とある山奥、小さな廃村を抜けた先
鎮守の杜に抱かれるは
古い大きな石造りの鳥居に、朽ちかけた拝殿
龍神の飛翔するという伝承のある滝だけが
古代より変わらぬ飛沫をあげる
かつての羅刹による惨劇を色濃く残すこの神社に
白衣に緋袴の巫女が一人
荒廃した景色に佇むその鮮やかな姿は
黄昏時の見せる夢か幻か
人の気配に巫女は振り返り、
「あら、いらっしゃい。
人が来るなんてどれくらい振りかしら?
迷子?それとも肝試し?
何もないけど、参拝していく?」
艶やかに微笑むその手元では、
親指と人差し指が輪っかを作っていた。
◆クラブパワーを貯めつつ神社の復興を目指す