武蔵坂学園から数駅の、空き地。
そこは、交通の便が悪く見捨てられた土地。
隅っこに置かれた数個の土管の群れ。
さりげなく、
不自然に、
まるで隠すように詰まれた、瓦礫の山。
『 ... T e k e l i - l i ... 』
それは悪魔の薄ら笑いのように。
時折響く、そんな囁き。
一見では分からない、
人が一人通れるくらいの奇妙な穴が、1つ。
覗き込めど広がるのは漆黒の景色。
今にも切れてしまいそうな縄梯が掛かっている。
勇気を出して降りてみる?
それとも見なかったことにする?
......落ちないように、そろり降りて行けば、
「...あらやだっ。こんな所まで良く来たわね」
ケラケラと快活に笑う、オネェが一人。
「なぁに? あはは、
悪魔なんていやしないわよ。だって此処は私の家だものー」
空き地の地下にあったのは、人の形を成した蛇の巣。