都内のとある廃墟ビル。
かつてとある宗教団体が入居していたが、事故で多数の死傷者を出して閉鎖された、という。
そんな曰くのせいか、心霊スポットとして荒らされ果てた建物を抜け、中庭へ。
一年中紅い彼岸花の咲くそこに、小さな小さな社がある。
焼け焦げ赤黒いものが染み付いた、いまにも壊れそうなやしろ。
納められた古い古い札には、蚯蚓ののたうったような字でこうあった。
みながしあわせ、なることのぞむ
小柄な巫女が、ひとり営む、
神社とも言えぬ、ちいさなやしろ。
訪れるものはすでになく。
祀られる神ももういない。
それでもひとり、巫女だけは。
枯れぬ彼岸花といつまでも、共に有り続ける。
ここは彼岸と、此岸のはざま。
基本的、個人用のRP専用クラブ、なり。