胎蔵界戦争

    ■第3ターン結果

    ●ゴールド・コンダクター

     歴史上、人類が採掘した黄金の総量は、オリンピック等で用いられる競泳用プール4つ分にも満たないとも言われる。
    『黄金』が人類の心を操るために『ゴールド・コンダクター』が生み出したものであるならば、その少量に留めているのも邪悪な意図あってのことであろうと、灼滅者達が想像するのは難しいことではなかった。
     価値があればこそ、経済を操作する要因にもなるのだろう。

     そのゴールド・コンダクターを、灼滅者達は黄金色に輝く『脳の要塞』の奥にまで追い詰めていた。
     黄金色に輝く脳の要塞。
     触れた物体を黄金に換える元老『ゴールド・コンダクター』の能力で作られたものであるのならば、この要塞そのものもまた、全てが黄金で出来ているのかもしれない。
     その輝きの中で、統合元老院クリスタル・ミラビリスの元老達との二度目の対決は繰り広げられていく。

     クラブ『-Feather-』の灼滅者達は、部長の赤松・鶉(蒼き猛禽・d11006)をはじめとして、ゴールド・コンダクターを追う灼滅者達の先頭に立って突き進んでいた。
    「行くよ!」
     比良坂・逢真(スピニングホイール・d12994)が気合の声も勇ましく敵陣へ切り込むと、拳を振るい、ノーライフキングの1体を叩き伏せる。
     灼滅者達はゴールド・コンダクターを守るノーライフキング達を、1体1体、確実に葬り去りつつあった。

    「充分な期間と予算があれば、君達の寄って立つ日本を経済的に葬ることも出来たのだろうがね。まあ、今さら言っても詮無いことか」
     既に深手を負ったゴールド・コンダクターは、淡々と告げた。
    「だが、最後まで抵抗させてもらおう。我輩の命は、無為に捨て去るには経済的価値があり過ぎる」
    「いちいち経済だのなんだのと……! 俺達の力を、金で縛れると思うな!」
     触れれば黄金化をもたらす魔の手が、逢真の命を脅かす。
     だが、それに怖じることもなく逢真はバベルブレイカーの杭を射出。
     軽々と杭を叩き落としたゴールド・コンダクター。手に触れられたバベルブレイカーが重量を増す。その重さに逆らわず、逢真は金の塊と化したバベルブレイカーを投げつけるように元老へと叩き付けた。
    「むっ……!!」
     金の塊を手で押さえた瞬間、逢真は一瞬のうちに元老の懐へと飛び込んだ。閃光を思わせる勢いで拳の連打が撃ち込まれ、ゴールド・コンダクターが膝をつく。
    「我輩のゴールド・コンダクターとしての長き使命も、これで終わりのようだ。これが最後のゴールド・コンダクターとなるか、あるいは……」
     その言葉を最後に、ゴールド・コンダクターの肉体は消滅した。
     後には、彼が被っていた『不滅の兜』が残される。
    「よし、大将首はいただいたよ!」
     宣言すると、逢真は兜を拾い上げた。
    「……知識……ゴールド・コンダクターが経済を管理してきたっていう話は、確かに気になるけど」
     ダークネスが人類支配を完成したとされる16世紀よりも遥かに前から、人類の歴史は隠然とダークネスによる影響を受けていたことは疑いない。
    『人類管理者』を名乗るノーライフキングの元老達も、そう自称するだけのことをやってきたという事か。
     だが、その真偽を確かめる術は……。
    「これ被るのが一番確実なんだろうけど……嫌だなあ。まあ、一度持って帰ろうか」
     元老達の知識を秘めた『不滅の兜』は、静かに鈍色の輝きを浮かべていた。

    →有力敵一覧

    →(2)闇の雪原(2勝0敗/戦力1400→1300)

    →(3)業の荒野(2勝1敗/戦力450→350)

    →(4)力の森林(2勝0敗/戦力1500→1400)

    →(5)知識の山脈(1勝1敗/戦力300→250)

    →(8)罪の祭壇(16勝8敗/戦力1500→700)

    →(11)脳の要塞(9勝6敗/戦力400→0/制圧完了!)

    →重傷復活者一覧

    →死亡者一覧

    ■有力敵一覧

    有力敵 戦功点 現状

    ゴールド・コンダクター
    10800
    (11)脳の要塞:Battle15にて、比良坂・逢真(スピニングホイール・d12994)に倒される。

    戦功点の★は、「死の宿命」が付与されていることを表します。

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