放課後の教室は、何処か薄暗く、不気味だ―――
夕闇も半ばに差し掛かった頃合い、あなたは不図立ち寄った使われていない教室の一角に、小さな灯りを見付ける。
誰かがいる。
そう思って開けた扉の先は、異国の雰囲気漂う家の中と見間違うような場所。ソファに本棚、ベッド等々、明らかな私物の数々。
その真中、机の向こう、――今起きたのか、眠い目をこすりながら、貴方を真っ直ぐと見詰め、少年は尋ねる。
「君はだれだ? ――僕の眠りを妨げるのなら、余程の逸材なのだろうね」
***
寮暮らしを嫌がったエドバルトが、教室の一角に部屋を構えています。
もちろん、クラブだから出入りは自由。
彼だって、気が向いたらお茶くらいは出してくれるでしょう。
彼が眠い時に寝かせておけば、ゲームでもお話でも、好きなように遊んでください。
ああ、人の嫌がることをする人間を嫌う彼は、そういう人は無言で追い出すのでそのつもりで。