武蔵坂学園の創設者 兼 校長の、緒形・時雄です。
大学部が創設されるこの時期まで、皆さんにお目にかからなかった事をお詫びします。
同時に、皆さんが生きてこの新学期を迎えてくださった事を、嬉しく思います。
私は普段世界を巡り、サイキックアブソーバーを修復する材料を探しています。
皆様の活躍により、
ゴッドモンスターより1発の新たな殲術再生弾を獲得できましたが、サイキックアブソーバーの老朽化は不可避の物であり、今後、現在眠りについている強大なダークネス達が目覚める可能性は、否定できません。
現在
教室で報告されている
刺青羅刹同士の戦いも、その一環と言えます。
このまま放置すれば、古の強大な羅刹である
「鞍馬天狗」が勝利するでしょう。
しかしその勝利は、鞍馬天狗や朱雀門高校を大きく利することになります。
私達教師陣の判断は、バベルの鎖に揺らぐ不安定なものに過ぎません。
故にこの学園では、これまで通り意思決定は全て灼滅者である皆さんひとりひとりに委ねたいと思います。皆さん自身で、この局面についてご検討ください。
……皆様の一部が察知された
「予兆」によると、ご当地幹部アフリカンパンサーが、私の事を知っていたようですね。闇堕ちによる情報漏洩の恐れがある為、私の持つ情報を全て提示することはできないのですが、「王」と呼ばれる者達が、サイキックアブソーバーの登場を予想し、転生等の方法で何らかの対策を試みていたというのは、事実の様です。
ダークネスであっても、「王」についての正しい情報を持つ者はそう多くないでしょう。
充分にご注意ください。彼等は皆、蒼の王より簒奪した何かを得ているのです。