●とある神社にて
「ハァ、ハァ……ハァ……なんでアイツが僕を」
蜂・敬厳(エンジェルフレア・d03965)は、わけもわからず追われ、駆け続けていた。
「あっ、ここならヤツは上れないはず!」
咄嗟に神社の石段を全速力で駆け上るが、追う者は急な階段をものともせず、
ガガッ、ギュルゴゴゴゴゴゴ……。
「うあああ、どうしてロードローラーが階段登れるんですかあ!?」
そう、敬厳を追っているのは、ハンドレッドナンバー・ロードローラー(緑)!
石段を上りきった社殿の前の広場で、敬厳は息を切らして振り返り、ロードローラーに指を突きつける。
「どうして僕を追うんですかあっ!?」
問われたロードローラーはギュルンと階段を上りきると、車体に不気味に乗っかっている首を妙に可愛らしく傾げ。
「えー、だって君、暗殺武闘大会の決勝で、復活ハンドレッドナンバーを倒したでしょ?」
「え? ま、確かに庭師にトドメを刺したカンジではありますけど……でもでもあれはみんなの力を合わせたからこそで、しかもダークネスと共闘でしたし」
敬厳の言葉を皆まで聞かず、ロードローラーは、
「トドメを刺した者はね、暗殺武闘大会の効果が切れるまでに闇堕ちすれば、立派なハンドレッドナンバーになれるんだよー。ってか、早くしないと効果が切れちゃうからね、ミスター宍戸にね、君を『闇堕ちさせるか、戦闘不能にしてお持ち帰りするかしてちょうだい』って頼まれたの。どっちがいい?」
「どっちもイヤですよ!」
「でも引き受けちゃったからねえ~。あ、ちなみに僕は分裂体だけど、結構強いから諦めてね。整地能力も大幅アップさっ」
ロードローラーは楽しそうにブルンブルンとエンジンをふかして、にょっきりと車体の横腹からハンマーを生やした。
「いっくよ~!」
「来るなあ!」
後退りながら、敬厳はスレイヤーカードを解除した。
ドドッ、ゴゴゴゴゴ……。
重たいローラー音もすぐまた追いかけてくる。
本体がハンドレッドナンバーとなってしまったロードローラーに、自らの力だけで勝つことは不可能であろう。しかしおそらく、この状況で闇堕ちしたら敬厳もハンドレッドナンバーとなって、二度と灼滅者に戻れないだろう……。
「……そんなの絶対嫌だ!」
何とかこの局面を切り抜けなければ……!
●武蔵坂学園
緊急招集に応じた灼滅者たちに、春祭・典(大学生エクスブレイン・dn0058)は、いつにない早口で語り始めた。
「暗殺武闘大会の決戦でハンドレッドナンバーに止めを与えた灼滅者が、ハンドレッドナンバー・ロードローラーに襲撃される事件が同時に多数発生しました」
大変緊急を要する事態ではあるが、この事態を予期していた、黒岩・りんご(凛と咲く姫神・d13538)達が警戒にあたっていた事もあり、なんとか救援を間に合わせる事ができそうだという。
「皆さんに担当していただくのは、蜂・敬厳さんへの襲撃です。彼が襲撃されている現場に今すぐ向かってください」
敬厳が闇堕ちしてしまうか、或いは、連れ去られてしまえば、新たなハンドレッドナンバーが生まれることとなる。これ以上、新たなハンドレッドナンバーを生まれさせない為にも、必ず救援を成功させなければならない。
「敬厳さんを襲っている緑のロードローラーは分裂体のうちの1体で、ハンドレッドナンバー本体程ではありませんが、充分に強敵です。本体がハンドレッドナンバーとなったことで、以前のロードローラーに比べ戦闘力が大幅に上昇しているので、注意が必要です」
ロードローラー(緑)は、殺人鬼とロケットハンマーに準じたサイキックを持っているようだ。敬厳には、殺さずに拉致するための『手加減攻撃』も使ってくるだろう。
「ハンドレッドナンバー・ロードローラー……もう、本体の彼を救出する事はできないでしょう。われわれが彼の為にできるのは、これ以上悪事を重ねるのを阻止する事のみ」
