本当にここは新聞部の部室だろうか。
積み上った資料はまあいい、【お茶代を払わない部員は粛正する】と書かれた張り紙も置いておこう。
この光景は何だろう。中東風のテーブル、床を埋め尽くす絨毯、壷…部室より中東の展示場と呼ぶ方が正しいように思える。
外の表示を見直す。【第三新聞部】
部屋を間違えてはいない。もしや誰か悪戯で表示を替えたのでは。
そんな疑問が頭をもたげた頃、絨毯に包まれた置物(と思っていたが人のようだ)が動き出した。
「誰?人の部屋に入る時はノックしろって教わらなかったわけ?」
寝起きのせいか不機嫌な様子で呟く。どうやらこの部室の主らしい。
「…もしかして入部希望者?」
暫くの沈黙の後、チョロQのように慌しく部室の主が動き始める。
「ようこそ初めまして!お茶飲む?お菓子食べる?今なΣああああ!」
嬉しげにお茶を淹れ始めた部長(仮)が資料の崩落に飲まれる様子を前に
「もう帰ろうかな」そんな考えが頭をよぎった