辿り至る深海の底は
いつだって酷く冷たい。
濁った瞳があなたを見ている。
手元の灯さえなければあなたの体も
忽ち底へ底へと沈んでいくだけ。
見えぬ深淵に融かされて、
残った心臓だけが凍土のなか。
けれど、あなたが望むなら。
きっと此処は楽園になる。
目を閉じて、ひかりは求めないで。
届かないひかりに焦がれても、
底に住まう魚達に伸ばす手はないのだから。
凍る追憶の中に夢を見よう。
それさえ出来れば、
此処はきっと誰よりもやさしい眠れる海。
さあ、深く深く。
何処までも。
募集は一切しておりません。