一人暮らしのアパートを探して歩いていた所
久美は背の小さなお爺さんに会いました。
「部屋を探しておる?ワシの立てた屋敷じゃったら、空きがあるぞい」
これ幸いと話に乗った直後、久美にとって全く予想外の事態が起きたのです。
「暫く日本全土を巡ろうと思うとった所での、ワシの荷物は全部引き払っておる。暫くはお主が大家じゃ、好きにせい」
「…………はい?」
「放置すると屋敷に埃が溜まると悩んでおった所じゃ、住むついでに掃除しておいて貰えると助かるのぅ」
それじゃあのと言い残して、小さなお爺さんは去っていきました。
「え、ちょっと、待っ」
後に残されたのは、和風な外観の家と
途方にくれる一人の灼滅者。