泡沫の色

「いわゆる、秘密基地、というやつなのです。」

街角の小さな古本屋だった場所。
夜逃げか、はたまた何かあったのか。
店員が出てくればそのまま商売ができそうな店内だがそこに人影はなく。
薄ら埃が積もった状態で放置された本たちが、手に取る相手を待っている。

「しばらく見ていましたが、人の出入りはなさそうなのですよ。」

かび臭い本屋のスペースは16畳程度。
奥に4畳半の流し付きの居間スペースがある。


「泡沫の夢を、想いを。」