「……なに、ここ」
呟きが漏れるが、それも仕方の無い事だろう。
山の中腹で季節外れの桜のトンネルを見つけ、何かに引かれる様にその先へ進むと、絵に描いた様な美しい情景が広がっていたのだ。
幻想的な大自然と、それを見下ろす高台に建てられた一つの屋敷。
……ふと、どこかで聞きた伝承を思い出す。
曰く、
『桜の輪の先、屋敷が一つ。
その姿、見た者数あれど、その姿、覚え伝えた者あらず。
その在り様、まさに朧の如し』
少年はその言葉の意味を推測していく。
……バベルの鎖の様な"何か"が影響しているのだろうか?
だが、考えたが答えは出ない。
……ならば、と、彼は目の前の幻想的な情景を調べるため、その一歩を踏み出した。
……時は流れ、また一人、この場所に迷い込む。
「……珍しいね、ここに人が来るなんて」
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