●オフィス街の工事現場で
その老人が逃げ込んだのは、都心のオフィス街の工事現場であった。
定時になれば警備員が巡回に来るのかも知れないが、今は全く人気がない。助けを求めることは叶わないであろう。
彼は追われていた。そして追う者たちはすぐに追いついてきて、彼を現場の奥の行き止まりへと追い込んだ。
「ふうん、おじいちゃん、トシの割には足速いじゃーん」
追う者のリーダー格らしき少女が、両腕に生やした蒼い刃を、節電のためか最小限に絞られている照明に凶悪に光らせながら言った。
彼女の背後には、蒼い怪物が3体、殺気の籠もった唸り声を上げている。
「鍛えてんだねえ。それともやっぱうずめ様が吹いてた通りに灼滅者だからなの?」
スレイヤー?
「こんな年寄りが灼滅者だなんてウッソーってカンジだけど、まぁ試してみる価値はあるかもね、闇堕ちしてくれたらラッキーだもん♪」
ヤミオチ?
老人にはギャル風の少女の言うことがさっぱりわからない。
だが、少女らが自分を襲い、いたぶろうとしていることは、わかる。
「さーて、やろうか。おじいちゃん、めんどくさいからあんまり手間かけさせないで堕ちてねー」
せせら笑いながら少女たちが老人に近づいてくる。
老人は巨大なコンクリートの壁を背に、歯ぎしりをする。
「せっかく健康に老後を迎えようとしているのに、こんなわけのわからない小娘や化け物共に、こんな場所で殺されるなんてまっぴらごめんだ……ここは俺の秘技を使って驚かせ、何とか逃げおおせてやるぞ!」
ピカアアアァァッ。
突然、薄暗かった工事現場が目映い光に照らされた。
その光は、老人の天然スキンヘッドから発されたものであった。
●武蔵坂学園
行方がわからなくなっていた、刺青羅刹の『うずめ様』の動きが判明した。
うずめ様は、九形・皆無や、レイ・アステネスが危惧していたように、爵位級ヴァンパイアの勢力に加わっていた。
そして、うずめ様の予知を元に、デモノイドロードが灼滅者を襲う事件が頻発している。
襲われる灼滅者は、武蔵坂の灼滅者でも、闇堕ちした一般人でも、ヴァンパイアの闇堕ちによって灼滅者になった血族でも無く、突然灼滅者になった一般人である。
このデモノイドの動きについては、咬山・千尋や、七瀬・麗治の警戒も、発見の一助となった。
突然灼滅者になった一般人は、戦闘力はほとんど無く、デモノイド達に追い立てられ命の危機に追い込まれている。
デモノイドの目的は、この灼滅者を闇堕ちさせる事だと思われるが、はっきりとは分かっていない。
「理由はともかく」
と、春祭・典(大学生エクスブレイン・dn0058)は集った灼滅者たちを見回して。
「灼滅者がデモノイドに追い詰められている状況を見逃す事はできないので、急ぎ救出に向かって欲しいのです」
このチームが救出に向かうのは、アオバと呼ばれるデモノイドロード一味に襲われる、戸村勝三というおじいさんである。
「戸村さんは70歳ですが、様々なスポーツが趣味で、身体壮健・意気軒昂な、お年寄りと呼ぶに申し訳ないような元気で活動的な方で」
まあ戸村氏のような元気なお年寄りは、昨今ちっとも珍しくはないが。
この夜も彼はジム帰りに、デモノイド一味に襲われたようだ。
「ですが、残念ながら戦力としては全くあてになりません」
能力としては、かろうじてESPで頭を照明にできるだけ。
「ともあれ、デモノイドの目的は戸村さんの殺害では無いので、皆さんが介入すれば、こちらとの戦闘を優先すると思われます。戦闘中守りきれれば、救出する事ができるでしょう」
戸村氏は、救出したら事情を話して保護し、学園に連れてくるのがよいだろう。そのままにしておくと、また襲われるかもしれないので。
