郎の背後に回る。そして、
「黒鳥も女子ですもの、もふもふしたいでしょう? 折角ですから堪能してくださいね?」
「え?」
囁くと、大きな背中を思いっきり蹴っとばし、のしかかってくるキツネの腹の下へと突っ転ばせた。
「え……きゃああ!」
湖太郎は他の前衛のメンバーと共に、野太い悲鳴を上げてキツネの下敷きとなった。
「さあ、今です!」
クラスメイトを盾にした優雨は、唖然としている後衛たちを叱咤激励し、まずは自らFragarachⅡを放った。
「まあ確かに、もふらないともったいないですが……」
惟元が縛霊手でもふぐいと押しやり、紗夜の鋼の糸が毛皮を切り裂くと、キツネは仲間たちの上からやっと退いた。柚葉がまた大急ぎで癒しの言霊を唱える……と。
シュッ。
その柚葉にキツネの前足が延びてきた!
「……刻朧!」
惟元が咄嗟に愛機を呼んで盾にしようとしたが間に合わず、
「ああっ」
回復に集中していた柚葉はぷにっと殴り倒されてしまう。
メディックまでにダメージが及んでしまった現状を見て、腹毛の下から救われた前衛たちは、こりゃ余裕ぶっこいてもふもふを堪能している場合ではない! と気合いを入れ直し、
「化かされてる場合じゃないぜ!」
村正が勢い良く飛び出すと鬼の拳で殴りつけ、空は指輪から行動を阻害する弾丸を撃ち込む。
「お、俺も、もうもふもふに気を取られずに、頑張るぞー!」
リュータが赤い標識で思いっきり殴りつけると、
「……あれっ?」
キツネはその姿をホログラムのように揺らがせた。攻撃により、キツネを形作っているエナジーが、減少してきているのだろう。もふっている最中は物理的に存在するとしか感じられないキツネだが、所詮都市伝説、残念ながらエナジー体なのである。
「弱ってきているようですわね……もふもふチャンスですわっ!」
呼石は炎をまとった蹴りをぶちこもうと滑り込む……しかし。
ぷにっ。
「きゃあっ……!」
目にも留まらぬ早さで肉球パンチが繰り出された。殴られ、よろめいた呼石は、プリンチェに寄りかかるとガシっと抱きしめ、うっとりとなで回しはじめた。
「……うふふ、もふもふですの……あら、ちょっと堅いですの?」
目が据わっている。
「残念ながらキャリバーに毛は生えていませんっ……!」
呼石の夢の時間は、柚葉の容赦ない回復によって中断された。
とはいえキツネの方も、かなりダメージが蓄積している様子。遭遇した頃に比べると、色つやも存在感もサイズも、そして愛らしさまでもが明かにダウンしている。あざとく愛嬌を振りまいて人間を翻弄する余裕も無くなってきているようだ。
「残念ですが、そろそろケリをつけるべき時が来たようです」
優雨が真顔で拳を握った。
「行きますよ!」
気合い充分で飛びかかったが、この期に及んで手加減攻撃で尻尾につかみかかる。キツネの最期が近いと見て、ラストもふもふに出たのだろう。
仲間たちも心残りのないようにと、次々とキツネに飛びかかってもふる。
フォローをサーヴァントたちと湖太郎に任せ、ここまで回復に徹してきた柚葉も、
「大いなる魔力よ、今ここに集え!」
影を放って絡め取り、紗夜も赤いオーラを乗せた糸を絡ませついでに、むぎゅっと首の毛に顔を埋め……と同時に2方向から鋼の帯が延びてきて、キツネの背に容赦なく突き刺さった。
「美幸、霊撃!」
サーヴァントに援護させながら放った空と、
「結局エノキは生えてないのな? 残念だぞー」
まだ首を傾げているリュータのレイザースラストだ。
気合いの乗ったもふ……じゃなくて攻撃にさらされ、キツネの姿はいっそう薄らいでいる。今にも夜闇に溶け込んでしまいそうだ。
「よし、キメるぞ!」
村正が気合いのこもった声を上げると、足を突きだし影を放った。夜空よりも黒い影は、ずっぽりと金色の巨体を喰らい込み、そこに惟元がもふもふの感触をじっくり確かめるかのように、縛霊手で殴り、押さえ込み……。
力強い獣の前脚に装着された腕型の祭壇の下、巨大なキタキツネはまるで祓われるかのように薄れていく。
北の大地に還っていこうとしているキツネのエナジーに、呼石が急いで手をさしのべる。
「キツネさん! ステキなもふもふ具合でしたの。でもこれでお別れは淋しいですから、私のお友達になって下さいまし」
自らの七不思議として吸収しようとしているのだ。
それを見て空が、
「……ありがとう」
口の中でボソリと礼を言った。このまま消えてしまうより、吸収してもらった方が、何となく救いがあるような気がして。
――キタキツネがいなくなれば、原野を渡るのはただ冬風ばかり。
急に寒さを実感した灼滅者たちは、ぶるりと肩を震わせ、また首を亀のようにすくめて、足早に車へと戻っていく。
ただ掌に、もふもふの記憶を握りしめて……。
作者:小鳥遊ちどり |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2016年11月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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