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地平線と太陽が接触すると、世界が蜜色に染まった。
夕暮れに公園のジャングルジムの影が伸びる
幼子が唄を口ずさんで駆けていく
街の何処かの礼拝堂のチャイムが夕暮れ告げるように鳴る
―――ふわり漂う黄昏の気配の中、一番星が姿を現した。
かの街の3番街には、人工の光に交じって
一つだけ星の光秘めた洋風街灯が立っているという。
磨き抜かれた赤銅色の柱に吊り下げられたランプには、
近くに住む灯り屋の娘が黄昏時に灯りを点しにくる。
星を燈しているのか、それともただ街灯に光を与えているのか。
真相は灯りのみぞ知る。
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