~愛媛県山中~
「セイメイ、貴様……ッ!」
「長かった……この時を待っていたのですよ……!」
そう言い放つと、セイメイはクロキバに向け、大量の水晶の雨を放つ。
「グハッ……オノレ、
コノ間ノ傷サエ癒エテイレバ……」
「いいえ、それは不可能にございます! あなたの傷が癒えぬは、私がナミダ姫より賜いし
『憑竜碑』により、あなたを大地と切り離したからにございます! ……そして部下が居なければ、三竜包囲陣も使えますまい!」
「ダガ、例エ俺ガ死ストモ、クロキバノ名ハ……!」
「そう! それこそが私の最大の懸念、最大の恐怖でありました!
例え死すとも受け継がれ続ける、『王』の転生を喰らう
『黒牙』の系譜!
しかし、楢山は見事に仕事を果たしてくれました。
御覧なさい、先程私の放った呪こそが、楢山の持ち帰りし蒼の技術がひとつ。
その名も
『アンデッドダークネス』にございます!
そう、死により黒牙が継承されるのならば、殺さなければ良いのです!
観念なさいませ。あなたの前に居るのは不死者操りに長けたノーライフキングであり、
縁(えん)の簒奪者にして業(カルマ)の蒐集者。白の王セイメイなのでございます!」