典は沈痛な表情で。
「ロードローラー本体の始末は後回しです。今は敬厳さんを救出することに集中してください。よろしくお願いします!」
参加者 | |
---|---|
水瀬・瑞樹(マリクの娘・d02532) |
蜂・敬厳(エンジェルフレア・d03965) |
佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044) |
木元・明莉(楽天日和・d14267) |
秋山・清美(お茶汲み委員長・d15451) |
葦原・統弥(黒曜の刃・d21438) |
ルフィア・エリアル(廻り廻る・d23671) |
ニアラ・ラヴクラフト(ナイアルラトホテップ・d35780) |
●
「ここだ!」
緊急召集された7人の灼滅者たちは、件の神社へと――大切な仲間が重機に襲われている現場へと至る、急角度な石段を全力で駆け上っていく。
古びてはいても頑丈そうな石段は、ロードローラーが無理矢理上った痕跡であろう、ところどころ削れたり欠けたりと荒らされてしまっていた。
「敬厳さんの救出、もちろんそれが目的だけど」
水瀬・瑞樹(マリクの娘・d02532)が急階段に息も切らさず、思わずというようにわずかに笑みを漏らし。
「正直言ってワクワクもしてる。重機と闘ってみたかったし」
ニアラ・ラヴクラフト(ナイアルラトホテップ・d35780)も、
「暗殺武闘も派手な展開に到り、我が精神を昂揚させる。愉快痛快厄介奇怪な重機の襲撃とは。良好上等。我が肉体が高順位候補者を守護すると誓う。強烈な人格には強力な一撃を。圧倒的な整地力には凄惨的な道を」
難解な口調に、微妙に高揚した様子を覗かせる。
本体がハンドレッドナンバーになったことでパワーアップしたという分裂体ロードローラー、その実力はいかほどのものか――7人が、はちきれそうな不安と恐怖と、そして興奮を充満させ、いよいよ石段を上りきると。
「ちょっと勘弁してくれませんかねえええ!?」
少年の悲壮な悲鳴が聞こえた。
「いたぞ!」
蜂・敬厳(エンジェルフレア・d03965)が、御神木とみえる注連縄のかかった大木の下に、追いつめられていた。
対峙しているのはもちろん、緑のロードローラー!
『大人しく闇堕ちすれば、痛い目にあわずに済むのにねぇ』
ロードローラーは、ブロロン、とエンジンを轟かせ、後ろにわずかに下がった。助走をつけて敬厳を一気にひき潰そうとでもいうように。
「――させるか!」
7人は一斉にスレイヤーカードを解除し、まずはロードローラーを、追いつめられた仲間から引き離すべく、地を蹴る。
「できる限り回復に努めます。皆さん、ご武運を!」
メディックの葦原・統弥(黒曜の刃・d21438)の笑顔がその背中を力強く押した。
●
「蜂は渡さないぜ!」
手始めにロードローラーを引きつけようと、木元・明莉(楽天日和・d14267)がシールドでテールランプあたりをを思いっきりひっぱたいた。
『痛っ、なにするのいきなり……え、なんでこんなに大勢、しかも素早く来ちゃうわけ?』
ロードローラーの首だけが絡繰人形のように、ぐりん、と後ろを向く。
『あ、もしかして僕らの動きを警戒とかしてた?』
明莉が引きつけた隙に秋山・清美(お茶汲み委員長・d15451)とナノナノのサムが、敵と敬厳の間のわずかな隙間に割り込んだ。
「ロードローラーのネタは、もう飽きました。そもそも古いネタですしね」
敬厳のカバーをサムに任せると、清美は挑発台詞を吐きながら縛霊手で重機の前進をぐいと押しとどめた。すかさずルフィア・エリアル(廻り廻る・d23671)が十字架から氷弾を撃ち込み、瑞樹は清美に並ぶと、敵を押し戻そうかという勢いで選定の翼の穂先を捻り込む。
