カミアカリ ~涼暮月~

    作者:西東西


     ある過疎の村にて。
     一人の女性が、清流のそばに佇んでいた青年のもとへ駆けていく。
    「見て、見て!」
    「なんだ。大声をだして」
     あきれたように告げる青年の眼前に、女は手にしていた布をばっと広げて見せる。
     それは一枚の浴衣だった。
     全体に淡い絞りの染色が施されており、やさしい印象を与える。
    「浴衣? ああ、染めたのか」
    「そう! 村のおばあちゃんたちに教えてもらったの。ひととおりの手順は覚えたから、染色体験会とか、やってみたいなーって」
     青年はすこし考えた後、頷いた。
    「ちょうど、この清流でホタルも見られるようになった。蛍狩りの告知をして、人を呼びこもうと思っていたところだ」
    「あっ、それ良い! じゃあさっそく、ブログで宣伝してくるね!」
     女は大きく手を振ると、浴衣をはためかせ、走っていく。
    「……さて。神主さまにも知らせに行くか」
     女の背を見送り、青年は道端に停めていた自転車に乗り、先を急いだ。


    「ある村で、『浴衣染め』の体験会と『蛍狩り』を行うそうだ。もし興味があるようなら、行ってみないか」
     一夜崎・一夜(高校生エクスブレイン・dn0023)は集まった灼滅者たちを前に、資料として集めた風景写真を見せる。
     過疎地であるその村は、村の公式ブログで定期的にイベントを告知している。
     『浴衣染め体験会』は朝から夕方にかけて、村の人間に習って手染を体験することができるイベントだ。
     参加者には白の浴衣が一着、渡されるので、それぞれが好きな色に染めることができる。
     一方、『蛍狩り』は夕方から夜にかけて、村の清流でゲンジボタルを鑑賞するイベントだ。
     車通りが皆無に等しいため騒音はなく、高層ビルがないため星明りも美しい。
     こころゆくまで、蛍を鑑賞することができるだろう。

    「この村は先日トンネルが開通したおかげで、足を運びやすくなった。……が、なにぶん過疎地だけあって、宿泊施設がない。よって一日でトンボ帰りすることになるが、それでも十分に楽しめるはずだ」
    「一夜は、行ったことあるの?」
     配られた案内を手に、七湖都・さかな(中学生エクソシスト・dn0116)がエクスブレインに問いかける。
     一夜は「いいや。一度も行ったことはない」と、かぶりを振る。
    「……だが、これまでに何度も視た」
     首をかしげる さかな をよそに、一夜はかつて視たヴィジョンを思いだす。
     あれから季節はめぐり。
     夏はもう、すぐそこだ。


    ■リプレイ

    ●薫風、翔る
     六月初旬、快晴。
     村につくなり、浴衣染めに参加する者たちはさっそく広い庭のある日本家屋へ。
     用意された浴衣を手に、各々が作業にとりかかる。
     供助(d03292)は青空を見あげ、深呼吸。
     傍らでは、民子(d03829)が手際よく布に糸を巻きつけている。
    「さわたみさんは臙脂かー」
    「キョンたは?」
    「俺は、藍で……流れる川か鱗雲」
    「染めといえば藍よね。うん、似合いそう」
     「柄は?」と問う民子自身は、レース編み風を試したいと告げる。
    「そっか、後で加工もありだな」
     ひとまず面白く染まるようにと、供助は我が子を見守る気分で絞りを施していく。
    「帰ったら浴衣に合う小物作ろうぜ!」
    「それいいな!」
     帯止めに、扇子入れ。
     夏の到来が待ち遠しいと、二人でアイデアを語りあった。