「それにしても……」
調子よくしゃべりまくっていた典が、考え込む表情になり。
「彼らが突然灼滅者になった理由や経緯が謎ですよね。いったい、何が原因なのでしょうか……?」
参加者 | |
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高野・妃那(兎の小夜曲・d09435) |
白金・ジュン(魔法少女少年・d11361) |
壱越・双調(倭建命・d14063) |
遠藤・穣(反抗期デモノイドヒューマン・d17888) |
七瀬・麗治(悪魔騎士・d19825) |
葦原・統弥(黒曜の刃・d21438) |
武藤・雪緒(道化の舞・d24557) |
迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801) |
●ゲンバ突入
灼滅者たちは予知された時間通りに、件の工事現場へと駆け込んだ。
ゲンバの奥では噂の戸村勝三氏が、デモノイドロード・アオバ率いる一味に追いつめられているはずだ。
「とにかく明るいおじいさんゆうから、てっきりハイテンションな人かと思てたら違うんかい……」
迦具土・炎次郎(神の炎と歩む者・d24801)が走りながらツッコむと、ふふん、と武藤・雪緒(道化の舞・d24557)が笑い、
「テンションも高そうなお人じゃない? 元気なお爺ちゃんには是非平和に大往生してほしいよね。助けにいくぞー!」
「うずめ様の予知能力は、失われたのではないかと思ってましたが。それに引っかかるとは気の毒な人です」
軽く息を切らしつつも、いつものポーカーフェイスを保っているのは高野・妃那(兎の小夜曲・d09435)。
「うずめ様……懐かしい名です。ともあれ、戸村さんを助けてデモノイド達を灼滅しましょう……あっ!?」
8名の戸村救出隊の前方で、突然白い光がはじけた。工事現場の薄暗がりに慣れてきていた目には目映いほどだが、灼滅者たちの目には、1人の老人と、それをとり囲もうとしている蒼い異形共が見えた。
そしてこの光を発しているのが、老人のナチュラルスキンヘッドであることも。
「――行くぞ!」
8名は一斉にスパートし、老人とデモノイドたちの間へと勢いよく割り込んだ。
「大丈夫ですか!」
「じいさん、俺たちは味方だ!」
「私たちはこいつらを狩るものです」
「今助けますから、少しの間下がっていてください!」
白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)、遠藤・穣(反抗期デモノイドヒューマン・d17888)、妃那が、老人に口々に声をかけ、そして、
「マジピュア・ウェイクアップ! 希望の戦士ピュア・ホワイト みんなの明日を守ります!」
「ディープブルー・インヴェイジョン!」
ジュンと七瀬・麗治(悪魔騎士・d19825)は自分たちも異能の持ち主であることを戸村氏に示すように、スレイヤーカードを掲げて変化し、ポーズを取る。
続けて壱越・双調(倭建命・d14063)はサウンドシャッターを、麗治は殺界形成を発動して戦場を閉じた。
敢えて派手な登場と変身を見せつけたのは、戸村氏へのアピールであると共に、一瞬でもデモノイドの虚を突ければという意図もあり――。
「きたわね、武蔵坂の灼滅者! まったくこんな細かい仕事まで、イチイチ邪魔しにくるとか、ムカツク!」
蒼い異形3体の後ろにいる、両腕に青光する刃を生やす派手なギャル風……デモノイドロード・アオバの注意が、戸村氏から逸れた、その瞬間に。
ガッ。
思い切り地面を蹴ったのは葦原・統弥(黒曜の刃・d21438)。最前列にいるデモノイドに飛びかかり、雷を宿した拳でアッパーカットを見舞った。
