そこは都心の裏通りにひっそりと建つ雑居ビル。
築18年の新しくもあり古くもあるそんな建物の1フロアには、
「リゼイル探偵事務所」と銘打たれた扉があった。
「蒼真、ワイはこれからしばらく新婚のハネムーンに行くで!3年は世界巡りや!後はよろしゅうな!」
「……はい?」
そこで青年はすでに嫌な予感がしていた。
「受付の美月ちゃんとしっぽり新婚旅行してくるんや!っかー、楽しみやな!」
「つかぬことを聞くとその間の事務所は」
青年の嫌な予感は加速する。
「全部お前に任せた。」
「おい待てこのアメリカ国籍似非関西人」
……かくして、元より人数の少なかった事務所に残るは責任を強引に押し付けられた青年一人。
「……一人ではちょっと仕事回せないな、誰かの力を借りたいところだけど」
●業務内容
・細々とした探偵業務(失せ物さがし、盗聴器チェック、浮気調査)
・「不思議」な事件の調査(都市伝説が関わるかも)
●給料
・応相談