     絞りが終われば、待望の染色だ。
     朔之助(d00390)と烏芥(d01148)は、タライに注がれた染料を覗きこむ。
    「すげぇ。浴衣ってこうやって染めんだ」
    「……不思議ですね」
     光る水面を見やり、烏芥は白い指をそっと色水に沈める。
    (「ガラは何色にするんだろう?」)
     盗み見れば、烏芥の浴衣は上品な涅色に。
     水を含んだ浴衣は重く、烏芥は引きあげるたびに、地を踏みしめていた。
     ふと目線があい、微笑み交わす。
    「これ着てお祭り行くのが、楽しみな?」
    「……たのしみ、うれしいです」
     染色後、庭端の干竿に、矢車と雪華が泳ぐ。
     ふわり揺れるたびに、二人は目を細めた。
     遊(d00822)と桜子(d01901)はタライを並べ、色の相談。
    「桜子はやっぱミカン色?」
    「うん。目指せ、かわいいお花みたいな色っ!」
     「オレは普段赤が多いからなー」と悩み、
    「ここはあえて、青系統。……藍色に挑戦してみる」
     深く、夜空を思わせる色合いになればと決意し、タライに染料を注ぐ。
    「先輩は青い夜色さんを目指すのね!」
    「夏休み、浴衣着て花火でも行くか?」
    「じゃ、気合入れて作業しないと!」
    「次はこの浴衣を、たくさんの想い出で染めてやろーぜ!」
     いい色になりますようにと、二人そろって浴衣をざぶん。
     華月(d00586)は勿忘草色を基調にすると決めた。
     袖下と裾に淡い撫子を入れ、
    「境目はどうしようかな……」
     迷った末、シンプルな混じりのぼかしに染めつける。
    「これを着てお出掛けするのが、楽しみなの♪」
     花の色を映した袖や裾は、風に揺れる野花を思い起こさせるだろう。

     啓(d03584)は浴衣を贈り物にすると告げ、一夜(dn0023)に問いかける。
    「五倍子染めの、紫みの灰なんか良い色だと思ったんだが……」
     模様については、さっぱり見当がつかない。
    「それなら大柄を散らしても派手にはならないし、帯色で遊べるぞ」
     基調が無彩色なら、帯の色で雰囲気を変えられる。
     羽織や巻き物。ブーツを合わせて普段着にするのも良いだろう。
    「……意外と、気軽に着られるものなんだな」
     自分とは縁遠いものだと思っていただけに、一夜の提案は新鮮だ。
     傍で作業をしていた千代(d05646)も、話題に加わる。
    「一夜先輩は黒っぽい浴衣とか似合いそう。帯は、黄緑かな?」
    「そうだな。帯は若草。浴衣は古代紫か紫紺か」
     仕上がりは、染まり具合任せだ。
     そこで、一夜がツッコむ。
    「……鳴神。手もと」
    「あー! 浸けないようにしてたところまで色が染みてる……!」
     これも手作りらしくていいかなと、千代は苦笑い。
     やや離れた位置にいた玉兎(d00599)は、【Snow Rose】のメンバーを振り返る。
    「挨拶は後にするか?」
     千代の邪魔をしてはいけないなと告げれば、
    「OKッスよ、玉先輩。影から観察するんですよね!」
    「気になるものは気になりますよ! だって親友ですもの!」
     意気ごむ青士郎(d12903)と一葉(d06508)に、
    「君たちも好きだな……」
     心葉(d05961)が呆れたようにつぶやく。
     青士郎の提案で会話が聞こえる位置に移動しつつ(青士郎は一葉にダンボールを被せられた)、お互いの染め色にも興味津々。
    「一葉と心葉はどんな色にするんだ?」
    「ボクは、見ての通りだが?」
     心葉の染め色は、黒と紫。
     青士郎は藍色だ。
    「君は、『もっと青く』するのかと思っていた」
     『派手に痛い青』とは、言わずにおく。
    「私は白地を生かしながら、薄紅色に染めてみました」
     今から着る機会が楽しみですと、一葉。
     祭りにも行きたいと、夢がふくらむ。
     そこで、一夜が歩いてくるのに気づき、玉兎が声をかけた。
    「お誘いありがとう、一夜。以前は世話になった」
    「こちらこそ。今回も楽しんでもらえているなら、何よりだ」
     千代が4人を紹介し、全員と挨拶を交わす。
     互いの浴衣を見せあえば、すぐに話が弾んだ。

