ある少年は云った。
「ぼくは要らない子。ぼくなんか、消えて無くなっちゃえばいいんだ。」
ある男は云った。
「キミは居なくなったけど、ぼくは未だ、此処にいる。キミが居ない、価値なんてこれっぽっちもないこのセカイで、唯独り。キミが『生きろ』と言ったから。」
俗世を拒絶し拒絶され、彷徨う“独り”はもう“独り”と出逢い、そして―――。
ある少年は云った。
「このセカイは狂ってる。だけどそうさ、ぼくこそがキチガイだ。消えてしまえ、壊れてしまえ。そうして全てを透明に。此れがぼくの」
ある男は云った。
「このセカイは醜い。ニンゲン?いいや、違う。森羅万象。全てが穢れてる。尊いキミ、愛しいキミ。キミが生きた証は穢させない。此れがぼくの」
―――――【消失計画-decrescendo plan-】。