「貴方達の思い通りにはさせない!」
その勢いのまま愛刀・フレイムクラウンを振り下ろしたが、それはデモノイドがのけぞるように避け、髪の毛一筋ほどの差でかわされた。
だが、避けた分デモノイドを一足退がらせることができたし、敵の注意力は完全に灼滅者たちの方を向いている。
さらにそのタイミングを逃さず、
「火を生み給ひて 御保止を所焼坐しき 如是時に吾が名の命の吾を見給ふなと申す」
炎次郎が結界を張った。
彼は縛霊手を掲げ、愛犬ミナカタを回復役として後方に送り出しながら、背後の戸村氏へ、
「俺達が貴方を絶対助けますから安全な場所に身を隠してください!」
「そうそう、とりあえず逃げましょ」
唐突に現れた救援に、当然ながら呆然としている戸村氏の肩を抱いたのは雪緒。素早く目をつけた、横手の方にあるプレハブ小屋にいざなう。
大変個性的な人造灼滅者姿でいることが多い彼だが、今夜ばかりは戸村氏を驚かせないよう人間型、しかもクール和装美青年の姿である。
「初めまして戸村さん。私は武藤雪緒と申します」
雪緒は戸村氏を急がせながらも丁寧に、けれど明るく語りかける。
「きっ……君らは一体? もしかして俺と同じような能力を持っているのか? それにあの蒼い化け物共は……?」
少々正気を取り戻したのか、戸村氏は声をうわずらせながらも次々と疑問を投げかけてきた。
当然の疑問だが、今は、
「緊急事態なので詳しい話は後で。まずは身を隠しましょう」
プレハブ小屋は単なる休憩室なのか、幸い鍵はかかっていなかった。簡素な造りであるが、敵の目から戸村氏を隠せるだけでも大分マシであろう。
「ワケが解らなくて不安でしょうが、奴等の仲間がいるかもしれません。私達が安全を確保して迎えに来るまでここで待っていて下さい」
「わ……わかった。しかし、君っ」
「おっとっと」
仲間の待つ戦場へと赴こうとした雪緒の袂を、戸村氏がつかんで引き留めた。
「あいつらを追っ払ったら、ちゃんと説明してくれるな?」
雪緒を見上げる老人の目には、不安と不信と恐怖などの……それは敵に対するものだけではなく、灼滅者たちと、そして自分自身へも向けられた感情が表れていた。
しかしその一方、今この場ではこの青年たちを信じるしかない、という、年輩者故の覚悟や直感も存在するようで。
「もちろんです」
雪緒は真摯に頷いた。
「私たちを信じて、待っていてください」
●デモノイド
雪緒が戸村氏を隠れさせ、宥めいる頃には、残った仲間たちはデモノイド一味との戦闘に突入していた。
「まずは、盾役からです」
双調は積極的に攻撃を受けにくる、ひときわ大柄なデモノイドをファースト・ターゲットと決め、鬼の拳を握って殴りかかった。
蒼い筋肉に拳がめり込む感触を感じながら、
「(戸村さんは一般人の日常から、突然灼滅者になったとのこと……)」
自らもそうして灼滅者となったことを思い起こし、我が事のように胸を痛めている。
「(ご老体でもあることですし、何としても助けて差し上げねば!)」
ディフェンダー・デモノイドが強烈なパンチによろけたところに、
「とおっ!」
ジュンが竜巻のような回し蹴りを、3体まとめて見舞う。
「思えば……」
妃那が兎と蛇の影を足下にぐっと引き寄せながら、デモノイドと、その壁に見え隠れするアオバを睨みつけ。
「刺青羅刹『依』も、海将ルナ・リードも、うずめ様に関わった所為で死んだとも言えます。私怨の逆恨みですが、うずめ様の邪魔は是非してやりたいところですね!」
影は盾役へと鋭い刃となって襲いかかる。
ガアッ!
前衛のデモノイドは獣のように吠えたが、そこに麗治が蛇剣を振り回して前進を遮る。
しかし。
ゴオッ!