     花月(d17992)は案の定、一人ぼっち。
     このまま帰ってしまおうかと思った矢先、
    「なんだ、花月も来てたのか」
    「声掛けてくれりゃ良かったのに。一緒にどうだ?」
    「! ……冴凪、さん? 嵯峨根さんも」
     亨(d03496)と勇騎(d05694)に呼び止められ、そのまま同行させてもらうことに。
    「初めまして……。黄瀬川・花月(きせがわ・かづき)です」
    「よろしくね、花月ちゃん」
     紹介を受けた律花(d07319)も挨拶を返し、微笑んで迎える。
    「しかし、どういうの作ろうか悩むな」
     亨が皆に意見を求めれば、
    「地味すぎず、かつ大人っぽい、落ち着きあるのが合うと思うんだよな」
    「亨くんは、黒とか赤が似合いそうだと思うけど?」
    「……私も、黒のような締まった色が素敵かと」
     一方、律花も色が決まらない。
    「グレーや藍もいいけど赤系も捨てがたいわ……」
     コチニールは赤っぽい色になるが、カイガラムシはちょっと、とつぶやけば、
    「……ムシ」
     隣で花月が顔を引きつらせて。
    「花月ちゃんは、もう決めた?」
     問われ、黄で一色染めにすると答える。
    「絵付けで、濃い桃色の撫子の花も」
    「撫子か。うん、綺麗だと思うぜ」
     悩むのもまた楽しく、会話はいつまでも続いた。
    「小鳥はどんな色に染めるんだい?」
     言葉(d01254)は傍らの小さな友人に、尋ねる。
    「水色が、いい……。パパが似合うって、いったから」
    「水色か。うん、似合うと思う」
     「言葉は?」と問われ、藤色にするつもりだと答える。
    「藤のお花色。とっても似合う、と思う」
     小鳥(d09424)は真剣に、頷いた。
     染め終えた浴衣は、言葉が並べて干竿にかける。
    「言葉、言葉、ありがと。浴衣、たのしみ……!」
    「きっと素敵な浴衣になるね」
     乾いたら、浴衣を着て蛍を見に行こうと約束し。
     今のうちに帯を選ぼうと、二人並んで、縁側に戻った。

     九里(d02006)と真魔(d03748)も、揃って作業に勤しむ。
    「しかし、色が迷う所ですねぇ」
     真魔は黒鳶に金を添えるという。
    「きゅうりちゃンは、夕から夜への彩が良い」
     助言を受け、薄紫と橙に決定。
     作業を始めれば、互いの不器用さが露呈して。
    「おや、邪聖さんも?」
    「工作……手芸は苦手、なのだ」
     真魔の一面に、九里が微笑む。
     夕刻を迎え、ようやく作業終了。
     頭上に、邪聖の浴衣色に似た空が広がる。
     浴衣を染めた時間。
     それは、共有した時間そのもののよう。
    「今日は有難う御座いました、邪聖さん」
    「此方こそ。Grazie mille」
     これからも共に過ごそうと、約束を交わした。
     香(d00237)とシュヴァルツ(d00546)は、乾いた浴衣をお互いに交換。
    「今日は付き合ってくれてあんがとな。これ、お前に」
     桜よりやや深い、紅桜の浴衣。
     優しく、女性らしい色合いに、香の表情がほころぶ。
    「ありがと、嬉しい! これは私から」
     少し紫を帯びた、濃紺の浴衣。
    「Danke、嬉しいぜ」
     香の頬に感謝の口づけを落とし、シュヴァルツはさっそく袖を通してみせる。
     着方がわからないと視線を投げれば、
    「私に任せて!」
     香はシュヴァルツの背中側から手を伸ばし、着付けを手伝った。

