武蔵坂学園の最寄り駅から、徒歩で数十分。
静かで穏やかな空気が流れる郊外の住宅地。
その一角に建つ、古民家。
平屋であったそこは、古く荒れていたが
手入れはされているようで汚い印象はない。
入り口は開け放たれている。
覗けば、小さくシンプルな小鉢に様々な花が咲き乱れていた。
中にはサボテンや、ちょっと怪しい食虫植物まで多様多種だ。
玄関がまるごと花屋になっているようだ。
ぱちん、
ぱちん、
その店主であり住人である男。
ひどく目付きが悪く手にしたハサミはまるで凶器だ。
「勝手に持ってけ」
気に入った小鉢があれば、男はそう言う。
「勝手に咲いてるだけだ。持ってけ」
花屋と呼ぶには荒く
民家と呼ぶには違和感のある、古民家。
――荒れ果てた花屋へ、ようこそ。
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