住宅街から外れた閑静な場所にある、蔦に覆われた庭付きの洋館
喧噪から遠ざけられた館には何かの術でも掛けられているのか、
門の内側はゆるりとした不思議な時間が流れている
大きな玄関扉には小さなベルが付けられ、
一歩入れば仄かな灯に照らされた落ち着いたエントランスホール
真昼でもやや薄暗い様相を醸し出す館内には、
エントランスホールにも、廊下にも、各所の部屋にも、
数多くの本棚が並べられ、山のように本が積まれている
本、書、と呼べる物であれば、そう、どんな物でも
魔法使いが遺した叡智の洋館に住まうのは、
白に包まれた書痴の少女と、戯言を好む薄藤の青年
部屋は腐る程にある
時折不可思議な事が起こるこの館で良いのなら、
どうぞ門を叩くと良い
館の主人に認められたなら、
泊まって行くのも住み着くのもどうぞご自由に
最低限のルールを守って本さえ大切にしてくれるのなら、
この館の主人は五月蝿い事は言いやしない
*館内案内必読
*身内クラブ