超常なる力

     私達の世界には、普通の人が知らない「超常なる力」が存在します。
     すなわち、サイキックと殲術道具です。

    ■サイキック

     サイキックとは、ダークネスが操る超常的な力の総称です。
     灼滅者達は、己の魂に眠るダークネスからサイキックを引き出し、行使します。
     サイキックには念力・武道・魔術・神通力・射撃術など様々な分野が存在しますが、
     大きくは、「サイキック」「ESP」「バベルの鎖」の3種類に分類されます。
     ※なお、眷属や都市伝説などの存在も、これら3種の能力を有しています。

    ●サイキック

     戦闘用に使う特殊能力だけを指す場合も、サイキックと呼びます。邪悪で攻撃的なダークネスの本質を最も反映した力であるため、世界には多種多様のサイキックが存在します。
     サイキックには、本人のルーツに起因したものと、操る殲術道具に起因したものとがあります。

    ●ESP

     主に戦闘時以外に使う特殊能力を、ESP(イーエスピー)と呼びます。一般人にのみ影響を与えるESPも多くあり、それがこの動乱期になってもダークネスの人類支配が崩壊していない理由のひとつになっています。
     ESPには、本人のルーツに起因したものと、着用した防具の魔力に影響されて発現するものとがあります。

    ●バベルの鎖

     ダークネスや灼滅者の体表を薄く覆う永続型の結界膜を、バベルの鎖と呼びます。バベルの鎖は、サイキックではないあらゆる攻撃をかすり傷に留めます(見た目は負傷しますが、HPダメージやエフェクトを受けません)。
     また、バベルの鎖を纏った者の存在や、それが引き起こした怪奇現象等の情報が、過剰に伝播しなくなります。例え目撃者や犠牲者がテレビで暴露したり、インターネットにアップロードしたとしても、無駄なのです。
     逆に、バベルの鎖を纏った者は、未来の自分に降りかかるであろう災難や厄介事を、微かな前兆と共に察知する事すら可能なのです。
     バベルの鎖がある為に、ダークネス達が己の正体を一切隠さず世界を闊歩しようとも、人類は最期の最期まで、その実在を確信することすらできません。
     しかし同じ事は灼滅者にも言えます。灼滅者は、ダークネスと戦う際に一般人の目を気にしたり、相手の記憶を消したりする必要はありません。


    ■殲術道具

     灼滅者はサイキックを使えますが、ダークネスに比べてその肉体は脆弱です。その為、殲術道具(キリングツール)と呼ばれる装備によって能力を補っています。
     殲術道具は「武器・防具・アクセサリ」に分類され、サイキックエナジーによって無から創造されたり、由緒やいわくのある物品にサイキックエナジーが注入されて変化を起こす等の現象により得られます。その形状は多岐に渡り、銃・剣・指輪・洋服といった一般的なものから、湧き上がる闘気・光の剣といった不定形のものまで存在します。

    ●スレイヤーカード

     灼滅者達はバベルの鎖に守られているため、町中で殲術道具を装備しても特に問題はありません(警官から職務質問を受けたって、逃げてしまえば大事になりません)。
     しかしそれではあまりにも「人間らしくない」という事で、武蔵坂学園は、学園の灼滅者達に「スレイヤーカード」と呼ばれる一点物のカードを作り、配布しています。
     このカードは、現在装備している殲術道具やサーヴァントから指定したもの(例えば武器だけ)をサイキックエナジーに分解し封印できる、優れもののカードです。また、日常生活に不必要な身体能力を減らし、年齢相応にしてくれる効果も使用できます。
     封印を解除する際には、予め決めておいた「決めゼリフ」を言う事で解除できます。また、身に危険が迫った際には自動的に封印解除されます。
     あと、武蔵坂学園の支援者の系列店などでのお買い物の際、レジで提示するとお会計から10%オフされるなどの、地味な特典もあるようです。

    ●ダークネスと殲術道具

     ダークネスは、殲術道具にあまり注意を払いません。
     灼滅者と違い、装備しても肉体は強化されず、武器や防具を装備せずとも、それに由来したサイキックやESPを修得する事もできる為です。
     その為多くのダークネスは、得た殲術道具を棲家や体内に溜め込んだり、サイキックエナジーを得るために壊したりします。
     しかし稀に、好んで殲術道具を扱うダークネスも存在します。
     また、カードは武蔵坂学園だけの技術ではないため、自分達用の「ダークネスカード」を作るものもいます。ダークネスカードがあると、「元人格の肉体への変身」が容易にできると言われています。