『こんな噂聞いたことある?夜にだけ道ができる不思議な場所があるんだってさ。』
『行こうと思えばどこからでも行けて、帰ろうと思えばどこへでも帰れる。なんでも、そこにある樹が人を招待してるんだとか!その場所の名前は――――』
……………
「――月明かりの大樹。」
意図したものか、或いは道に迷い街の喧騒から外れたか。
噂を思い出しながら狭い路地を抜けると、先ほどまでの街並みとは不釣り合いに鬱蒼と茂る草木。
その先には小さな丘。頂には樹齢幾ばくともわからない大樹。
真上からは大きな月が煌々と照らす。
見渡せば木々の中、ただその丘だけが月明かりで輝いていた。
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大樹と丘と星空以外に何もないこの場所は求める者のためにある。
噂、空想、或いは逃避。
どのような形であれ、求める者を大樹は招く。
ここに居る間は夜が明けることなく続く。
※RP推奨の雑談の場です。