■第4ターン結果
●三六〇位「時任・朱音」。
六六六人衆三六〇位「時任・朱音」は、虐殺と戦闘が繰り広げられる名古屋市街を時計を手に疾走していた。
周囲には、番外の六六六人衆。時刻通りに殺人を行うためのメンバーだ。
「これでも人数が不足しています。全くもって情けない! 灼滅者達にやられ過ぎて番号の補充も入れ替えも追いつかない有様ではありませんか」
ぶつぶつと呟きながら、彼女は六六六人衆を率いてまだ人のいる場所を目指す。
一定の時刻ごとに、一定の人数を。
儀式としての虐殺を必要とする今回の計画のため、彼女は人々が避難した場所をあらかじめ把握している。
だが、彼女達の前に立ちふさがったのは、さらに異質な姿をした存在だった。
「知っているか? 博物館の鎧は夜な夜な仇を求めて彷徨うという噂話を……」
赤と黒の入り混じったオーラをたなびかせ、怨霊武者と化した御伽・百々(人造百鬼夜行・d33264)は六六六人衆の前に立ちふさがる。
その姿に一切の興味を示さず、時任は眼鏡の位置を神経質そうに直しながら宣告した。
「これで10秒の遅れ……。あなたの死は、今です」
瞬間、虚空から時計の針が現れ、百々の首へと飛来する。
それをダイダロスベルトでからめとり、地面へと突き刺すと、百々は宣言する。
「虐殺の物語などすぐに終焉させてやる」
そして、六六六人衆と灼滅者達の戦いが始まる。
最短ルートを走り抜けて来た灼滅者達が、一斉に六六六人衆へと攻撃を開始したのだ。
次々に突き刺さる攻撃が、止んだ時、六六六人衆の陣は切り崩されていた。
「何をしているのですが皆さん! 死んでいる場合ではありませんよ! これでは時刻通りの殺人など夢のまた夢ではありませんか!!」
「我が物語の力を見るがよい」
怨霊武者の黒い影が、被害を逃れた時任へと迫り、大きく斬り裂く。
「私の時計が……!!」
身に着けていた時計が砕け散り、悲鳴を上げる時任の声は、七不思議に呑まれて消えていった。
●トリプルクエスチョン
名古屋市の市街地。灼滅者と六六六人衆が激しく争うビル街の一角では、激しい戦闘が繰り広げられていた。
ベヘリタスの秘宝と改造John-Phoneによって、『ハンドレッドナンバー』計画を主導している六六六人衆、トリプルクエスチョン。
彼を追い詰めていたのは、アイスバーン・サマータイム(精神世界警備員・d11770)をはじめとする灼滅者達だった。
「追い詰めました!! これ以上の犠牲は出させません!」
名古屋市街に展開している六六六人衆は、番外がほとんどだ。
殲術再生弾を発動させた今の灼滅者達にとっては雑魚同然だが、おそらくは高位なのだろうトリプルクエスチョンは文字通りに別格だ。
ロード・ビスマスの一見の時に遭遇したのと同じ、真っ黒なオーラに包まれたトリプルクエスチョンの顔を目掛けて、灼滅者達からの攻撃が飛ぶ。
「いやですねぇ、六六六人衆たるもの、人間を殺さないと駄目じゃないですか」
足元に伸びて来る影業の羊たちを、トリプルクエスチョンは笑いながら斬り裂き、踊るようにコートを翻して跳んだ。
「人間の命って、そんなに上等なもんですかねぇ? あなた達だって、命を奪って生きているでしょう? 食べ物になる動物や、ダークネスの命をね」
街灯の上から戦場を見下ろすトリプルクエスチョンは、肩をすくめて続ける。
「闇堕ちに抗うためにダークネスを灼滅する。殺人衝動に抗わずに人を殺す。どちらも似たようなものじゃないですか」
「……いや、結構違う気がするんですが」
飛び降りざまにトリプルクエスチョンの振るう『く』の字型の刃……ククリナイフと呼ばれる類のそれが、アイスバーンの抱えた枕を斬り裂く。
この六六六人衆と問答をしても実になることは無さそうだ。
そう思いながら、アイスバーンはトリプルクエスチョンを見る。
彼女が舌戦を交わすうち、灼滅者達はこの六六六人衆を包囲する態勢を整えつつあった。次々と攻撃が飛来し、トリプルクエスチョンの逃げ場を奪う。
「フッ! これは! たまりませんね!」
殺し合いに歓喜するように刃を振るうトリプルクエスチョン。
彼がビルの影に足を踏み入れた瞬間だった。
「悪夢は終わりです。ジンギスカンさん、悪い夢は全部食べちゃって下さい。」
トリプルクエスチョンの足元から、羊のかたちをした影業が大きく伸びる。
足に食らいついた影業をトリプルクエスチョンが斬り裂くよりも早く、影はドス黒いオーラに包まれた六六六人衆の体を包み込む。
そして、なおも健在だったトリプルクエスチョンが影を斬り裂いて、飛び出した瞬間、灼滅者達の一斉の攻撃が、彼の体を貫いた。
アイスバーンの手にした槍に貫かれたトリプルクエスチョンは、
「全く、流石ですねぇ。ランキングの入れ替えもはかどらないし、『ハンドレッドナンバー』を造り出すのも失敗となると、上の人が怒りそうです」
呟いたトリプルクエスチョンが、改造John-Phoneを取り出そうとしたのをアイスバーンは見逃さなかった。
手に撒き付いた影が、改造John-Phoneに巻き付き鈍い音を響かせる。
「これで、敵の撤退は遅れらせられるでしょうか」
既に、名古屋市街で虐殺した六六六人衆は壊滅させた。
虐殺の停止によって『ハンドレッドナンバー』化が止まれば、残る敵は撤退するだろうが、既に武蔵坂学園の勝利は確定しようとしていた。
●黒翼卿襲来
名古屋駅。
事前に依頼していた5E蓮の灼滅者達の元に、連絡が届いたのは、トリプルクエスチョンが灼滅され、ダークネス達が遅まきながらも撤退の動きを見せ始めた時だった。
「ハンドレッド・コルドロンが緩んだようですね」
呟いて電話を耳に当てる饗庭・樹斉 (沈黙の黄雪晃・d28385)。
「はい、こちら……え!?」
顔色を変えた樹斉の様子に、周囲にいた5E蓮の者達が一気に静まり返る。
「武蔵坂学園に、敵襲……!?」
→有力敵一覧
→(2)ユニモール(2勝0敗/戦力1000→900)
→(3)サンロード(5勝1敗/戦力650→400)
→(10)中村公園(7勝2敗/戦力1600→1250)
→(12)名古屋市街(39勝2敗/戦力1000→0/制圧完了!)
→重傷復活者一覧
→死亡者一覧
■有力敵一覧
戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。