天野アラシは考える。
病弱だった肉体は瑞々しく、脳は尚冴え渡る。
「足りんな。この燃え滾る野心を満たすのに、肉体的な充足だけでは程遠い!」
とてつもなく広いラボに響き渡るアラシの声!
「研究と対話だ!共に野心を供給する者がいる!助手だ!俺の研究に賛同する助手を一人…」
再び木霊する自らの声。アラシの脳裏に懸念が宿る。
「しかし対話法において労するは、むしろ相手立つ一般人か。」
彼は自らを包む強化外骨格的なアーマーの上から、白衣を羽織る。
「簡単だ、ならば複数人呼び込むべし!今日からここが俺の…天野アラシのラボ『テンペスト』だ!」
こうしてアラシの壮大なる野心は、看板造りから始まった。
「フハハハハ、夢がひろがりんぐ!」