    ●神灯、踊る
     やがて川の周囲に、足元を照らす灯りが据えられた。
     転々と連なる光は道標として、生徒たちを導く。
     千巻(d00396)は夕暮れの清流に佇み、懐かしい風景を想う。
    「夕焼けの中でも、光ってる子がいるんだね」
     今、この場でしか見られない風景。
     そこに居合わせているという不思議な実感が、胸に迫る。
     日が沈んでからは、川沿いを歩いた。
     川は広く、少しいくと人影はまばらになった。
     せせらぎ。
     風の音。
     瞬く星明り。
     耳を澄まし涼んでいると、浴衣姿の一夜を発見。
    「もう、蛙の声も聞こえるね」
    「ああ。やはり夜は、こうでなければ」
     嬉しそうに目を細める様は、こどものようで。
     二人、蛙の合唱に聞きいった。
     燐音(d00343)は彷徨う光に手を伸べる。
    「君たちは、地上に咲くお星様だね」
     光の乱舞は、瞳を閉じた時に浮かぶ色に似て。
     ――この光景は、起きて視る夢なのかな?
     そんな錯覚に、包まれもする。
     幻想的な世界にもっと触れたいと欲張りながら、夜闇に身をゆだねた。
     玲(d16719)は先刻染めた浴衣をまとい、蛍を待つ。
     やがてぽつりぽつりと、燐光が飛び交いはじめ。
     一瞬の後、周囲は明滅する光にあふれた。
    「……綺麗」
     周囲からも、感嘆の声。
     ――ああ、私だけではないのか。
     蛍と戯れる霊犬を見つめ。
     帰りの呼び声が聞こえるまで、ずっと、佇んでいた。
     清流に近づけば、清らかな水音が響く。
     流希(d10975)は川面を見やり、ふと脳裏をよぎった疑問をつぶやく。
    「『蛍の光』は卒業シーズンに歌われることが多いですが……。昔は、この時期に卒業していたのでしょうかねぇ?」
     帰ったら調べてみようと思いつつ、今は眼前を舞う光を追った。

     【空と君】の四人は、皆で選んだ浴衣を身にまとい満足顔。
    「皆、ビシっと決まってるなぁ~!」
    「ほんと、皆似合うわー」
    「はい、写メった!」
     撮影会を楽しんだ後は、清流へ。
     途中、転びそうになった慧杜(d03025)を怜示(d04631)が支えて。
    「大丈夫かい、慧杜。手、繋いでおこうか?」
    「……うん」
     七(d00989)は芳春(d03545)に目くばせし、「折角だものねぇ?」と距離をおく。
     芳春は二人の様子を、携帯カメラでパシャリ。
     やがてせせらぎの傍で、飛び交う蛍に出会った。
     飛んでいるのを捕まえるのは難しいけれどと、怜示が一匹の蛍を手の内に閉じこめる。
    「レイジくん凄いなー!」
    「竹端すごい! 見せて見せて!」
     四人、顔を寄せあい、明滅する光を見守る。
    「……手の中だと、余計に優しい光に感じるね」
     ふいにそよいだ風にのって、蛍はパッと飛びたって。
     四人、静かに光を見送る。
    「今回作った浴衣も、夏の間にたくさん着たいね!」
    「朝顔市や、ほおずき市のお祭りも楽しいものだよ」
    「んー……あと花火! 行きたい!」
    「ああ、いいわね! どれもステキ!」
     暑いのは苦手だけれど。
     ともに楽しめる仲間がいれば、きっと素晴らしい、想い出になるから。