そして仲間が作ってくれた間合いに統弥が駆け込んで、仲間たちの出現に驚いている敬厳にいそぎ集気法を施す。
佐津・仁貴(厨二病殺刃鬼・d06044)も、
「どうせ分裂体で、本体も戻ってこれる望みも薄いから言わせてもらおうか……アンタの強さは認める…」
本体がクラブの部長であったロードローラーの気を引こうと、
「……が正直、アンタのふざけた性格にはついてはいけなかったんでな……本体を殺す為の予行演習でもさせてもらおうか……」
挑発しながら側面からレイザースラストを放つと、
「轢殺圧殺拒絶確定。我が齎すは冒殺」
ニアラも同技で続いた。
ザクザクと2人分鋼の帯が車体を削るのにおかまいなく、ロードローラーはぷっと頬を膨らませて。
『もー、灼滅者ってホント油断できないよねっ!』
ぶんぶんハンマーを振り回し、
「!!」
怒りを付与した明莉を数メートルもぶっとばした。
だが、すぐさま、
「サム、明莉さんをヒール!」
清美がナノナノに回復を命じ、燃えるエアシューズで滑り込むと、ルフィアも、
「これ以上厄介な階位を増やすわけにはいかないのでな。残念ながら庭師の階位はここで欠番だ。閉店ガラガラというやつだな」
十字架をローラー部分にガリリと突っ込み動きを妨げようとする。
ぶっとばされた明莉は、サムの回復を受けながら自らも自己回復を行いつつ、更に敵を引きつけようとロードローラーをにらみつけ、
「……闇堕ちして、ハンドレッドナンバーになり、それで、何を手に入れた? 何を失った? 何を失おうとしている?」
問われて緑の重機はククク、とおもしろそうに嗤い、
『さあね、僕は分裂体だから難しいことはわかんないよ。でも本体が六六六人衆への興味を、すごーく強く持ってたのは、君らも知ってたでしょ?』
「ああ、知ってたさ……でも、それとこれとは話が別だろうが!」
仁貴が影を放ってロードローラーをがっぷりと喰らいこみ、同時に瑞樹が、円錐・角錐のついた2本の戒めの鎖をぎりりと絡みつかせる。更に、一瞬動きが止まった隙を逃さず、ニアラが高速回転する杭を撃ち込んだ。
会心の一撃とはいかずとも、それなりに灼滅者たちの攻撃は当たっているようだが、ロードローラーはまだ余裕のニヤニヤ笑いを崩すことはない。
だが、救援隊の身体を張った初撃のおかげで、敬厳は、統弥とニアラのビハインド・隣人に護衛されて、強烈な近距離攻撃が届かない位置まで退がることができていた。
「来てくれて助かった。誠にかたじけない」
統弥の回復と、自ら行ったシールドリングの効果でやっと人心地ついたのか、敬厳の口調が旧家の当主らしいものに落ち着きつつある。
だが統弥は心配そうに。
「どうです、戦えそうですか?」
「ああ、おかげであの強引な重機に、一矢報いることができそうじゃ。ヤツの狙いはあくまでわしらしいからの、おとりの働きくらいはできるじゃろ」
「無理はしないでくださいね?」
敬厳は素直に頷いて、
「足手まといになりそうだったら、申し訳ないが先に退かせてもらおう」
「そうしてください……そうだ、これを持っていてください」
統弥は、皆で道々用意した学園への最短ルートが記された撤退地図を手渡した。
「僕の携帯番号も書いてありますので、学園に到着したら連絡を」
「細やかな気遣い、おそれいる」
敬厳は大事そうに地図を懐にしまい。
「……使わずに済めばいいのじゃがな」
「……ええ。とにかく、僕は全力で回復しますから」
「頼もしいことじゃ――では、わしも出陣じゃ!」
●
戦線に加わった敬厳が、後方から影を延ばして、ハンマーを持ったアームに絡めると。
『あ、そうか、別に全員倒さなくっていいんだよねえ』
ロードローラーは我に返ったように影を振り払い、敬厳を目敏く見つけ、
『後ろに逃げ込んでも、無駄だよ!』
ゴゥン!
