廃棄されたトンネルを一人の男が歩いている。
男はトンネルの側道に通じる扉を開け中に消えた。
なんとなく気になって男の後を追い
緩やかに下降していく側道を
歩いていると時間の感覚を失っていく。
数時間歩き続けたかもしれないし数秒かもしれない。
やがて道は突き当たりその先で目にしたのは―――――
幾筋も蔦が絡まった場違いに巨大な石造りの門柱。
手前には石造りの階段。
その手前で男が困ったような顔をして迎えた。
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この門柱の先はかつてこの遺跡の研究施設でした。
現在もライフラインが生きており
施設エリアの方では研究員用の住居ブロックで普通に生活もできます。
主に最奥にある「ゲート」と呼ばれるアーチ型の遺跡を研究していた施設で
このゲートをくぐると自らの精神世界を訪ねる事ができるとされています。