     シェリー(d02452)と七狼(d06019)も、染めた浴衣で蛍狩りへ。
    「いつもと違う格好で、何だか照れるね」
     お互い、似合っているよと褒め交わす。
    「星と、蛍の光を頼りに歩こうか」
    「そうはいっても、暗いだろう。足元には気をつけて」
     二人、重ねた手を頼りに歩く。
     やがて眼前に、蛍が舞いはじめた。
    「すごい! とても綺麗だね……!」
     燐光に魅入るシェリーを、七狼は背中から抱きすくめ。
    「君越しの蛍も、好い眺めだな」
     冷えた手。
     包みこむ身体の温もり。
     もう少しこのままでと、吐息交じりに零し。
     静寂の中、約束を交わした。
     綴(d03034)と星花(d08226)は手を繋ぎ、川辺で蛍を待っていた。
    「わ、蛍や!」
    「しっ。静かに」
     耳元でささやくも、
    「ひゃ……駄目!」
     驚いた星花の声に、燐光は一斉に霧散。
     まっくら闇の中、ぽつりと、綴が口を開く。
    「見た事ないって、言ってたっけ。蛍」
    「うんー。写真でしか、見たことあらへん」
     短い間しか光れんのは、僕に似てるかもと、笑う。
    「……好きじゃなかった?」
    「嫌いではないで?」
    「じゃあ、また行こ」
     すいと、儚い光が横ぎっていく。
     重ねた温もり。
     存在が、消えないように。
     二人、繋いだ手を握りしめた。
     日和(d05559)と宗佑(d08995)も、並んで歩く。
     新緑の香りを吸いこみ、満天の星を仰ぐ。
     胸に満ちるのは、懐かしさと里恋しさだ。
    「あっ、今光ったの、蛍ですよ!」
     息を詰め、ひかりの軌跡に手を伸べる。
    「みて、とまってくれた」
     「きれい」と微笑み、日和は昔、兄が教えてくれたのだと笑う。
    「今度は日和さんから俺に。そうして、縁が繋がっていくのかな」
     微かな寂しさが、和らいでいき。
     ひとつひとつ、重ねていく色が眩しく、嬉しい。
     星のように流れる、蛍たちに願う。
     ――巡る季節の風景すべてを。あなたと、見られますように。

     奈落(d16818)は暁(d15059)の視線に気づき、頬を染める。
    「女の子って、着るもので印象ガラッと変わるなって」
     「すごく綺麗だね、ナオ」告げる暁の手を取り、奈落は改めて礼を述べる。
     慣れない浴衣姿と暁のエスコートが、少し、気恥ずかしい。
     典雅の時代。
     蛍の歌を詠んだ女流歌人がいたことを、思いだす。
    「……確かに、いいものですね」
    「闇夜だから、この神秘的な光景に出あえたんだしね。……来て良かった?」
     頷き、確かめるように、続ける。
    「誘って貰えて、良かった」
     暁は微笑み、重ねた指を優しく、握りしめた。
     アサド(d12537)とルナエル(d17649)は、川沿いを散策。
     飛び交う燐光を見やり、
    「アサドは蛍、見た事あるかしら?」
    「故郷にはなかった明かりだ。見るのは、初めてになるな」
     幻想の国に迷いこんだかのような光景。
     アサドはずっと、光に心奪われたままで。
     ルナエルはわざと歩調を速め、躓いた。
    「浴衣って、思ったより歩き難いのね」
     すかさず手を伸べたアサドは、
    「……存外、ホタルや浴衣というのは、日本人だけのものではないらしい」
     やっとのことで、そう告げる。
    「来年も、一緒に見られるといいわね」
     不器用な言葉の意を察し、ルナエルは小さく、微笑んだ。

    ●御神、奉る
     夕霧(d15725)は藍錆色の長毛をなびかせ、猫の姿で清流を辿る。
     夜露に濡れる草をかき分け、たどり着いたのは大きな岩場。
     跳びあがってちょこんと座れば、
     ゆらり、ふわり。
     やさしい灯が踊る。
     もしも、神様がいるのなら。
     素敵な景色を作ってくれてありがとうと、感謝の言葉を述べたって良い。
     ――神は、何にでも宿る。きっと。
     にゃあんと一声。
     上機嫌で尾を立てる。

     夜風に、夏の匂い。
     揺れる燐光。
     そのむこうに、カミの声を聴いたような、気がした。
     
     

    作者:西東西 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年6月12日
    難度:簡単
    参加:42人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 5
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