神社の境内も、神木も揺らぐ勢いでハンマーを地面に叩きつけた。
「うわあっ!」
後衛が激しく地面に叩きつけられた。だが、敬厳は地面に倒れ伏しながらも、ここまでの戦いで得た体感から、単体攻撃に比べれば、列攻撃はまだしのげるようであることを、仲間たちに必死に伝えた。
「それは不幸中の幸いだな」
「ならば、そのつもりで攻めるまでだ!」
明莉とルフィアが傍らの大木を駆け上がって左右からの跳び蹴りを見舞い、
「了解です、次は必ずお守りします!」
清美もディフェンダーとして気合いを入れ直しながら、縛霊手で押し返す。
その間に自らも傷つきつつも統弥が起き上がり、後衛に交通標識から黄色の光を浴びせた。
弧を描くような動きをしていた仁貴が、するりと大きな車体の死角に潜り込んで、機動部に刃を立て、隣人のカバーのおかげで無傷だったニアラが漆黒の二枚貝の影を放ち、ローラーに噛ませた。
ガギギ、と影がローラーの動きを鈍らせたところに、瑞樹が槍から氷弾を撃ち込みつつ、
「しかしなんでミスター宍戸は、ハンドレッドナンバーまで使えるんだろうね? 対応が丁寧だから? それとも実は格上の存在だったりするわけ?」
ふと疑問を漏らすと。
『そんなの、本体じゃない僕に聞かれたって知らないよう』
ロードローラーは不愉快そうに身体を揺すってパラパラと氷片をボディから落とし、またその何を考えているのか判らない不気味な視線を敬厳の方に向けた。
●
――数分の後。
「また後衛に……来ます!」
清美が叫び、サーヴァントたちと共に、後衛のカバーに入った。
ロードローラーの全身から放出されたどす黒い殺気が広がる……が。
「何度もすまぬ!」
その黒い霧の中から、敬厳のオーラキヤノンが放たれた。
ガシャン、とヘッドライトが割れ、こちらも守られた統弥が、ディフェンダーたちに黄光を授け、素早く回復する。
その間にも、明莉が少しでも敬厳から狙いを外そうとシールドで殴りかかり、ルフィアが十字架からの砲弾で氷を畳みかける。瑞樹はアームの下をくぐり抜けると、ボディにオーラを宿した拳で連打で緑のボディをボコボコに凹ませ、仁貴は光と化した剣を、深々と溶接の隙間に突き立てた。
ロードローラーは、時折、挑発や怒りにかられ、他の者に攻撃を仕掛けてしまうこともあれど、執拗に敬厳を狙ってきた。だが、後衛まで届く攻撃は、列攻撃しか持っていないので、敬厳は今のところ何とかしのげている。
ただ、救援隊が来るまでの、彼ひとりでロードローラーと対峙していた間のダメージは大きなものであったし、度重なる後衛への列攻撃をひたすら防いできたディフェンダーの、そして巻き添えの後衛の消耗も、かなりのものになってきている。
特に、これまで幾度も主と、そして敬厳のカバーに入ってきたビハインド・隣人はかなりのダメージを受けており、その姿が薄れ、揺らめいてしまっており……と。
ぎゅるり、とロードローラーが急転回した。そして、かなりガタが来ているハンマーを持ったアームを振り上げた。
「うわっ、また来るよ! 後衛、注意して!」
急転回に振り飛ばされながら瑞樹が叫んだが、攻撃に出ようとしていた清美主従は庇うに間に合わず。
「――蜂を」
ニアラの命に従い、敬厳のカバーに入った隣人は。
「!!」
ハンマーの引き起こした激震に揺らぎ、消えてしまった。
「も、申し訳ない!」
敬厳の謝罪に、自らも地面に叩きつけられてしまったニアラは静かに首を振り。
「貴様こそ、無理を成すな」
「大丈夫じゃ、おかげでもう一撃くらいは辛抱できる」
「くっ……でも、敵ももうボロボロですよ!」
メディックとしての悔しさをにじませながら、統弥は歯を食いしばって起きあがり、交通標識を翳す。
その間にも前中衛は、たゆまず重機への攻撃を続けている。
ガキィン!
