…そこはかつて、誰かが生活していたであろう屋敷だった
かなりの広さを誇る敷地は荒れ果て雑草に塗れ、壁はところどころ崩れかけている
玄関らしき場所には何か書かれた表札がぶら下っているが、完全に朽ちてしまっているそれを読み解く事は叶わない
つまり…人が生活している様子は全くなかった、のだが――
――…がさり、と敷地の奥から物音が聞こえた
…まさか、こんな場所に誰かが居るのか?
普通なら猫か何かだろうと気にも留めないだろうが…貴方は何かに導かれる様に、朽ち果てた屋敷の奥へと踏み込んでいった
そう、まるで異界に呼ばれるかの様に…