都心から少し離れた閑静な住宅街……
から、更に離れた小さな丘……
の、もう一つ後ろにある山麓の町。
緑が広がる真ん中に、ちいさな社が建っていた。
端が欠けた朱の鳥居を越えれば、
番いになった神使の白いお稲荷様。
石畳の簡素な参道には、
落ち葉はおろか砂利の一粒も落ちていない。
ここの神主は、さぞ綺麗好きなのだろう。
と。ふと見遣れば、
巫女装束を着た少女が竹箒片手に掃除をしていた。
千早を翻し、せっせと塵を掃いている。
どうやら少女も貴方に気付いたようだ。
「おお、我の信者かや?
良くぞ参ったのう、ゆっくりしてゆくが好いぞ!
……んむ? なんだ、我か?
ふふん、我を知らぬとは不届き千万!
よいか――
火之迦具土神の系譜に連なり、
偉大なる四神九影を統べる、
この『ここのえ神庭宮』の神主にして絶対神、
神坂神那様とは我の事なのだっ!
さぁ、崇め奉り信じ仰ぐが好いぞっ!」
>>最初は「ここのえ神庭宮 案内」をご覧下さい。