靴音を吸い込む臙脂のカーペット。
正面に階段を見据え、
左右には余り有る客間の、許されたのは左だけ。
壁一面に褪せた写真。
暖炉の上にはマリアとシルヴァークロス。
賑やかなメイドが物言わぬ頃、
塵一つ見られないホワイトルチカテーブルにはお紅茶とスイーツが…
「御用向きは?」
詰まらなそうな冷たい瞳が、
豪奢な庭園を背にふてぶてしく呟いた。
(仲良くするならおこのみで。 ただし、カップは少しだけ)
***
たくさんの呼鈴の音。ありがとう。
けれどカップはいっぱいになってしまった。
※また一ヶ月後に鍵が開く予定。気が向いたらまたお会いしたい。ーー〆切。