Chloris

　
　
　　
細い裏通りに面した、凡そ人も住みそうにない廃墟。
呼び鈴の無い柵門。
くすんで読み取れない表札。
草木生い茂る庭に、三階建ての古びた邸宅が聳え立つ。

以前の家主の置き土産、懐古趣味の調度品が並ぶ家。
今は天体写真に彩られ、珈琲の香りが漂う。


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