「うあっ!?」
後方でアオバが冷たい笑みを浮かべ、蒼い右腕を上げている。そこからは毒を含んだ竜巻が発せられ、灼滅者の後衛へと襲いかかった。
しかもその勢いを借りて、デモノイド3体が前衛に襲いかかってきた。炎次郎、双調、統弥がそれぞれ異形の刃に切りつけられてしまう。異形の集団とはいえ、それなりに統率はとれているようだ。
一瞬の猛攻に、一気にダメージを受けてしまった灼滅者たちが僅かに怯んでしまった、その時。
「お待たせえ~」
人造灼滅者姿になり、骸骨の目を光らせた雪緒が戦列に加わった。
「おじいちゃんの避難完了だよー」
へらへらと、しかし冷静に告げられた朗報に、
「おう、そりゃよかったぜ」
無傷で済んだ中衛の穣が、即座に気を取り直し、
「これで心おきなくやれるな。デモノイド共を、とっとと楽にしてやろうぜ!」
剣を抜きながら振り向いて、後衛へと聖なる風を吹かせた。
「ええ、そうですね!」
聖なる風に励まされ、メディックの妃那はギターをかきならして癒しのメロディを送る。
そのメロディは、前衛を癒し、その背を押す。
「ありがとうございます!」
メロディを背に、攻撃陣はまた果敢に仕掛けていく。
焦ることはない。戸村氏は目覚めたてとはいえ灼滅者なのだから、一般人よりよほど護りやすいはず。
強敵だが、アオバは後回しだ。
ここからは全員で戦えるのだから――まずは目の前に立ちはだかる、蒼い壁を打ち崩す!
●ロード・アオバ
「喰らえ!」
炎次郎の延ばした影が最後の蒼い獣を黒々と喰らい、麗治が畏れを宿した刃で押し込んでゆく。
戦いが始まって10分も経過する頃には、残るデモノイドは、クラッシャー1体となっていた。
もちろん灼滅者たちも、それなりにダメージを受けてはいるが、こまめな回復により、まだまだ戦える状態である。
今も、デモノイドに回し蹴りを喰らわそうとした穣を、アオバが発射した酸性弾が遮ったが、その傷を妃那が間髪入れず癒している。
その間に雪緒がずるずるとデモノイドに近づき、触手をオーラで輝かせて連打を見舞い、統弥が思い切って懐に飛び込んでいくと。
グアオッ!
苦し紛れのように蒼い腕が突き出され――。
「うっ」
統弥は足を止めかけたが、
「――私が!」
じっとタイミングを窺っていた双調が割り込み、体を張って腕を止めた。
「ありがとうございます!」
統弥はそのまま踏み込み、蒼い巨体に掴みかかり、
「とおおおおっ!」
脳天から地べたへと叩き落とした。
ぐしゃり。
手ひどく叩きつけられたデモノイドは蒼い肉塊となり、溶けるようにして消えていく。
「……ちっ」
舌打ちしたのは、配下を全てやられ、いよいよ丸裸となったアオバ。
彼女の攻撃は確かに強力だし、後衛にいたため、ここまで僅かしかダメージを与えられてはいない。
けれど――やれない敵ではない!
「逃がしませんよ!」
ジュンが槍から氷弾を撃ち込み、炎次郎は背後からセーラー服を切り裂く。
その瞬間、
ゴオッ!
