人間は肉袋にしか見えなかった。湧き出る己の内の殺人衝動は肉袋を全て殺せと叫ぶ。殺せ殺せ殺せ！肉袋どもを駆除せよ！同時に理解していた。その肉袋とは自分と同じ人間であることを。頭の奥から殺意が溢れる、理性が留める、気が狂いそうな日々に精神をすり減らす中、救いは流行病と共に訪れた。幻覚か真実か、高熱に浮かされた彼女が見たものは。「ああ、光が見えます！今理解しました！私の殺意はあなたのためにあった！」