某所にある、洋風な外観の豪奢な屋敷。
様々な怪奇現象がおこり、住む者が次々に失踪を遂げる――悪魔が住むと噂される曰く付きの屋敷だった。
何処か暗い印象を受けるその門の前に、一人の青年が立っていた。
「ようこそいらっしゃいました。私は当屋敷の使用人、ルゼと申します」
白黒の執事が恭しく迎えるその先には、幾重にも並ぶ扉。
執事がその内の一つを開けば、その先にまた扉が現れた。
「…失礼。此処の主――私も未だお姿を見た事がありませんが、彼はどうにも気まぐれな様で、よくこういった不思議な現象が起こるのです。…おや、もしかして怯えていらっしゃる?勇猛な灼滅者である貴方様が?」
それならば引き返した方が良い。
此処から先は人成らざる者の領域。
幸福な奇跡が降りかかるかもしれない。
目の覚めぬ恐怖に出会うかもしれない。
選択を迫る執事は、柔らかな表情でふわりと笑った。
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