≪1:1RPを目的とした個人旅団です。≫
細い路地を通って曲がって曲がって…。
入り組んだ道の先、高い建物に囲まれ肩身狭そうな古い喫茶店。
硝子戸を開ければ薄暗く、懐かしいレトロな雰囲気の店内。
壁や壁際の棚にたくさんの古い電話たち。
「今でも使えるのですか?」
年代物の電話を見ながらお客さんが訊ねれば、
年老いた店主は決まってこう答えるのだ。
「使えますよ。この世界以外に、繋がってしまうけどね」
お客さんはそれは面白いと笑って、
やがて美味しい珈琲を飲んでいる内にそんな話は忘れてしまうけれど。
耳を澄ませば、心も研ぎ澄ませば、きっと聞こえてくる。
―――じりりりりり。
あなたを呼ぶ、音が。