明莉の妖蒼桜刀が、火花が散るほどの勢いでアームに打ち付けられ、
「サムは回復の手伝いを!」
清美はナノナノに回復補助を命じつつ、赤く光る交通標識で、敵の行動を封じようとする。ルフィアはチェンソー剣でボディの傷を切り広げ、瑞樹は力強い踏み込みで槍を捻り込んだ。仁貴の影が黒々と車体を包み込むと、回復成ったニアラがそれに紛れてするりと敵に接近し、赤黒い蟹じみた鋏の刃で、
ジャキリ!
大きく装甲の一部を切り取った。
……ぷすん……パラパラ……。
『……ん?』
その切り取られてできた穴から、幾つかの部品がこぼれ落ち、黒い煙が吹き出した。
そして、明らかにロードローラーの動きが鈍った。
『うわあ、ずいぶん壊れちゃったじゃないか!』
分裂体殺人鬼はいらいらと、ポニーテイルをムチのようにピシリと車体に打ち付け、
『全くもう、君が大人しく捕まってくれてれば問題なかったのにさ!』
敬厳を睨みつけて、もう数度目にもなるどす黒い殺気を、今やスクラップ車のような車体から放った。
「け、敬厳さん、私の後ろに……っ」
清美が黒い霧の中、残り少ない体力を振り絞って敬厳のカバーに入ろうとするが、
「もうわしに構うな、ここは全力で攻撃じゃ!」
敬厳は霧にまかれつつも果敢に突っ込み、白花の右で、
「とうっ!」
とうとうアームを切り落とした。
「りょ……了解ですっ!」
バランスを崩した敵がガクリと傾いた隙を逃さず、清美は車体にのしかかるように縛霊手で押さえ込み、更に、
「サム、回復は頼みます!」
勝負どころとみて統弥も縛霊手で、清美の補助に入る。
「救える人を救う。僕達にできることは、所詮そこまでです。助けたいのはやまやまですがそれが無理である以上、ここで滅んで下さい」
「うむ、ここで分裂体たる貴様を滅ぼしてもあまり意味は無いかもしれんが……まあ決意表明みたいなものだ。第六三位・ロードローラーは……いずれ灼滅する」
ルフィアはローラーにつっかえ棒のようにがっちりと十字架を差し込んで、前進も後退もできないようにし、ダメ押しのように瑞樹とニアラの影がぎりぎりと締め上げる。
動きを止めたロードローラーの前で、クラッシャー2人は視線を絡め。
「よし、これで決めるぞ! 蜂は絶対にみんなの帰る場所……学園につれて帰る。そのために来たんだ!」
「ああ……本体は部長だが、容赦するつもりは微塵もない……むしろハンドレッドナンバーになった慢心で弱くなったんじゃないか……それでも猟奇倶楽部の元部長か!」
明莉の跳び蹴りが、崩壊しかけだったローラーをバラバラに粉砕し、仁貴の刃が駆動部へと深々と突き刺さる!
ガガ……ガゴッ、ブスッ……ボムッ。
「わっ!」
車体内部から勢いよく煙と熱く焼けた部品が噴き出してきて、灼滅者たちは思わずロードローラーから跳び退さる……だが、もうロードローラーは動かない。
ただ、油塗れの顔は、最期まで不気味なニヤニヤ笑いを浮かべていて……。
『……ま、ここで僕が壊れちゃっても、本体さえ無事なら、ロードローラーは永久に不滅だからね♪』
ボウン!
――こうして、緑のロードローラーは、油臭い煙と、不吉な捨て台詞を残して消滅したのだった。
作者:小鳥遊ちどり |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2017年3月14日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 7
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