「うおっ」
またアオバの刃から毒竜巻が発せられ、前衛へと襲いかかった。
だが、
「おい……プラチナはどこにいる? うずめと一緒か?」
「そんなこと答える筋合いは……きゃっ」
麗治の蛇剣が鋭くアオバに襲いかかって竜巻を途切れさせ、雪緒が放った光の刃は、更にセーラー服をズタズタにした。
その隙を逃さずに、妃那がミナカタと共に前衛を回復する。
灼滅者たちの連携の取れた行動に、さしものデモノイドロードといえども、盾となる配下を全て失った後では、為す術はなく――更に数分が経つ頃には。
双調の黎明の安らぎが、弱り切った蒼い少女をがっちりと捕まえると、
「……俺はてめぇらとは違うんだよ」
穣がデモノイドロードへの嫌悪を込めて、ゲンバの建造物を利用し、高い位置から流星のような跳び蹴りを決めた――自分たちが、ロードたちと同種の力を持っていることは理解している。だが同じにはならないという、強い意志を込めて。
「俺は、年寄りを追い回したりしねえ!」
その力強いキックは、アオバをよろめかせ、ジュンはその隙を見逃さず。
「これで終わりです!」
槍を構えて一直線に敵へと走る。
よろりと出された蒼い腕は、炎次郎が機敏に弾き、もうジュンの槍を止めるものはない。
「えーーーい!」
力強く捻り込まれた槍は、アオバの胸を深々と貫き。
「う……」
どろり。
傷口から少女は蒼く溶解してゆき――消滅したのだった。
●戦い済んで
「ちょっと待ってください。今から大事なことを話しますから落ち着いて聞いてくださいね」
明らかに引き気味の戸村氏の退路を断つように、しかしあくまで年長者への礼儀を失しない態度で、炎次郎がプレハブ小屋のドアを閉めた。
「な、何者なんだ、君たちは……」
戸村氏が引き気味なのも無理はない。灼滅者たちの戦いぶりを目の前で一部始終見てしまったわけだし、今彼を取り囲んでいる若者たちの中には、人間とは思えない姿の者もいるのだから。
「私たちは武蔵坂学園の灼滅者です」
ジュンがキラキラの魔女っ娘衣装のまま答える。そして、
「あなたと同じような力を持っているんですよ」
掌をESP改心の光で輝かせながら、皆で灼滅者について、ダークネスについて、この世界の在り方について説明する。
「ふうむ……」
信じ難そうに首を傾げる戸村氏に、
「あ、ちなみに、俺はさっきの武藤雪緒です」
骸骨スライム姿だった雪緒がへらりと笑いかけて人間型へと戻り、麗治も、
「こんなナリですが、オレ達はあいつらとは違う。この武器も、超常の力も、人を護るために使っているんです」
蒼い武装を解いた。
ジュンと統弥は、驚くばかりの戸村氏に、
「悪いようにはしませんので、一先ず私たちの学園へ来てくれませんか?」
「いきなりの展開でさぞ驚かれたと思います。戸村さんは彼らのような存在に狙われていますが、僕達のように戸村さん達を護る人もいますので、一緒の行動をお願いしたいのです」
「そんな、突然一緒に来てくれと言われても……」
だが戸村氏は途方に暮れている様子。
だが、事態は一刻の猶予も許さない。老人はいつまたダークネスに狙われてもおかしくない存在だ。
脅かすようなことは言いたくはないが、双調も礼儀正しく畳みかける。
「このままでは、貴方はまた襲われてしまいます。武蔵坂で保護させてください。ご家族や親族へのサポートも、できる限り配慮いたします」
続けて統弥も。
「ご家族との連絡はいつでも出来ます。そして、できるだけ早く戸村さんが今までの生活に戻れるようにします」
「ううむ……」
戸惑い悩む戸村氏の頭が、ボウと淡く光る。
それを見て妃那は、
「(灼滅者といっても、私達と本当に同じか少々疑問ですね)」
という印象を持った。
灼滅者たちは、じっと戸村氏が結論を出すのを待った。考え込むのも無理からぬことだし、年長者に対する礼儀でもある。
そして。
「……うむ、わかった!」
ついに戸村氏は、思い切ったようにペチンと広い額を叩いた。
「またあんなのに襲われたんじゃ、家族にも迷惑をかけるしな。それに俺が突然力を得た理由も全然わからんし……君らのこともまだよくわかってないが、こんなことになっては、世話になる他なさそうだ」
そして椅子に座ったままではあったが、
「よろしく頼む」
深く頭を下げた。
「こ……こちらこそよろしく、だぜ」
穣がドギマギと手をさしのべて、戸村氏の頭を上げさせた。
「まぁ……なんだ、爺さんが無事でよかったぜ」
祖父母と接した経験がないのでお年寄りに慣れていない彼だが、仲良くなってみたい気持ちはあるのだ。
思い切りよく立ち上がり、灼滅者たちと共に歩み出した戸村氏に、麗治は微笑みかけて。
「スポーツがお好きだそうですね。サッカーも好きですか? 学園に滞在している間にフットサルでも一緒にどうです?」
作者:小鳥遊ちどり |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年5月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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