樹々も眠る黒い森の奥深くに、その廃屋敷は在った。
バベルの鎖と魔術結界に護られた其処は、朽ちたベルベットに包まれ、人形のような主と共に静かな時を刻んでいた。
しかし、ごくたまに狭間に迷う者が居た。
最初は、迷い子の小さな魔女。次に心の抜け落ちた銀の狼。暫くして気の抜けた金の狼が訪れ、最後は陽気な兎の赤ずきんがやってきた。
気儘な迷い人達。
行く当ての無い者は住まわせてやり、静かだった魔術の依代は、どういう訳か、すっかり賑やかになってしまいましたとさ。
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身内クラブ。メタ多め。開放予定は今の所ナシ。